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本気で遊ぶ父は、信用されるらしい 第4話

泊まりに行った、彼女の友人の家


その家に遊びに行ったのは、
私の友人ではなく、
彼女の友人の家だった。

「今日、○○ちゃん家行くんだけど、
一緒に来る?」

軽い誘いだった。

私は特に断る理由もなく、
なんとなく一緒に行くことにした。

正直に言えば、
この時点で私は、
あまり気乗りしていなかった。

彼女の友人の家。

この距離感だけでも
少し気を遣う。

そこにさらに、
こんな一言が続いた。

「子ども、3人いるんだけどね」

……あ、そうなんだ。

その一言で、
自分の中の空気が
少し変わった。

子どもがいる場所。

私にとっては、
まだまだよく分からない世界だった。

玄関を開けた瞬間、
すぐに分かった。

ここは、
ちゃんと子どもが生活している家だ。

床にはおもちゃ。
壁には落書き。
ソファの隅には、
いつのものか分からないぬいぐるみ。

生活感が、
遠慮なく広がっている。

私は無意識に、
足元を気にしながら歩いた。

踏んだら怒られそうな気がして。
壊したら気まずくなりそうで。

「適当に座ってていいよー」

そう言われても、
どこに座ればいいのか
少し迷った。

子どもたちは、
最初は私のことなんて
まったく気にしていない。

勝手に走り回って、
勝手に喧嘩して、
勝手に笑っている。

私はその様子を、
少し離れた場所から見ていた。

近づいていいのか分からない。
話しかけていいのか分からない。

下手に関わって、
場の空気を壊すのが怖かった。

彼女は、
ごく自然に子どもたちと話していた。

名前を呼んで、
軽く注意して、
笑って。

その姿を横目で見ながら、
私はなんとなく思った。

……自分は、
この空間に馴染めてないな。

別に誰かに
「来るな」と言われたわけじゃない。

むしろ、
歓迎してもらっている。

それでも、
自分の中だけが
ずっと少し落ち着かない。

居心地が悪い、
というほどでもない。

でも、
完全に居心地がいいわけでもない。

ここは自分の場所じゃない

そんな感覚が、
胸の奥に静かに残っていた。

この時はまだ、
まさかこの家に
その後、月に一度くらいのペースで
泊まりに来るようになるなんて
想像もしていなかった。

この時の私は、
ただこう思っていた。

子どもがいる家って、
なんか……落ち着かないな。

それだけだった。



次回予告(第5話)

「そこにいた、3兄妹との出会い」

何度か通うようになって、
少しずつ距離が縮まっていく。

そして私は、
子どもが苦手だった自分が
静かに変わり始める瞬間に出会う。

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