中華魔改造RTX3060 Laptop"12GB"のロープロ1スロット補助電源なしグラボ自費実機レビュー
ヤバくて実用的なものをアリババから買いました。それが表題の通り、下記のグラボです。
中華魔改造RTX3060 Laptop"12GB"のロープロ1スロット補助電源なしグラボ
5.2万円でしたが、まずはWindows機で実機レビューしていきます。Linuxでの使用はまた今度。
Alibabaで4.4万のロープロ1スロ RTX 3060 Laptop 12GB‼️ pic.twitter.com/rZKqiOyfPh
— 重藤 六🐸ガジェットブロガー (@shigetoroku1010) August 1, 2026
スペック
アリババから引用したスペックをチャッピーにまとめてもらうとこちら。
GPU:NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU
GPUコア:GA106(Revision A1)
アーキテクチャ:Ampere
CUDAコア:3,840基
ROP:48基
TMU:120基
VRAM:12GB(12,288MB)GDDR6 ※標準Laptop版6GBから増設しているらしい
メモリバス幅:192-bit
メモリクロック:1,750MHz
メモリデータレート:14Gbps相当
メモリ帯域幅:336.0GB/s
GPUベースクロック:900MHz
GPUブーストクロック:1,425MHz
PCI Express:PCIe 4.0 x16
DirectX:12(12_2)
OpenGL:4.6
CUDA:対応
レイトレーシング:対応
RTコア:第2世代
Tensorコア:第3世代
フォームファクター:ロープロファイル
スロット厚:1スロット
映像出力:Mini DisplayPort ×4
GPUコア:USED品(販売者回答)
VRAM容量について:NVIDIA標準仕様のRTX 3060 Laptop GPUは6GB GDDR6/192-bit。本製品は12GBへ独自増設されたカスタム仕様。標準Laptop版のCUDAコア数は同じ3,840基。
もしこのスペックが本当なら、1スロット12GBのグラボとして重宝しそうです。
(補足)非公式構成です。
なお、NVIDIA公式のRTX 3060 Laptop GPUは、CUDAコア3,840基・GDDR6 6GBという仕様です。今回の製品はGPUコア自体はLaptop版のGA106を使用しつつ、VRAMのみ12GBへ増設した非公式構成となります。NVIDIAが通常販売している製品ではありません。
一方、デスクトップ版RTX 3060 12GBはCUDAコア3,584基、メモリ帯域360GB/sです。今回の製品はCUDAコア数だけならデスクトップ版より多い一方、クロックやメモリ速度が低く設定されています。Geekbench公式データでも通常版RTX 3060は12GB・192bit・360GB/sとして掲載されています。
そのため、「デスクトップ版RTX 3060をそのまま小型化した製品」というよりは、「RTX 3060 Laptop GPUを12GB化し、デスクトップ向けPCIeカードとして再構成した製品」と考えたほうが正確です。
着弾、開封、外観
購入から配達まで時間もお金もかかった。配送方法は選択ミス
今回は配送方法について少し失敗しました。
8月7日に香港から発送され、翌8月8日には日本へ到着。輸入通関を経て東京のDHL施設まで進みました。
その後、国内配送に数日かかり、最終的には8月11日に国内の大手配送業者から配達されました。
今回はAlibabaのエコノミー配送ではなく、DHL Expressが利用されています。
国際輸送自体は非常に速く、香港から日本まではほぼ1日でした。一方、日本へ到着してから実際に受け取るまでには3日ほどかかりました。筆者が普段利用しているAliExpressでは、日本到着後1~2日程度で届くことも多いため、やや長く感じます。
また、輸入消費税とは別に、DHLによる立替納税の手数料として約2,000円が追加で発生しました。
送料やAlibaba側の追加料金も含めると、結果的にはエコノミー配送を利用した場合より数千円ほど高くなったと考えられます。
今回については配送方法を十分確認しなかった筆者側のミスでもあります。次回Alibabaを利用する際は、配送業者やDAP・DDPなどの条件まで事前に確認したいところです。勉強料ですね(ガチ号泣)
着弾
段ボール箱の中に発泡スチロールの箱があり、そのなかにグラボなどが入っていました。


外観




MS-01に装着

PCIEカードを搭載できるミニPC、「MS-01」に装着していきます。
ブッピガン


最初は起動しなかったが、グリグリやったら起動。音はかなり静か。
最初は接続が緩かったみたいでMS-01のOSが起動しませんでした。
グリグリとPCIEスロットを押し込んだら起動しました。
また、起動時や高負荷時などは音がしますが、ファンの音は小さめです。
高負荷時は若干ファンの音が大きいかなぐらいです。
Windowsに導入~ベンチマーク
インストールと認識
Flanken Driverや公式ドライバーを試しましたがインストールできず。
セラーさんからドライバをもらい、無事にインストールできました。

注意点です。このとおり現時点では「一般的なRTX 3060のようにNVIDIA公式サイトから最新ドライバーを入れれば使える製品」ではありません。
将来的なWindowsアップデートやアプリ側の要求するCUDA・ドライバーバージョンによっては、互換性問題が発生する可能性があります。
この専用ドライバー依存はかなり大きなリスクです。
Geekbench7 ベンチマークで通常の3060と比較

今回の魔改造3060と、通常の3060 12GB デスクトップ版をUSB4 GPUドック(バス幅が控えめになります。)で接続したもの、Geekbench公式サイトのスコア※おそらくGB7のもの(https://browser.geekbench.com/gpus/nvidia-geforce-rtx-3060)で比較するとこんな感じ。

右に行くほど数値が高くなりますね。
で、CUDAは筆者所有のUSB4接続3060、他の2つは公式スコアと比較するとこんな感じ。

どのAPIでも、おおむね通常版RTX 3060に対して10~15%程度の性能低下に収まっています。
ただ、CUDAだけUSB4接続3060のスコアなので、ちゃんとした接続方法の場合は、もっとスコア差が出るものと思われます。
補足:Geekbench 7ではCUDA・OpenCL・Vulkanなど複数のGPU Compute APIを利用できます。画像処理、機械学習、パストレーシングなど複数種類のワークロードを測定します。
ただし、APIが異なればドライバーや実装による性能差も混ざるため、CUDA・OpenCL・Vulkanのスコアを完全に同列で比較することはできません。
GB7テストでチャッピーが面白がっていた件。
このようなことを言ってました。
今回の結果で面白いのは、かなり低クロック化されているにもかかわらず、通常版RTX 3060との差が10~20%程度に収まっている点です。
RTX 3060 Laptop GPUは3,840 CUDAコアを搭載しており、デスクトップ版RTX 3060の3,584 CUDAコアよりもコア数自体は多くなっています。一方で、今回の製品はブーストクロック1,425MHz、メモリ帯域336GB/sと低めです。
つまり、CUDAコア数の多さが低クロックをある程度補いつつ、192bitのメモリバスも維持されているため、単純に消費電力の割合だけ性能が低下するわけではないと考えられます。
特にメモリ帯域は通常版RTX 3060の360GB/sに対して336GB/sなので、差は約7%です。メモリ帯域依存の処理では、比較的通常版に近い性能が出ても不思議ではありません。
Cinebench 2026でフル稼働時の性能低下を検証
Cinebench 2026で、フル稼働時の性能低下を検証します。
魔改造3060は単発では30993でしたが、10分で27564となり、11%のスコア低下。

なお、GPU温度は、気温が28度程度の場合、10分も回すと最大85度程度に。
ファンの音はあまり大きくないと思いました。
また、Cinebench 2026 GPUテスト中に、専用VRAM使用率が100%近くに張り付いていたため、VRAMは12GBちゃんと使えそうです。
Blender Benchmarkは動作せず。
Blender Benchmarkは動作しませんでした。デバイスリストがどうたらこうたら……。
他のアプリでは動作していたため、BBは、「アプリケーションによって正常にGPUを認識できない可能性がある」と考えるのが妥当そうです。
LM Studioも動作。
Qwen 3.8 27Bが近々出る微妙なタイミングですが、とりあえず、Bonsaiが動作しました。
感想
出来は悪くない
補助電源なし&ロープロ&1スロットと便利
ファンの音が静か
デスクトップ版3060 12GBからの性能低下は10%から20%程度に抑えられている
などなど。
一部のアプリが動かない可能性があるのが気になるところですが、それは追い追い検証していきたいと思います。
5.3万円程度は高い気がする。
おそらく安く買うなら5.3万円ぐらいだと思いますが、それでも高い気はします。
普通の3060 12GBなら3万円で買えますからね。
その2倍近くの価格で性能が1~2割低下してるものをわざわざ買ってまでというレベルです。
物はいいんですけど、やや高すぎるなあという気もしなくはないというのが正直なところです。
とはいえ、普通の1スロットロープロ補助電源なしグラボ、例えばA1000 8GBよりかはお得。
RTX A1000 8GBという1スロットロープロ補助電源なしグラボもありますが、通常版の3060 12GBのほうが1.5倍以上ベンチマークが高い傾向があります。
性能:通常3060 12GB(3万円)> 魔改造3060 Laptop 12GB(5.3万円)> A1000(8万円)※価格はいずれも2026年8月時点のおおよその実売・中古相場。
うん。お得ですね。
注意 独自ドライバーのため併用ができないぞ
うまくいかなかった事例
今回の製品は販売者から提供された専用ドライバーで動作しましたが、筆者の環境では通常のRTX 3060など、他のNVIDIA GPUとの併用がうまくできませんでした。
検証例をまとめます。


魔改造3060単独だとUbuntuで動くかはまだ確認できていません。
セラーにも確認したが……
販売者にも確認したところ、複数GPUでの使用は推奨しないとの回答でした。
そのため、複数GPUを利用してLLMなどを動かしたい場合には注意が必要です。12GB+12GBで合計24GBのVRAMを利用するといった用途も検討していましたが、現状では断念しています。
単体では非常に面白い製品ですが、一般的なGeForceのようなドライバー互換性を期待して購入する製品ではなさそうです。
さらにA3000 LP 12GB 1スロットという存在もある。
ノート向けのA3000をデスクトップ用に転用したものですが、今回の魔改造3060と違ってメモリ増設はされていません。
なので、A3000なら、少なくともUbuntuで他のGPUと併載できるはず……です。多分。
2026/08/12時点では4.5万程度で売られています。多分日本に届けるためには5.5万ぐらいかかりそうです。


また、A3000 Laptopと今回の3060魔改造のもととなったLaptop 6GB版のベンチマークを比較したのがこちら。A3000のほうが強い
……👺
あとがき
参考になれば幸いです。
「出来はいい」「価格は割高」「配送方法で号泣」が本記事の主要な感想ですね。
