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舞楽面を見た上で舞楽会【春日大社】

 はじめましての人も、前から知ってる方も、ごきげんよう。
 岡埜 由木古です。

 ちょっとずつガッツリはまってきている舞楽ぶがく

(文字数:約2800文字)



鹿だな

 11月3日文化の日に、春日大社の萬葉植物園内の浮舞台で、舞楽奉納が行われるという事で、千世さんから誘われた。

 千世さんの記事こちら↓

 言わずと知れていたけど春日大社の、西側大鳥居を越えた先の境内には、それはまぁ鹿が多いな。
 動物が取り立てて嫌いなわけではないけれども、喜んで目を細めるほどには好きでもないので、何とも思わず避けながら通り過ぎる。

 萬葉植物園自体も『万葉集』中の植物が植えられて、そのそばに関連する和歌が書かれていたりして、じっくり見れば面白そうなんだが、時期的に花が少なめだったのと、
 雨が降ってきたので舞楽は「感謝・共生の館」内に変更って。

 なぬ(・∀・)(・▽・)

 まぁおかげで移動時間を考慮してくれて、我々が到着した辺りから舞楽が始まってくれたので、曲目ひとつひとつをじっくり見る事が出来た。

 千世さんは大阪・四天王寺の聖霊会しょうりょうえで、天王寺てんのうじ楽所がくその舞楽を鑑賞してきたので、
 奈良・春日大社の南都なんと楽所がくそと見比べたい、との事でしたが、私は先日の観月祭くらいで舞楽はほぼ初見に近い。

 あと舞楽面見に行った程度。


盤渉調ばんしきちょう音取ねとりからの蘇莫者そまくしゃ

 音取はチューニング。
 盤渉調はB音、って言われても私が知らないんだが、洋楽で言うシの音。
 逆になんで雅楽の旋律知ってんねん、と訊かれたら、それは私が習っている御詠歌ごえいかと共通だからさ。
 ふふふ(・m・)

 私は仏教音楽の御詠歌というよりも、日本古来の詠唱法を知りたくてここ五年間習ってきたのさ。
 とは言え五年習っても調はよう分からんのだが。
 (;・m・)

 ロ長調に近い、と言った方が伝わりやすいのかもしれないけど、ロ長調、とは断言しにくい。やっぱり盤渉調、がしっくりくる。
 御詠歌ではあまり使われない。宮中行事、とか、仏教でも大規模な祭礼で使われる。厳か、とか、雅、な印象。

 西洋音楽だと調を決めてから誰にでも歌えるように楽譜を作るんだが、
 御詠歌ではその人が最も自然に出せる声の高さに合わせて調を選ぶんだ。
 基準音に合わせるわけじゃなくて、調ごとに「五声」という調整音が決まっていて、そのどれかに当てはまればいいから、
 ……つってもよう分からんでしょうな。西洋音楽とは作曲法からなんか違う、という雰囲気だけ伝わってもらえばいいです。

 余談だけど聖書読んでいると『詩篇』にも「アラモト調」とか「第八調」とか存在するので、現代にまで伝わっているのなら聴いてみたい。

 チューニングした上で一曲演奏。『蘇莫者』は管絃楽のみ。演奏者が舞台に揃って奏するのはこの曲だけだったから迫力あったな。
 あと琵琶の音が私は結構好きだな。ベヨべヨンって、なんかふんわりした音なのにハイライトになる感じ。三味線とかのバチで弦鳴らす系が好きなんだろうな。


振鉾えんぶ

 舞楽の初めには必ず行われる曲目で、舞台を浄めるためのもの。
 赤い衣装を着た左方さほう、と、緑の衣装を着た右方うほう、から一人ずつ、舞台に現れて鉾を振る。

 観月祭で見た時は、左方一人、右方一人、二人同時、の三回振っていたけど、今回「二人同時」は省略。


打毬楽だぎゅうらく

 赤い衣装を着た演者が四名。なので左方(唐)の曲目。
 四人とも毬杖ぎっちょうという、アイスホッケーのスティックみたいなのを持って、多分打つ仕草とか、ボールが飛んでいく先を見る仕草とかしている。

 大抵の曲目がシンメトリーなんだけど、この曲目は途中で一人だけがたまを取り出して、他の三人とは異なる振りになる。だけど全体ではバランスが取れる感じで面白かった。

 最後はまた別の一人が毬を持って行った。


八仙はっせん

 崑崙山こんろんさんに住む八人の龍の子が遊んでいる様子。
 崑崙八仙ころばせ、という言い方もあって私はそっちの方が好きなので、つい口走ってしまうけど共通理解がないとややこしい。

 緑色の面を付けた演者が四名(八人のはずだけど四名)。右方(高麗)の曲目。
 面のクチバシの先に鈴付いてるし、衣装がゆったりしてて可愛いし、みんなで肩組んで回ったりするし、全体的に可愛い。


抜頭ばとう

 赤い厳めしい面を付けた演者がただ一人。抜頭は面のモデルになった人物の名前。左方(唐)の曲目。
 前半が虎退治という事で、時々右手に持った石斧を振り下ろす。親を殺した虎、という逸話らしくて、怒りと悲しみに満ちてる感じ。

 後半は曲調が変わって、同じ面のままなのに、えらく楽しげ。時々足元の草を掻き分けながら、時々両手上げて「やったぞ」って感じに喜びながら、家まで帰って来ましたよ。


見比べた印象

 千世さんと話しながら帰る。
 (・∀・)(・▽・)

 左方(唐楽)と右方(高麗こま楽)は、天王寺ではワンペアでセットになっていたから、舞楽は大体偶数曲数が舞われるものだと思っていたけど、今回は左方、右方、左方で三曲。
 多分だけど玉串奉納とかの左右に振る動き、左右左さうさに合わせてあるよね。(だからやっぱり仏教のためだけじゃないよね。神道も入ってるよね舞楽って。大阪は四天王寺だけど奈良は春日大社だしね)

 踊りと衣装の色彩が、天王寺楽所に比べるとやわらかい感じ。打毬楽なんて演者四人とも女性だったから、尚更そう感じたのかも。
 音楽に違いがあるかはまだちょっと分からなかった。八仙には右方だから鞨鼓かっこ(打楽器)入るんだなって思ったくらい。

 私は太極拳も三年ほどかじっているから、動く方向や作法がなんとなくだけど分かるので、多分そこ知らずに見てるよりはちょっと楽しい。
 とは言っても知らなくても感覚的に分かる事じゃないかな。まず顔の向きから始まって、指先や足先の向きが変わってから、重心を移動させて、全身が動くのよね。

 あと今回ようやく認識したけど、
 振鉾以外は、一曲目につき大体30分弱かかります。
 舞楽を見に行く機会がありましたら全体時間を測る目安にして下さい。

 そしてなるべく奈良時代人の心持ちになって、時間的にはふんだんの余裕を持って鑑賞したい。
 一場面(同じ仕草を少なくとも四方向に向けて、四回繰り返される感じに私には見えている)につき、たっぷり5分はかかる印象だからな。
 おだやかに……のんびりと……
 (〜∀〜)

 それを踏まえて来年は、四天王寺の聖霊会をがっつり見たいなぁ。
 あれ5、6時間は余裕で掛かるから、今年は1、2曲見ただけで帰ったんだけども。


以上です。
ここまでを読んで下さり有難うございます。

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