早く寝ようとすると眠れない。その理由
二階に上がったとき、
子どもたちはまだ元気だった。
蛍の光から、
少し時間が経っている。
閉店時間を過ぎても、
この店はなかなか閉まらない。
寝室に入ると、いつもの光景があった。
ベッドが二台、マットレスが二枚。
田の字に並んでいる。
妻と長女がベッドで、
次女と自分がマットレスだ。
少し前までは長女と次女が逆だったが、
ある夜、次女から申し出があって変わった。
子どもの「変えたい」には、
たいてい理由がある。
聞かなかったけれど、それでいいと思った。
次女がマットレスとベッドの隙間に
ブリッジをかけて、
そのまま体を反らしていた。
器械体操か、と思った。
長女はゴロゴロとベッドの上を転がっていた。転がりながら、何かを喋っている。
声だけが、部屋に満ちている。
マットレスに倒れ込んだ。
もう、いい。
今日はここが終点だ。
と思ったのも束の間だった。
次女が本を取り出した。
長女も、棚から一冊引っ張ってきた。
図書館で借りた本だ。
妻の方針で、我が家は本を買わない。
無料でいろんな本が読めるし、
買うと場所を取る。
その考えに、最初は「まあそうか」と
思っていたけれど、
今は自分もそれでいいと思っている。
読み終えたら返す。
また別の本が来る。
本棚がなくても、本のある生活ができる。
二人が、黙々と活字を追い始めた。
電気が消せない。
消せないまま、目だけ閉じた。
読んでいる気配が、
暗闇の裏側に感じられる。
ページをめくる音が、一度、また一度。
少し前までは「読んで」とせがんできた。
妻と二人で交代しながら、
何冊も読み聞かせをした。
絵本から始まって、少し長い話になって、
章のある本になって。
寝かしつけながら、
自分が先に眠りそうになったこともあった。
それが今、二人とも黙って読んでいる。
長女が生まれたとき、
本が好きになってほしい、と妻と話していた。小さい頃からたくさん読み聞かせをしてきた。その積み重ねが、こういう夜になって
返ってくるのかもしれない。
子育ては、すぐに結果が出ない。
でもたまに、こういう静かな夜に、
ああ届いていたんだな、と気づく瞬間がある。
瞼が、重くなってきた。
ページをめくる音が、まだ聞こえる。
電気はまだついている。
でも、もういい。
このまま眠れそうだ。
田の字の中心で、
本を読む気配に囲まれながら、
一日が、静かに終わっていく。
〜The story continues〜
皆様、夜はすんなり眠れてますか?
朝早く起きようと思ったのに
なかなか寝付けない。。
体は疲れているはずなのに
思考がぐるぐるとまらない。。
私も、朝活のために夜早めに寝ることを
意識してますが、
「いつもより早く布団に入れる♪」
という時に限ってなかなか寝付けないん
ですよね。。。
これって何か理由があるのかと
睡眠に関して色々調べていたら
こんな言葉に出会った。
「ベッドタイム・ウィンドウの
ミスマッチ」
、、、???
なんだろうと思いながら深掘りした。
これは睡眠医学において、
「ベッドの中にいる時間(ベッドタイム)」と
「脳が眠気を受け入れる準備ができている
時間(ゲート=窓)」がズレてしまっている
状態を指すこと。
なぜこのミスマッチが起きるのか、
そのメカニズムと解決の鍵となるのは
「睡眠圧」と「体内時計」の
関係にありました。
【私の場合、直近1ヶ月】
入眠時間が21時半〜22時前後
起床時間が4時から4時半です。
※皆様それぞれの入眠時間と起床時間に
置き換えて考えてみてください。※
↓ ↓ ↓
1. ミスマッチが起きる
「2つの振り子」のズレ
人間の睡眠は、
**①睡眠圧(疲労の蓄積)**と、
**②概日リズム(体内時計の指令)**という
「2つの振り子」がピタッと重なった瞬間に、
最もスムーズに深い睡眠へと引き込まれます。
睡眠圧の振り子(起きている時間)
朝4時に起きると、21時半の時点ですでに
「17時間半」が経過しています。
15時間以上起きているため、
身体や脳の細胞には
「睡眠物質(アデノシンなど)」が十分に溜まり、睡眠圧(物理的な眠気)はMAXに達しています。
概日リズムの振り子(体内時計のクセ)
しかし、あなたの体内時計は
直近1ヶ月、一貫して「22時前後の入眠」を
正確に刻み続けてきました。
そのため、
体内時計のタイムスケジュールとしては、
21時の時点ではまだ「覚醒せよ」という
指示を出しています。
💡 これがミスマッチの正体です
身体はクタクタで眠りたい(睡眠圧◎)のに、脳の時計の針がまだ「睡眠モード」に
切り替わっていない(概日リズム×)。
この2つの振り子がバラバラに
動いている状態が
「ベッドタイム・ウィンドウのミスマッチ」
です。
2. なぜ「早く布団に入る」と
逆効果なのか?
真面目な方ほど「早く起きるために、
早く布団に入って寝る努力をしよう」
とされますが、これは睡眠医学的には
最も避けるべき罠の1つです。
脳には**「条件付け」という
強い学習能力があります。
21時に布団に入り、
「時計が気になる」
「早く寝ないと明日がきつい」
「でも眠れない」とモヤモヤする時間を
毎日20〜30分間過ごしてしまうと、
脳は「ベッド=緊張して悩む場所」**と
学習してしまいます。
すると、
本来なら21時半に眠れるはずだった
体内時計のスケジュールまで後ろに
ズレ込んでしまい、
不眠の慢性化(精神生理性不眠症)の
引き金になってしまうのです。
3. 「窓(ウィンドウ)」を21時半に
引き寄せるための具体策
このミスマッチを解消するには、
無理やり寝ようとするのではなく、
「脳が眠りを受け入れる窓のシャッターが
開く時間」を、自然に21時半へ
前倒しするアプローチが必要です。
① 「ベッドタイム・ウィンドウ」の幅を
あえて狭める
21時半に眠りたいのであれば、
布団に入るのは21時15分〜20分に
してください。
「ベッドの中にいる時間」と「実際の睡眠時間」の差を極限まで縮めることで、
脳に「布団に入ったらすぐ深く眠るものだ」
という正しい条件付けを再学習させます。
② 21時以降は「脳のアイドリングストップ」
21時を過ぎたら、
部屋の明かりを少し落とし、
脳を「退屈な状態」にしていきます。
スマホを見るのはもちろんNGですが、
仕事の段取りを考えたり、
資格の勉強をしたりするのも
脳のウィンドウを閉じてしまう
原因になります。
「21時以降は脳をこれ以上働かせない、
退屈な時間にする」と決めることで、
睡眠禁止帯の壁をスムーズに突破できます。
まとめ
「早く寝ないと」と焦るほど、眠れなくなる。
これは意志の弱さでも、
体の異常でもない。睡眠圧と概日リズム、
2つの振り子がズレているだけだ。
メカニズムを知れば、
対策はシンプルになる。
整理するとこうなる。
①布団に入るのは、眠くなってから。
②眠れない時間をベッドで過ごさない。
③21時以降は脳を退屈な状態にする。
この3つだけでいい。
難しいことは何もない。
ただ、「眠ろうとしない」という
逆転の発想が必要なだけだ。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
「早く寝ようとしたのに眠れない」
という経験、思い当たる方も
多いのではないでしょうか。
もし共感していただけたら、
スキを押してもらえると嬉しいです。
冒頭の
「蛍の光」のくだりのストーリーはこちら💁
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