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1人朗読/声劇【身体がゴロンしたがっているんだ】

登場人物: 「私」(性別不問、声色でふざけた感じを表現して頂くと◎)
舞台: 雑然とした部屋の、万年床と化した布団の上。
所要時間:20分程
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(照明、薄暗く。鳥のさえずりが微かに聞こえる。ゆっくりと目覚めるような「んんん…」という声から始まる)

私:んんん…ん…。(大きくあくび)
…朝?もう朝なの?って、カーテンの隙間から差し込む光が、やけに攻撃的じゃない?私のまぶたに直撃よ。勘弁してほしいわ。
(ゴロゴロと布団の中で転がる音)

あーあ、今日も一日が始まるのか。
いや、始まる”ところだった”のか。危ない危ない。今、私はとてつもない使命感を覚えているわ。
そう、これは、人類の進化、いや、宇宙の真理に関わる、極めて重要なミッションなのよ。
(少し間を置いて、真剣な声で)

私の身体がね、ゴロンしたがってるの。
(間。少し笑いながら)

いやいや、笑わないでください。これは冗談なんかじゃないわ。真面目な話よ。考えてもみて。地球は自転してるでしょ?公転もしてるでしょ?常に動いてるわけよ。宇宙だって膨張し続けてる。全部が動きっぱなし!このままじゃ、疲弊しちゃうわ、宇宙が!
(さらにゴロゴロ)

だから、私みたいな存在が必要なのよ。動かないことによって、宇宙全体のバランスを取る。言わば、私は…「地球の鎮静剤」。はたまた、「宇宙のエネルギースタンド」とでも呼ぶべきかしら。
私がこうして布団の上でゴロンと静止することで、地球の回転が少しだけ緩やかになり、宇宙の膨張も穏やかになる。そう、これは、宇宙の平和を保つための、神聖な任務なのだ!
(得意げに、しかしだらけた声で)

しかもね、ただゴロゴロしてるだけじゃないのよ。この姿勢、この体勢…見て!ほら、この絶妙な体のねじれ具合!これはね、「布団重力波」を発生させてるの。
私がゴロンとすることで、布団と私の間に特殊な重力場が形成され、それが微細な波動となって、部屋中に、いや、この街に、さらには日本中に、そして世界中に!究極の「だらけエネルギー」を伝播させているのよ。
(再びゴロゴロ、至福のため息)

このエネルギーを受け取った人々は、無意識のうちにリラックスし、争い事が減り、ストレスが軽減される。結果的に、世界は平和に、そして笑顔に満ち溢れるわけ。つまり、私が今日一日ゴロゴロすることは、世界平和への貢献に他ならないの!ノーベル平和賞ものよ、これは!
(腕を組み、真剣な表情を想像させる声で)

なんなら、あれよ。ゴロゴロしてる間にね、頭の中では壮大なプロジェクトが進行してるわけ。
例えば…「どうすれば枕と一体化できるか」とか、「いかにして最低限の動きで水分を補給するか」とか、「リモコンと私はなぜこんなに遠い運命にあるのか」とかね。これらは全て、未来のゴロ寝ライフを豊かにするための、最先端ゴロ寝科学の研究なの!日進月歩よ!
(少し声をひそめて)

だから、もし誰かに「何してるの?」って聞かれたら、こう答えるわ。「私は今、地球と宇宙の調和を保ち、世界平和に貢献するための、極秘ミッション遂行中です」ってね。あとは、「布団重力波を発生させています」でもいいわね。「未来のゴロ寝科学を研究中です」も捨てがたいわ。
(再びゴロゴロ、至福の声で)

さあ、今日も一日、ゴロンと行くわよ!私の身体が、地球と宇宙が、それを求めているんだから!
(満足そうに、静かにゴロゴロ音が続く…)

ああ…この一体感…布団と私が織りなす、完璧なハーモニー…これこそが至高の極…

(SE  スマホの通知音。ピロン♪)

ん…?(薄目を開けてスマホを辿る)
あー…誰よ、この神聖なるゴロゴロタイムを邪魔する輩は…。
(スマホを確認。友人からの連絡)

…葵(あおい)からだ。なになに…「今からお茶しない?」猫ちゃんCafeに行くんだけど、どう?」…

(スマホをゆっくりと布団に沈めながら、ため息)

猫ちゃん…カフェ…だと…?なんて恐ろしい響き…!私が今、まさに「ゴロ寝の境地」に達しようとしているこの時に、なぜそんな誘いを…!
(少し体を起こし、真剣な顔で)

あのね、葵(あおい)。悪いけど、今日は無理なの。いや、”無理”という言葉じゃ足りないわ。これはもはや、物理的に不可能なのよ。
(ゴロゴロと、わざとらしく布団に絡みつくような声で)

だって…見てよ、この私の身体!昨晩から、いや、なんなら一昨日あたりから、私の身体中の細胞一つ一つが、口を揃えてこう叫んでいるのよ。
「ゴロン!ゴロンしたい!ゴロンしてくれぇえええ!!」って!
(さらに布団に体を擦り付けながら)

ほら、見て!この布団のシワ!これはね、私の身体が布団に吸い寄せられている証拠なの。
もはや私と布団は、不可分の存在。アインシュタインもびっくりよ、この引力。
この強力な「布団重力」には、カフェの魅力も、おしゃべりの楽しさも、太刀打ちできないの!

(切実な声で)
今、もし私がここから起き上がろうとしたら、きっと何か、とてつもない大惨事が起こるわ。
例えば、私のゴロ寝によって保たれていた地球の自転が乱れて、世界中の時計がズレ始めるとか…!あるいは、私の身体から発せられている「布団重力波」が途切れて、宇宙の平和が乱れるとか…!そんなリスク、冒せないわ!

(少し声をひそめて、真面目な声で)
それにね、葵(あおい)。考えてみてよ。
休日に無理して動くって、どういうことだと思う?それはね、本来「休む」という大切な生命活動を阻害することなのよ。私にとっては、ゴロゴロすることこそが、明日への英気を養う、究極のエネルギーチャージなの。これはもはや、自己啓発の一環と言っても過言ではないわ。

(再び布団に沈み込みながら、至福の声で)

だから今日は、私の身体の声に従って、徹底的に、ひたすらに、ごろごろさせていただきます!どうか理解してちょうだい。だって、私の身体が「今日は絶対ごろごろするの!」って言ってるんだもん!逆らったら、大変なことになるわよ、ホントに。

(満足そうなため息をつき、布団の中でゴロゴロする音)

というわけで、葵(あおい)。
また今度ね!私が地球と宇宙のバランスを取り終えたら、連絡するわ、っと!

(うっとりとした声で)
ふぅ…完璧な午前中だったわ。地球の自転も、宇宙の膨張も、きっと私がゴロゴロしたおかげで、今日はいつもより穏やかだったに違いないわね。
私の「布団重力波」、今日も絶好調。

(お腹から「ぐぅ~」という音)

ん?…今、何か聞こえたかしら?気のせいよね?
宇宙の調和が乱れる音とか…?

(再び「ぐぅ~」と大きく鳴る音)

…気のせいじゃないわね。これは…まさか、私の身体の中からも、ゴロゴロに反する音が…?
(お腹をさすりながら)
ああ…この切ない音…まさか、「空腹」という、ゴロ寝の最大の敵が、こんなにも早く私を襲うとは…。

(天井を見上げ、葛藤するような声で)

はぁ…困ったわ。ゴロゴロしたい。布団と一体化したい。しかし、空腹は、私の生命維持に直結する問題…。このままでは、私の身体がゴロンどころか、エネルギー切れでコロッと逝ってしまうわ…!

(体を半分起こしかけ、またすぐに布団に沈む)

んんん…どうにか…寝ながらにして、この空腹を満たす方法はないものかしら?

(腕を伸ばし、枕元に置かれたスナック菓子に手を伸ばす SEガサガサお菓子の袋音)

…これか?いや、これでは根本的な解決にはならないわ。一時しのぎに過ぎない。しかも、食べカスが布団に散らばるリスクが…それは絶対に避けたいわね。布団は聖域よ。

(さらに真剣な表情で、何かを思考する声)

脳内でシミュレーション開始。
選択肢1:このままゴロゴロを続行し、空腹と戦い続ける。…結果:疲労困憊、最終的に布団の上で飢餓状態に陥る可能性。→却下。
選択肢2:デリバリーを頼む。…結果:玄関まで取りに行くという重大なミッションが発生。財布を探し、支払いをするという、ゴロ寝の妨げになる動作が多すぎる。→却下。
選択肢3:冷蔵庫まで這って行く。…結果:冷蔵庫の中のものを吟味し、調理するという、さらに高度な身体能力が要求される。→却下。
(諦めたように、しかし何かを悟ったような声で)

…分かったわ。私は天才よ。気付いてしまった。
いかにして効率よく、最短で、この空腹という魔物から解放され、そして再びゴロ寝の聖域へと帰還するか。その答えはただ一つ…!
(布団からゆっくりと、しかし確実に起き上がり始める。布団が擦れる音)

ササッと食事を済ませて、また寝る!
(立ち上がり、伸びをしながら)

んん〜っ!そうよ!これが一番効率的な解決策なのよ!短時間集中型エネルギー補給!
まるで、F1のピットストップのように、光の速さで栄養を補給し、再びゴロ寝のレースへと復帰する!これこそ、現代のゴロ寝研究において、最も重要な発見だわ!
(部屋の中を数歩 歩きながら、決意の表情で)

よし。行くわ。キッチンへ!そして、最高の時短メニューを選び、光速で胃に流し込み、再びこの神聖なる布団へと戻ってくるのよ!
待ってなさい、私のゴロ寝ライフ!すぐ戻るから!
(足音が遠ざかり、台所の方から何か準備するような音が聞こえる。)

ふぅ…(大きく息を吐きながら)
戻ったわ…!私の愛しの布団…!やっぱりここが一番ね。最高のピットストップだったわ。エネルギーも満タン!さあ、午後のゴロ寝ミッション、再開よ!
(布団に体を沈め、至福のため息)

この完璧な体勢…この肌触り…ああ、宇宙の調和が、再び私を中心に回り始めたわ。これで、今日の地球も安泰ね。
(数秒間、静寂。しかし、段々と私の顔に焦りの色が浮かび始める。そして、微かに「ん…?」という声)

ん…?あれ…?この感覚は…まさか…?
(ゴクリと唾を飲み込む音。意識が集中していく)

…キタわね。いや、来るべくして来たのよ。昼食を摂ったからには、必然の流れ。これは…「生命の摂理」…!
しかし、なぜこのタイミングで…!私が今、まさに「ゴロ寝の黄金時間」に入ろうとしているというのに…!
(顔を歪めながら、布団の中で体をよじる)

迫り来る…!まるで精密機械のように、刻一刻と正確に、その存在を主張してくるぅ…!
くっ…!こんな時に起き上がるなんて…!
この神聖なるゴロ寝体勢を崩さないとならないのか…!?
できるものなら、このまま…布団の中で全てを解決したい…!いや、しかし…!
(さらに焦りの声で)

あああああぁぁぁダメだわ…!これは、待ったなしの状況よ…!ゴロ寝のプロとして、このピンチをどう切り抜けるか…!
そうよ、ここは、「戦略的撤退」あるのみ!
(布団の中で、ギリギリまで我慢しようと体に力を入れる音。唸り声)

限界まで…!最大限引き付けるのよ…!
この尿意と一体化して、その力を吸収する…!そして、一気に解放する…!
これは、「ゴロ寝奥義:限界突破の尿意耐性」の訓練よ!
(ついに「うぅぅぅ!」と声が漏れる。布団から飛び起きるような勢いで立ち上がる)

よし!行くわ!今だぁあああああ!!!

(布団から駆け出す足音。廊下を猛スピードで走り、トイレのドアがバタン!と閉まる音。そして、数秒後、安堵のため息と、水を流す音が聞こえる)

ふぅ…(深いため息。満足げな声)
SE:トイレの水の音 ジャー

…任務完了。完璧だったわ。無駄な動きは一切なし。最短距離で最大の効果。これぞ、究極のゴロ寝効率化よ。

(足音が聞こえ、再び布団にドサッと戻ってくる音。至福の ため息が漏れる)

ああ…なんて気持ちがいいのかしら…。
解放されたわ…!さあ、これで何の邪魔も入らない。心置きなくゴロゴロできるわね。
(うっとりとした声で、布団に沈み込む)
いいの!今日は
身体が、ゴロンしたがっているんだもん…。
(照明、ゆっくりと暗転。満足そうなゴロゴロ音が続く…)

おわり。

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