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本気で遊ぶ父は、信用されるらしい 第1話

子どもって、正直どう接していいか分からなかった


子どもが苦手だった。

嫌いとかじゃない。
ただ、どう接していいか分からなかった。

話しかけたらいいのか、
放っておいた方がいいのか。
変に構うと泣かれるんじゃないか。
下手に触ると親にどう思われるか。

そんなことばかり考えて、
気づけば私はいつも
「子どもがいる場所」から
一歩距離を取っていた。


子どもと目が合うと、
なぜかちょっと緊張する。

笑えばいいのか。
手を振ればいいのか。
何もせず、視線を外すのが正解なのか。

結局いつも、
よく分からないまま
曖昧に笑ってやり過ごしていた。

「可愛いですね〜」
なんて言葉を添えながら、
心の中ではこう思っていた。

(…正直、どう絡めばいいか分からない)


泣いている子を見ると、
私は完全に固まるタイプだった。

あやす人の横で、
ただ立っているだけの置物になる。

手を出したら余計泣かせそうで、
声をかけたら場の空気を壊しそうで、
何もできずに時間だけが過ぎる。

そのくせ、
「何かしてあげたい気持ち」だけはある。

この何もできない感じが、
自分の中でずっと居心地が悪かった。


結婚前、
子どもは私にとって
かなり遠い存在だった。

将来、父親になるかもしれない。
そんなことは頭では分かっていた。

でも実感は、まったくない。

どこか他人事で、
「子どもと関わる人生」なんて、
まだまだ先の話だと思っていた。


今思えば、
この頃の私は

子どもが苦手だったというより、
どう向き合えばいいか分からなかった
だけなんだと思う。

正解を探しすぎて、
何もできなくなっていた。

失敗したくなくて、
踏み出せなかった。


このあと私は、
思いがけない場所で
3人の兄妹と出会うことになる。

そこで初めて、
「子どもとの距離の取り方」が
少しずつ変わっていく。

それは、
父になる前に受けた
いちばん大きなレッスンだった。



次回予告(第2話)

「泣かれると固まるタイプだった」

泣いてる子を見ると、
本当に何もできなかった私が、
ある出来事をきっかけに
少しだけ動けるようになった話。

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