1人声劇/朗読【星に願ったら鼻くそが宝石になった話】
登場人物:
華(ハナ): 20代後半の女性。特に目立った才能もなく、地味な毎日を送っているが、想像力は豊か。
場所: 華の質素なアパートの一室
時間: ある晴れた夜
所要時間:10分程度
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(SE: 星が瞬くような、きらびやかな効果音。少し寂しげなメロディーが重なる)
華: (ため息まじりに)はあ……今日も、何事もなく終わったなー。コンビニのレジ打ち、バーコード読み取りの速さだけが私の特技、みたいな毎日。
私の人生、このまま枯れていくのかなー。…華って名前だけに…なんつって…。
(夜空を見上げるような声)
今日の空…めっちゃ星キレイじゃん…
流れ星……見えるかな。子供の頃は、流れ星に「素敵な王子様と巡り会えますように!」とか願ってたっけ。今じゃ、「せめて、宝くじが当たりますように」って…貪欲な願いになったなー…。
でもまぁ…信じるものは救われるってね!
(小さな声で)
お願い、お願い、私に何か一つ、人とは違う特別な力をください!キラキラ輝く、何かを!
(SE: キラキラとした効果音。少し不思議な、でもどこかコミカルな音楽が短く流れる)
華: 何かわかんないけど、叶いそうな気がする!
(鼻をすする音)ん?なんか、鼻の奥がムズムズする……また、変なホコリでも吸い込んだかな?
(ティッシュで鼻をかむ音)
ふーん……って、えええええ!?
(驚愕の声)
こ、こ、これ……鼻くそ!?ちょ、ちょっと、ちょっと見て!イヤ!誰に言ってんだ?
嘘!信じられない!すっごいキラキラしてる!まるで、小さなダイヤモンドみたい!
(混乱した声で)
な、なんで!?私の鼻から、こんなものが!?
えっマテ待て…落ち着け!きのうの夕飯は…特売のモヤシ炒めだし…!!
まさか、あの流れ星の願い事って……こういうこと!?
(一人ボケ)
「華ちゃん、ついにダイヤを自力で生産できる体になったんやね!」
(一人ツッコミ)
「いやいや、自家製ダイヤって何!?しかも、材料が鼻くそって、捨てるはずの物が宝にってやつ?!ってそんな訳あるかーー!!」
(ティッシュをまじまじと見る)
んー…。もしかして…これが、私に与えられた「特別な力」なのかな?よりによって、鼻くそが宝石になるなんて……こーゆーのって、涙が真珠に変わるんじゃないの?神様って、もしや……ドSなの?
あ、あれか?人間は鼻くそのパターンなのか?
(しかし、すぐに計算し始める)
いやでも……ダイヤって、確か、めちゃくちゃ高いんじゃなかったっけ?もし、毎日、いや、毎時間ポロポロ出てくるなら……億万長者も夢じゃない!?
(目が輝く)
私の人生、ついにバラ色ってか!?今までの地味な生活にも、おサラバなんじゃない?
(一人ボケ)
「うっひょー!これで私もセレブの仲間入りやん!高級ブランドのバッグ、買いまくるぞー!」
(一人ツッコミ)
「いや落ち着け!まだ一個しか出てないし!そもそも、こんな出どころ不明のダイヤ、売れるわけないでしょ!」ってな!
これはー…大事にしまっておこ。
(翌朝。SE:ちゅんちゅんスズメの鳴き声)
んーー…良く寝たーー!!
とりあえず……夢かもしれないし?
いっちょ、ほじっておきますか!
いざ!右の鉱山へ!いっきまーす!
(鼻をほじほじする音)
おっ取れた!けど、ちっさ!!
でも、ちゃんとダイヤだ!夢じゃなかった!
ってか…こんな小さくて価値ある?
そもそも、みんな鼻くそってどのくらいの頻度で出来るわけ?毎日ほじほじしてるのかなー…?
まぁ、さすがにこんな小さいと大した価値でも無さそうだし、左の鉱山はしばらく放置して育ててみましょーかね!
(数日後。鼻をほじほじする音)
うーん……もっと、大きなダイヤは出てこないかな?やっぱり、奥の方に眠ってるのかも……。
(少し力を入れて鼻をほじる)
んぐっ……あっ!痛っ!
(ティッシュを見る)
うわっ、血だ……って、あれ!?この鼻くそ……
赤い!?ルビーみたいに真っ赤に輝いてる!
(驚きの声)
血が混じると、赤い宝石になるの!?なんてこった!まるで、錬金術じゃん!私の鼻は、小さな宝石工場ってか!?
(一人ボケ)
「華ちゃん、ついに血でルビーを作り出す禁断の錬金術をマスターしたね!錬金術師ハナ、爆誕っ!」
(一人ツッコミ)
「いや錬金術師って……もっと他に言い方ないの!?第一、血を出すのは痛いし、体に悪そうだからやめなさい!」ってなー…
(さらに数日後。鼻をすする音)
ズビズビ……ああ、風邪ひいちゃったかなー。
鼻水が止まらない……。
(ティッシュで何度も鼻をかむ)
ふえ……なんだか、鼻の奥が黄色い……って、え!?この鼻くそ、黄色い!?まるで、シトリンみたい!
(驚きと発見の声)
風邪をひくと、黄色い宝石になるんだ!なんて面白い体質なの!でも、風邪引くのはしんどいから、複雑な気分……。
(一人ボケ)
「風邪引いてダウン寸前の華ちゃん、副産物としてシトリンをゲット!まさに、不幸中の幸い!」
(一人ツッコミ)
「イヤイヤ…幸いって……風邪は治したいし!それに、こんな黄色の鼻くそ宝石、需要ある!?」
(水っぽい鼻水をかむ)
ズルズル……ああ、これはダメだ。水っぽい鼻水は、ただの液体……宝石になる気配もない。やっぱり、ある程度固形じゃないとダメなのね。
(宝石になった鼻くそをいくつか並べて眺める)
ふむ……ダイヤモンド、ルビー、シトリン……私の鼻から生まれた宝石たち。なんだか、コレクションみたいになってきたな。
でも、これをどうすれば……やっぱり、売るしかないか。
(決意を新たにする)
よし、今度こそ、ネットオークションに挑戦してみよう。「鼻から生まれた、珍しい天然石」って………やっぱり、怪しいよね。
(一人ボケ)
「出品者『ハナ』、自信作の鼻くそ宝石を大放出!一点物につき、早い者勝ち!」
(一人ツッコミ)
「誰が買うのよ、そんなもん!もっとマシな売り文句考えなさい!」つって!
(真剣な表情で)
うーん……「秘密の鉱物。華の加減で色が変わる、世にも貴重な宝石です」……これなら、少しは興味を引けるかも?
(希望と不安が入り混じった声)
どうか、誰か買ってくれますように……私の、鼻から生まれた宝石たち……。そして、私の人生も、少しでも輝きますように!
華: (自嘲気味に笑いながらも、わずかな希望を抱いて)私の宝石物語、一体どうなることやら……。
おわり。
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