ショートショート 復習Tシャツ
「ならばTシャツなどいかがでしょう」
外国から来た仕立て屋が言いました。
「若者たちに人気の服です。情熱的な王さまならきっとお似合いでしょう」
「そ、そうかな」
王さまは自尊心をくすぐられて、そわそわしながら答えます。
「あ。ちゃんとした生地で作るんだろうね」
目尻を緩めたままで、思い出したように言いました。
「最高級のコットンですとも」
仕立て屋はにっこり笑い、王様にTシャツと、それからジーンズを誂えました。
「情熱を表現します」
仕立て屋は煤をTシャツとジーンズに擦り付け、次にハサミで切り裂きました。
「で、そのようなお姿に」
汚れたボロ切れがわずかに巻きついただけの、裸同然の王さまを見て大臣が言いました。少し前に存在しない服を信じて裸で歩き回っていたばかりなのです。
「高い勉強代ですこと」
仕立て屋からの請求書をチラリとみました。王様のTシャツを引っ張って脱がせます。
「洗い直しですね」
ため息を吐きながら言いました。
ショートショート No.718
たらはかにさんの毎週ショートショートnoteに参加しています。
今週のお題は「復習Tシャツ」です。
先週のお題は「友情の総重量」小粋でポップなヒスイさんも書いています!
きっと四年後は無敵級の重さです!
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