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日常料理の楽しみ方

冷蔵庫を開けると、半分残った玉ねぎと卵、昨日買った鶏肉が見つかる。

何をつくるか、まだ決めていない。

玉ねぎを薄く切り、鶏肉と一緒にフライパンへ入れる。油の音が少しずつ大きくなり、白かった肉の表面に焼き色が付いていきます。

しょうゆとみりんを加えると、湯気と一緒に甘辛い香りが広がりました。

最後に卵を回し入れ、火を弱める。

冷蔵庫の中では別々だった食材が、一つの料理として皿へ収まります。

日常料理と聞くと、毎日欠かさず献立を考え、手際よく何品もつくらなければならないように感じるかもしれません。

料理経験がほとんどなくても始められるのか。

包丁を安全に使えるようになるのか。

一品だけでも、料理を楽しんだことになるのか。

レシピどおりにつくっても、味が決まらないのはなぜか。

食材を余らせず、使い切れるのか。

つくった料理は、どのくらい保存できるのか。

調べてみると、日常料理は、毎回立派な献立を完成させることでも、短時間で何品も並べることでもありませんでした。

冷蔵庫にあるものを確認する。

一つの料理を決める。

必要な材料を切る。

火の通りを見ながら加熱する。

一度味を見て、少し整える。

料理は、レシピをそのまま再現するだけではなく、食材、時間、道具、食べる人数、その日の体調を見ながら、一食を組み立てる活動です。

今回は、自宅で月に2回ほど、普段とは少し意識を変えて日常料理へ取り組む場合について、必要な時間と費用、最初の献立の選び方、買い物、下ごしらえ、加熱、保存、包丁や火の安全、そして続けることで変わっていく楽しみ方をまとめました。

この記事でいう月2回は、普段の食事づくりとは別に、新しい料理を試したり、基本を練習したりする時間の目安です。日常的に自炊している人なら、その中の一食を「今日は少し丁寧につくる日」と決めるだけでも構いません。

※肉や魚の種類、料理の量、保存方法によって、安全に必要な加熱や管理は異なります。食品の表示、調理器具の説明書、公的機関の案内を確認してください。


まず知っておきたい基本情報

一回の標準時間 約1時間40分

短く取り組む場合 約35分

準備や片付けを含む総所要時間 約2時間10分

想定する頻度 月2回、年間約24回

主な場所 自宅の台所

一回の食材費 約500円から

基本道具を買い足す場合 約6,500〜15,000円

年間費用 約14,000円

運動強度 約2.5METs

始めやすさ とても始めやすい

施設への依存 ほとんどない

天候の影響 ほとんどない

楽しさの中心 食材選び、段取り、味の調整、食べること、暮らしへの活用

標準時間は約1時間40分ですが、そのすべてを加熱へ使うわけではありません。献立を決める、食材を洗って切る、料理をつくる、盛り付ける、食べ終えたあとに片付けるところまでを含みます。

短い日は、具だくさんのみそ汁、丼もの、炒め物、麺料理など、一つの鍋やフライパンで完成する料理を選べます。

35分で一品を完成させる。

次の回には、その一品へ副菜を加える。

慣れたら、同時に二品を進める。

最初から多くの作業を重ねず、料理の数と手順を少しずつ増やします。

日常料理は、食材をおいしく食べ切るための組み立て

料理を始めるとき、レシピだけを先に探すことがあります。

けれど、日常料理では、冷蔵庫や保存棚を先に見ることも大切です。残っている野菜、早く使いたい肉や魚、開封済みの調味料を確認すると、その日に向く料理が見えてきます。

玉ねぎと卵があるなら、スープや卵とじ。

キャベツと豚肉があるなら、炒め物や蒸し料理。

豆腐があるなら、みそ汁、あんかけ、冷ややっこ。

残ったごはんがあるなら、雑炊やチャーハン。

料理は、新しい材料を毎回買いそろえるところから始めなくても構いません。今あるものを、傷む前においしく食べられる形へ変えることも、日常料理の大きな役割です。

同じ材料でも、切り方と加熱方法で印象が変わります。

玉ねぎを薄く切れば、短い時間でやわらかくなる。

大きく切れば、煮込んだあとにも食感が残る。

肉を焼いてから煮れば、香ばしさが加わる。

最初から水分の中へ入れれば、やわらかな仕上がりになる。

レシピを覚えるだけでなく、一つの食材がどのように変わるかを見ることが、次の料理へつながります。

最初の一食を選ぶ三つの方法

一つのフライパンで完成する料理

初めてなら、炒め物、親子丼、焼きうどんなど、使う調理器具が少ない料理から始められます。

必要な作業は、食材を切る、順番に加熱する、調味料を加えるという流れです。鍋とフライパンを同時に使わないため、火加減と食材の変化へ集中できます。

最初に確認したいことは、次のとおりです。

どの食材から加熱するか。

肉や魚へ十分に火を通せるか。

調味料を入れる前に焦げていないか。

水分をどこまで残すか。

味見できる段階はどこか。

炒め物は簡単そうに見えますが、材料を一度に入れすぎると温度が下がり、水分が出て蒸したような仕上がりになることがあります。少量から試し、フライパンの広さと火加減を確かめます。

汁物とごはんを組み合わせる

具だくさんのみそ汁やスープは、一つの鍋へ野菜、肉、豆腐などを入れられます。

ごはんと合わせれば、品数が少なくても一食としてまとまりやすくなります。最初は主菜、副菜、汁物をすべて別につくるより、一つの汁物へ複数の食材を入れる方が、工程と洗い物を減らせます。

食材の硬さによって、入れる順番を変えます。

火が通りにくい根菜。

肉や魚。

葉物野菜。

豆腐や溶き卵。

香りを残したいねぎや薬味。

どの食材が何分でやわらかくなるのかを知ると、別の料理でも段取りを考えやすくなります。

すでに知っている料理を一つだけ丁寧につくる

新しい料理へ挑戦することだけが、料理の楽しみではありません。

卵焼き。

みそ汁。

野菜炒め。

カレー。

焼き魚。

以前につくったことがある料理を、火加減、切り方、味付けのどれか一つだけ意識してつくります。

今日は、野菜の大きさをそろえる。

次は、調味料を量ってみる。

その次は、火を弱めるタイミングを見る。

同じ料理を繰り返すと、前回との違いが分かりやすくなります。

献立を決めるときは、三つの要素から考える

日常料理では、毎回新しい献立を一から考える必要はありません。

主食。

中心になるおかず。

野菜や汁物。

この三つから、必要な範囲だけ選びます。

主食は、ごはん、パン、麺など。

中心になるおかずは、肉、魚、卵、大豆製品など。

野菜や汁物は、みそ汁、スープ、サラダ、和え物、蒸し野菜など。

一食ですべてを完璧にそろえようとすると、料理を始める前に疲れてしまいます。昼に野菜が少なかったら、夜の汁物へ多めに入れるというように、一日や数日の中で整えていく考え方もできます。

初心者が最初に避けたいのは、すべての料理を同時に完成させようとすることです。

冷めてもおいしい副菜を先につくる。

次に汁物を温める。

最後に主菜を焼く。

料理ごとに完成させたい時間を考えると、食卓へ並べる頃にすべてが慌ただしくなることを減らせます。

食材を買う前に確認したいこと

自宅にあるもの

買い物の前に、冷蔵庫、冷凍庫、食品棚を確認します。

すでにある調味料。

早く使いたい野菜。

冷凍した肉や魚。

残っている主食。

賞味期限や消費期限が近いもの。

写真を撮ってから買い物へ出ると、同じものを重ねて買うことを減らせます。

何人分つくるか

レシピが4人分でも、自分がつくりたいのは1人分かもしれません。

調味料を単純に4分の1へすると、少なすぎて計りにくいことがあります。最初は2人分をつくり、残りを翌日の食事へ回す方法もあります。

ただし、保存する前提なら、つくったあとに室温へ長く置かず、小分けにして早く冷やすところまで計画します。厚生労働省は、残った食品を浅い容器へ小分けして保存し、温め直す場合も十分に加熱するよう案内しています。

自宅の熱源と器具

ガス火。

IH。

電子レンジ。

オーブン。

魚焼きグリル。

調理器具には、対応する熱源があります。IH非対応の鍋を使う、空の鍋を長く加熱するといった使い方を避け、製品表示を確認します。

日常料理で過ごす1時間40分

1.料理と食べる時間を決める

最初に、何時に食べたいかを決めます。

料理を始めてから献立を増やすと、予定より遅くなることがあります。

今日は丼もの一品。

ごはんと具だくさんスープ。

主菜と、切るだけの副菜。

最初に完成形を小さく決めます。

2.冷蔵庫と調味料を確認する

レシピに書かれた材料を、すぐ買いに行く必要はありません。

似た野菜へ替えられないか。

肉の代わりに卵や豆腐を使えるか。

開封済みの調味料がないか。

必要なものだけを買い足します。

3.手を洗い、作業面を整える

調理前には手を洗い、清潔なふきんやタオルを用意します。

まな板。

包丁。

ボウル。

鍋やフライパン。

調味料。

食材。

最初に使うものを出しておくと、加熱中に棚を探すことを減らせます。

消費者庁は、食中毒予防の基本を「つけない・増やさない・やっつける」とし、手洗い、生鮮食品の低温保存、中心部までの十分な加熱を案内しています。

4.加熱しない食材から下ごしらえする

生で食べる野菜や、加熱後に使う薬味を先に切ります。

そのあとで、生肉や生魚を扱います。同じ包丁やまな板を使う場合は、使用後に洗浄し、必要な衛生処理を行ってから別の食材へ使います。

生肉を切ったまな板へ、加熱せず食べる野菜を戻さない。

生肉に触れた手で、調味料の容器や冷蔵庫を触らない。

肉をつかんだ箸を、盛り付けへ使わない。

目に見えない汚れを、次の食材へ移さないことが大切です。

5.材料の大きさをそろえる

同じ食材でも、大きさが大きく違うと火の通りに差が出ます。

にんじんの厚さ。

鶏肉の大きさ。

じゃがいもの角。

玉ねぎの幅。

最初から美しい形へ切る必要はありません。極端に大きいものと小さいものが混ざらないようにします。

包丁は、切る食材とまな板を安定させて使います。切れにくい包丁へ強い力をかけるより、刃の状態を確認し、必要に応じて研ぎや交換を行います。

6.調味料を先に量る

加熱が始まってから、しょうゆや砂糖の量を一つずつ確認すると、食材を焦がすことがあります。

しょうゆ。

みりん。

酒。

砂糖。

塩。

必要なものを、小さな容器へまとめるか、すぐ量れる場所へ置きます。

最初は目分量ではなく、大さじ、小さじ、計量カップを使うと、次につくるときに味を調整しやすくなります。

7.火を付けたら、その場を離れない

フライパンや鍋を加熱したまま、別の部屋へ行かないようにします。

電話や来客へ対応する場合は、一度火を消します。消防庁は、こんろから離れるときには必ず火を消し、周囲へ燃えやすいものを置かないよう案内しています。令和6年中には、こんろを発火源とする火災が2,718件発生しています。

布巾、紙類、油の容器、包装材を、火の近くへ置きません。袖やエプロンのひもが炎へ近づかないことも確認します。

8.中心まで火を通す

表面へ焼き色が付いても、厚い肉の中心は生のことがあります。

切って中を見る。

透明な肉汁になっているか確認する。

料理用温度計を使う。

煮込みでは、全体をかき混ぜる。

厚生労働省と消費者庁は、加熱調理する食品について、中心部を75℃で1分以上加熱することを一つの目安としています。電子レンジでは加熱むらが起こるため、途中でかき混ぜるなどの対応も必要です。

9.味見は少しずつ行う

味見は、料理を完成させるための大切な工程です。

塩味は足りるか。

甘さが強すぎないか。

酸味や香りを加えたいか。

煮詰まりすぎていないか。

一度に調味料を大量に足すと戻しにくくなります。少量を加え、よく混ぜ、もう一度味を見ます。

生肉や生魚へ触れた箸やスプーンで、そのまま味見をしません。味見用の清潔な器具を使います。

10.食べる、冷ます、保存するまで終える

料理が完成したら、温かいうちに食べるものは早めに食卓へ出します。

保存するものは、鍋のまま室温へ長く置きません。浅い容器や保存袋へ小分けし、できるだけ早く冷ましてから冷蔵・冷凍します。

農林水産省は、カレーなどの煮込み料理を保存する場合、底の浅い容器や保存袋へ小分けして早く冷やし、速やかに冷蔵・冷凍するよう案内しています。再加熱では、鍋底までよくかき混ぜて中心まで加熱します。

保存容器には、料理名と日付を書いておくと、いつつくったものか分からなくなることを防げます。

日常料理から広がる七つの楽しみ

日常料理を続けると、時間、費用、食べる人数、持ち運び、年齢などに合わせた別の工夫へ興味が広がります。

後から個別記事を追加するときは、以下の見出しから自然にリンクをつなげられます。

作り置き料理の楽しみ方

作り置き料理は、一度の調理で数回分のおかずや下ごしらえを用意する方法です。

休日にまとめてつくる。

野菜だけ切っておく。

肉へ下味を付けて冷凍する。

主菜を一品、副菜を二品つくる。

平日の負担を軽くできる一方、安全な冷却と保存が欠かせません。大量の煮込み料理を鍋のまま放置せず、浅い容器へ小分けして早く冷やします。

最初は一週間分をまとめず、翌日までに食べる一品から試します。

時短料理の楽しみ方

時短料理は、ただ急いで手を動かすことではありません。

切る回数を減らす。

加熱中に次の作業を進める。

一つの鍋で完成させる。

電子レンジを下ごしらえへ使う。

冷凍野菜や缶詰を取り入れる。

工程そのものを減らすことで、無理なく早く完成させます。

最初は、10分短くすることより、途中で使う道具を一つ減らすことから考えます。洗い物まで含めて短くなる方法が、自分の暮らしに合う時短です。

節約料理の楽しみ方

節約料理では、安い食材だけを選ぶのではなく、買ったものを使い切れる献立を考えます。

同じ野菜を複数の料理へ使う。

肉を少量にし、豆腐や卵を組み合わせる。

冷凍できる分は傷む前に保存する。

残った料理を、翌日の丼や麺へ展開する。

高価な食材を避けても、使わずに捨てれば節約にはなりません。買い物前の在庫確認と、一つの食材を数回へ分ける計画が中心になります。

一人暮らし料理の楽しみ方

一人暮らし料理では、少量をつくる難しさがあります。

調味料を小さじ以下へ分けにくい。

野菜を一度で使い切れない。

一食だけでは光熱や片付けの負担が大きい。

同じ料理が続きやすい。

二食分をつくり、翌日に回す。食材の半分を冷凍する。味付け前の状態で取り分けるといった方法で、一人分へ合わせます。

最初は、大きな鍋や多くの器具をそろえず、フライパン、小鍋、包丁、まな板から始められます。

お弁当作りの楽しみ方

お弁当は、つくってすぐ食べる日常料理とは違い、食べるまでに時間があります。

食材へ十分に火を通す。

汁気を切る。

ごはんとおかずをよく冷ます。

清潔な箸で詰める。

保冷剤や保冷バッグを使う。

農林水産省は、温かいまま詰めると蒸気が水分になり傷みの原因になるため、十分に冷ましてから詰めるよう案内しています。長く持ち歩く場合は、保冷剤や保冷バッグを使います。

最初は、夕食のおかずをそのまま詰めるのではなく、持ち運びへ向く水分の少ない一品から試します。

キャラ弁の楽しみ方

キャラ弁は、食材の色と形を使い、動物、人物、季節のモチーフなどを表すお弁当です。

海苔を切る。

ごはんの形を整える。

卵や野菜で色を加える。

小さな部品を配置する。

見た目に集中するほど、食材へ触れる回数と作業時間が増えます。手洗い、清潔な道具、十分な加熱、冷却を優先し、室温へ長く置きません。

最初は顔全体を細かく再現せず、おにぎりへ海苔で目を付ける程度から始められます。

離乳食作りの楽しみ方

離乳食作りは、大人の料理を小さく切るだけではありません。

子どもの発達、食べる力、月齢だけでは決められない個人差、アレルギー、栄養などを考える必要があります。厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」では、離乳の進め方や食物アレルギー、咀しゃく機能などを含む支援の考え方が示されています。

自己判断だけで進めず、乳幼児健診、自治体の栄養相談、小児科などの案内も確認します。

特に、生後1歳未満の乳児には、はちみつやはちみつを含む食品を与えてはいけません。乳児ボツリヌス症を発症するおそれがあるためです。

日常料理ならではの楽しさ

食材の変化を目の前で見られる

硬かった野菜が、加熱によってやわらかくなる。

透明だった卵白が、白く固まる。

肉の表面へ焼き色が付き、香りが変わる。

水分が減り、味が濃くなる。

料理では、時間と熱による変化を、香り、音、色、手触りで確かめられます。

少しの調整が、味へ表れる

塩を一つまみ加える。

火を少し弱める。

酸味を少量入れる。

最後に香りのある薬味を加える。

小さな選択が、食べたときの印象へ直接つながります。

つくったあとに、必ず食べる時間がある

手芸や工作とは違い、料理は完成後に食べて終わります。

香りを感じる。

温度を確かめる。

食感を見る。

次に変えたい部分を考える。

完成品が残らない代わりに、食べた感覚と次の工夫が残ります。

暮らしの負担を少し軽くできる

一つの料理を覚えると、次に似た材料がある日に使えます。

冷蔵庫へあるものから夕食を決められる。

外食や総菜だけに頼らず、一品だけ自分で加えられる。

体調に合わせて、味や量を変えられる。

趣味として身に付けたことが、普段の生活を助けます。

誰かの好みへ合わせられる

辛いものを控える。

野菜を少し小さく切る。

好きな味付けに近づける。

食べやすい量へ盛る。

同じ料理でも、食べる人によって調整できます。相手の反応が、次につくる料理のヒントになります。

身体への負担と健康面

日常料理の運動強度は約2.5METsです。

体重60kgの人が一時間取り組んだ場合、単純計算では約158kcalになります。長時間座り続ける趣味より身体を動かしますが、立ちっぱなし、前かがみ、包丁を握る動きが続きます。

調理台の高さと姿勢を見る

調理台が低いと、背中を丸めて作業しやすくなります。

まな板の下へ安定した台を置く。

重い鍋を無理に持ち上げない。

長い下ごしらえは、一度椅子へ座って行う。

途中で肩と腰を伸ばす。

滑る台や不安定な高さへ無理に調整しません。

包丁を握り込まない

硬い食材を切るとき、包丁の柄を強く握りすぎることがあります。

よく切れる状態か確認する。

食材の平らな面を下へする。

一度に厚い部分を切らない。

無理な場合は、電子レンジなどで少しやわらかくしてから切る。

指や手首へ痛みがある日は、カット済みの食材を使う方法もあります。

熱と蒸気へ注意する

鍋のふたを開けるときには、蒸気が顔や手へ向かわないようにします。

取っ手の向きを通路へ出さない。

濡れた布で熱い鍋を持たない。

オーブンやグリルには耐熱ミトンを使う。

熱い油へ水分の多い食材を勢いよく入れない。

やけどした場合にすぐ流水を使える状態へしておきます。

一回にかかる費用

日常料理では、食材費を生活費として考えるか、趣味の費用として考えるかで金額が変わります。

ここでは、月に2回、新しい料理や少し丁寧な一食へ取り組む追加費用を中心に考えます。普段の朝食や夕食に使うすべての食費を、年間趣味費へ含めるものではありません。

初期費用の目安

手持ちの台所用品を使う 0円

不足する小物だけ買う 約1,000〜3,000円

包丁やまな板を含めて買い足す 約6,500〜15,000円

鍋、フライパン、計量器具まで一式を新しくする 約20,000〜40,000円

一般家庭には、すでに鍋や食器がある場合が多いため、すべてを新しく購入する必要はありません。

メーカー公式価格の一例では、貝印の三徳包丁が税込4,840円、ひのきのまな板が税込3,300円です。タニタの料理用デジタル温度計には税込1,650円の製品例があります。これらをすべて新しくそろえるだけでも約9,800円になるため、6,500円は手持ち品を活用し、不足分だけ補う予算として考える方が自然です。

一回にかかる費用

簡単な一品 約300〜500円

一人分の主食と主菜 約500〜800円

肉や魚を使った二人分の食事 約800〜1,500円

複数の料理や特別な食材 約1,500〜3,000円

材料費は、食材の種類、人数、季節、すでにある調味料によって変わります。

一回500円は、卵、豆腐、旬の野菜、鶏肉などを使ったシンプルな一食や、手持ち食材を活用する場合の目安です。

年間費用

月に2回、年間24回取り組む場合は、約14,000円が一つの目安です。

一回500円なら、年間の食材費は約12,000円です。そこへ消耗した調味料や保存用品、少数の道具の買い足しを加えます。

高価な肉や魚を毎回使う。

専門的な調味料を集める。

新しい調理家電を購入する。

料理教室へ通う。

このような楽しみ方では、年間費用が増えます。

費用を抑える方法

買い物前に冷蔵庫を確認する。

旬の食材を選ぶ。

同じ食材を複数の料理へ使う。

一人分ではなく二食分をまとめてつくる。

肉、卵、豆腐を使い分ける。

専用調味料を増やしすぎない。

高価な調理家電は後回しにする。

安い食材を探すことだけでなく、買ったものを傷ませず食べ切ることを優先します。

初めて用意するもの

最低限必要なもの

包丁

まな板

鍋またはフライパン

菜箸、木べら、フライ返しのいずれか

ボウルまたは深めの皿

計量スプーン

食器

食器用洗剤とスポンジ

清潔なふきんやキッチンペーパー

ハンドソープ

材料と調味料

自宅にあるものを確認し、不足分だけ購入します。

あると便利なもの

計量カップ

キッチンスケール

料理用温度計

タイマー

ざる

ピーラー

保存容器

耐熱ミトン

小さなトレー

冷凍保存袋

ラベルと油性ペン

料理用温度計は、厚みのある肉や揚げ物の中心温度を数字で確認したいときに役立ちます。

最初は買わなくてよいもの

高価な包丁セット

多くのサイズの鍋

専用の電気調理器

フードプロセッサー

高性能なオーブン

大量の保存容器

一つの料理にしか使わない調味料

大容量の業務用食材

最初は、包丁、まな板、鍋かフライパン一つでつくれる料理を選びます。

通常は必要ないもの

保護眼鏡

防じんマスク

屋外用の緊急通信機器

大がかりな救急装備

一般的な家庭料理では、これらを標準装備としてそろえる必要はありません。刃物、火、熱、食品衛生へ注意し、軽いやけどや切り傷へ対応できる家庭用の救急用品を確認しておきます。

日常料理で気をつけたいこと

生の食品から汚れを広げない

生肉や生魚へ触れた手、包丁、まな板、箸には、目に見えない汚れが付いている可能性があります。

加熱しない野菜や完成した料理へ触れる前に、手と器具を洗います。肉用と野菜用でまな板を分けられない場合は、加熱しない食品を先に切ります。

食材を室温へ長く置かない

買ってきた肉、魚、乳製品、総菜などは、できるだけ早く冷蔵庫へ入れます。

農林水産省は、冷蔵・冷凍が必要な食品を、温度が上がらないうちに持ち帰り、速やかに保存するよう案内しています。

料理を途中で止める場合も、食材や半調理品を室温へ放置せず、状態に応じて冷蔵します。

怪しい食品は味見で確認しない

においや見た目が普段と違う。

いつつくったか分からない。

長く室温へ置いた。

容器が膨らんでいる。

このような食品は、少し食べて安全を確かめようとしません。

厚生労働省も、少しでも怪しいと思った食品は食べずに捨てるよう案内しています。

油へ水を入れない

油が発火した場合、水をかけると油が飛び散り、炎が広がる危険があります。

火を消す。

安全にできる場合は、鍋へふたをする。

周囲へ知らせる。

危険を感じたら避難して119番する。

家庭にある消火器の種類と使い方も、事前に確認します。

包丁を洗い物の中へ沈めない

包丁を水や泡の中へ隠すと、別の食器を取ろうとしたときに刃へ触れる可能性があります。

使い終わった包丁は、見える場所へ置く。

刃を人が通る方向へ向けない。

一枚ずつ洗う。

水分を拭き、所定の場所へ戻す。

子どもやペットが触れないようにします。

続けると変わる楽しみ方

ここで紹介する五段階は、料理の上手さや食生活の優劣を示すものではありません。

疲れた日は、温めるだけの食品や総菜を利用して構いません。一品だけ自分で加えることも、暮らしに合わせた料理です。

1.一品を完成させる

最初は、炒め物、汁物、丼ものなどを一つ選びます。

材料を確認する。

切る。

加熱する。

味を付ける。

盛り付ける。

安全に片付ける。

一品を自分で食べられる状態へできたら、最初の到達点です。

2.基本の火加減と味付けを安定させる

次は、同じ料理をもう一度つくります。

材料の大きさをそろえる。

調味料を量る。

弱火、中火、強火を使い分ける。

加熱時間を記録する。

前回より焦げにくくなった、味が濃くなりすぎなかったという変化が見えてきます。

3.食材と味の選択を増やす

基本へ余裕が出ると、レシピの一部を変えられます。

鶏肉を豆腐へ替える。

旬の野菜を加える。

塩味を減らし、香りを加える。

同じ具材を和風、中華風、洋風へ変える。

一つの料理を覚えることから、食材を見て料理を考える段階へ進みます。

4.数日や食卓全体を組み立てる

さらに続けると、一品だけでなく、複数の料理と翌日までを考えます。

主菜と汁物を同時に進める。

残った食材を翌日の献立へ回す。

作り置きと冷凍を組み合わせる。

お弁当へ向くおかずを選ぶ。

料理そのものだけでなく、買い物、保存、片付けを含む流れを整えます。

5.発信、共有、仕事へ広げる

料理を続けると、レシピの記録、写真、記事、動画、教室などへ広げられます。

自分の献立をまとめる。

家族や友人へ料理をふるまう。

料理の工夫を発信する。

オリジナルレシピをつくる。

食に関わる仕事を学ぶ。

料理や加工食品を販売する場合は、趣味の延長だけでは始められません。営業内容に応じて許可や届出が必要になるため、管轄の保健所へ確認します。販売する食品には、食品表示やアレルギー表示が必要になる場合もあります。

日常料理が合いやすいのは、こんな日

外出せず、自宅で手を動かしたい日。

食べたい味を自分でつくってみたい日。

冷蔵庫に残った食材を使い切りたい日。

新しい料理を一品だけ試したい日。

普段の食事を少し整えたい日。

誰かへ温かい料理を用意したい日。

料理を通して、季節の食材を知りたい日。

一方で、体調が悪い日、集中できない日、片付けまで行う余裕がない日には、刃物や火を無理に使いません。

カット野菜を使う。

電子レンジで温める。

総菜へ汁物だけ加える。

冷凍しておいた料理を使う。

料理を休む選択も、日常の食事を続けるために必要です。

初めてなら、具だくさんの汁物を35分でつくる

初めての一回は、主菜、副菜、汁物をすべてそろえなくても構いません。

玉ねぎ。

にんじん。

きのこ。

豆腐や薄切り肉。

使いやすい食材を三〜四種類選びます。

手を洗う。

野菜を同じくらいの大きさに切る。

鍋へ水と火の通りにくい食材を入れる。

肉を使う場合は中心まで加熱する。

やわらかくなったら、だしや調味料を加える。

一度味を見て整える。

器へ盛り、火を消したことを確認する。

最初の目標は、何品も並んだ献立をつくることではありません。

切った食材が、鍋の中で少しずつやわらかくなること。

味のなかった湯へ、食材と調味料の味が重なること。

自分でつくった温かい一杯を、食卓へ置けたら。

それだけで、最初の日常料理として十分です。

調べる前より、毎日の義務ではなく暮らしを組み立てる趣味に感じました

調べる前は、日常料理には、限られた時間で献立を決め、何品も手際よくつくり、毎日繰り返す印象がありました。

包丁を速く使える人。

複数の鍋を同時に見られる人。

冷蔵庫の食材から、すぐ献立を思い付く人。

そのような人でなければ、料理を楽しむ余裕は持ちにくいようにも感じます。

けれど、最初の一食の流れを見ていくと、必要なのは多くの料理でも、特別な調理器具でもありませんでした。

冷蔵庫を見る。

一品だけ決める。

食材を洗う。

同じくらいの大きさに切る。

火の通りを確かめる。

少し味見をする。

食べ終えたら、安全に保存して片付ける。

日常料理の最初の目標は、立派な食卓を一度で完成させることではありません。

昨日まで別々だった食材が、一つの料理としてまとまること。

外で買うしかないと思っていた味を、自宅でも少しつくれること。

冷蔵庫へ残っていた食材を、傷ませず食べ切れること。

料理は、食べると形が残りません。

けれど、切り方、火加減、味付けの感覚は、次の一食へ残ります。

日常料理は、毎日完璧に続ける義務というより、食材と時間を見ながら、自分や誰かの暮らしへ合う一食を少しずつ組み立てていく趣味なのだと思います。

休日のよりみち帖では、気軽に始められるものから、少し時間をかけて楽しみたいものまで、さまざまな趣味やレジャーを紹介しています。

「次の休日は何をしよう」と迷ったときに、新しい楽しみを見つける小さなきっかけになれたらうれしいです。

これからも、次にやってみたくなる趣味を一つずつ丁寧に紹介していきますので、ぜひフォローして、次の記事も覗いてみてください。

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