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その「できた」は、全部つながっている

制服登園が始まった。

私達がお世話になっているこども園は、
年少さんから制服登園になる。

子ども達にとって、「お姉さんクラスにあがる」というのは一大事だ。
これまで憧れていた年長さんや年中さんのように、
制服を着られることが嬉しくて、
毎日ワクワクが止まらず、胸を弾ませている。

もちろん、制服なんて着たくない子や、
好きな私服で行きたい子もいるだろう。
それでも多くの子にとっては、少なくとも我が子の場合は2人とも、
「ひとつ大きくなる」ことを実感できる、
特別な変化のタイミングだったことは確か。

制服を着るということは、
毎日、自分で着替えるということでもある。

ポロシャツのボタンに、ベストのボタン。
スカートのサイドスナップに、Y字のショルダー。
前後を間違えないように、肩にかけて、
リボンは襟を立てるところから、
パチンと留め具を留めて、襟を元に戻し、
最後に胸ポケットに名札を付けて、
ベレー帽をかぶるところまで。
いや、リュックを背負うところまで。

大人にとっては簡単なことでも、
子どもにとっては、まだまだ難しいことも多い。

嬉しい気持ちと同時に、毎朝、毎夕、
「できない!なんで!」という悔しさや、
もどかしさも生まれる。

そして、朝夕の慌ただしいその時間を、一緒に乗り越えていくのが、親の役目でもある。

手伝って大人がやる方が格段に速い。
でも私は待つ、見守るという、
自分の子育て軸に沿って、
2倍いや3倍の時間を要することになるかもしれないが、子どもの自立を応援する選択を取ることにしている。

そのために、まず、
丁寧にゆっくりとやり方を見せる。
お手本、見本の提示である。

うまくできないときは、
「できない」と泣く代わりに、
「手伝って」と言ったらいいんだよ、と伝える。

困ったときは、助けてって言っていい。
教えてって言葉にしていい。

お姉ちゃんになるってそういうことなんだよ。
泣いて伝えるのはまだ話せない赤ちゃん。
もう話せるね!
だからことばで伝えられるね!
嬉しいね♡なんて、盛り上げつつ。笑

そうやって少しずつ、できることを増やしていく。

毎日の積み重ねの中で、
ある日ふと、できるようになる瞬間がくる。

誇らしくて、自信に満ちた顔で、
「ママ、みてー!できた!」
「みとってね、みとってよ?」

その一言に、全部が詰まっている気がする。

そして、
「できたねー!」

と一緒に笑顔で喜びあう。
それはまるで、
応援していたチームの勝利を祝うように。
得点を喜び合うように。

やっぱり家族はチームなのだ。

できなくて悔しかった日も、
助けてって言えたことも、
何度も練習してきた時間も。

全部ひっくるめて、
その「できた」に繋がっている。

卒園式のあと、在園児のために行われる進級式。
明日から何組の年少さんになるのか、
担任や副担任の先生は誰なのか。
ホールに集まって、子ども達に伝えられる。

きっと子ども達は、
自分が一歩進んだことを、どこかで感じ取っている。
誇らしくて、少しくすぐったくて、でも嬉しい。
そんな気持ちを胸に抱えているのだと思う。

進級式の翌日からは、名札の色が変わる。

お迎えのとき、顔見知りの子に、
「お、名札の色、変わったね、似合ってる!」
と、あえて声をかけるようにしている。

その瞬間の子どもの表情が、たまらない。

照れくさそうにしながらも、
嬉しさがにじんでいて、
ほんの少しだけ背筋が伸びている。

その姿を見るたびに思う。

こういう小さな「一歩」は、
大人になると、誰にも気づかれないまま通り過ぎてしまうことが多い。

でも本当は、
あの頃と同じように、
「ちゃんと進んでるね」って、誰かに見つけてほしい瞬間が、きっと今もある。

だからせめて、
子ども達のその一歩だけは、見逃さずにいたい。

小さな一歩。

でもきっと、
あの子にとっては世界が少し広がった日。

そしてその日は、
ちゃんと覚えていてあげたいと思う。

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