本気で遊ぶ父は、信用されるらしい 第12話 高い声で笑う理由が分かった
子どもたちの笑い声って、
どうしてあんなに響くんだろう。
公園でも、
家の中でも、
少し離れた場所にいても、
「キャハハハ!」
という声だけは、
なぜか真っ先に耳に入る。
昔は正直、
少しうるさいと思うこともあった。
スーパーで響く声。
レストランで突然始まる笑い。
疲れている日なんかは、
「静かにしてくれ…」
と思ったこともある。
でもある日。
いつものように一緒に遊んでいた時、
ふと気づいた。
子どもたちって、
安心している時ほど、
高い声で笑うんだ。
その日は鬼ごっこだった。
全力で走って、
隠れて、
見つかって、
また逃げる。
ただそれだけ。
でも途中で、
一番下の子が転びそうになった。
「あっ」
と思った瞬間、
その子は私の方を見た。
私は反射的に、
「大丈夫大丈夫!」
と言いながら手を伸ばした。
すると、
その子はまた走り出した。
そして次の瞬間、
ものすごく高い声で笑った。
その時、
なんとなく分かった気がした。
あの笑い声は、
警戒がない音なんだって。
怖くない。
怒られない。
嫌われない。
ちゃんと受け止めてもらえる。
そう思えている時、
子どもは全身で笑う。
大人になると、
少しずつ笑い方が静かになる。
周りを気にして、
空気を読んで、
感情を抑えるようになる。
でも子どもたちは違う。
楽しい時は、
全部そのまま外に出る。
きっとそれは、
「ここは安全だ」
と思えているからなんだろう。
だから、
高い声で笑っている時って、
実は、
信頼されている瞬間なのかもしれない。
そう考えたら、
あの響く笑い声が、
少し特別に聞こえるようになった。
今までは、
元気だなぁ
くらいにしか思っていなかった。
でも今は違う。
「安心してるんだな」
って思う。
それって、
すごく嬉しいことだと思う。
帰る頃には、
みんな汗だくで、
まだ笑いながら、
今日の出来事を話していた。
その声を聞きながら、
ふと思った。
本気で遊ぶって、
子どもを楽しませることじゃない。
「ここなら安心して笑える」
そう思ってもらうことなのかもしれない。
だから今日も、
あんなに高い声で笑っていたんだろう。
次回予告(第13話)
ルールは、大人が決めない
最初は、
ただ見守っているつもりだった。
でも気づけば、
「こうした方がいい」
を、大人の方が増やしていた。
子どもたちは、
遊びながらルールを作って、
壊して、
また笑いながら変えていく。
その自由さに、
少しだけ羨ましくなった日。
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