ありがたい物はひっそり目立たずそこにいるかも
左手はスウェットパンツの中、右手では鼻くそをほじりながらという救いようのない醜体そのままに、先日報道ステーションを観ていた。
若手の男性アナウンサーが何かの現地レポートをしている映像を眺めていたのだけど、そのアナウンサーがなにやらすこぶる二枚目でカッコ良かったのさ。
「なんで。なんでこの人こんなハンサムなん。目がキラッキラ、小麦色で歯も真っ白。髪なんか優しくウェービー、体つきもパッキリ男らしいし。いやあん。なんか、いやぁん」
ほどなくしてCMに入る。私の下半身が少しだけ内向き気味になっていたのが恥ずかしい。
そしてしかし。肝心のニュース、レポートの中身は何にも頭に入っていなかったさ。

以前読んだ経済誌でのインタビュー。ドトールコーヒーの社長が、店のリニューアルや仕様見直しといった戦略事に関して話していた言葉を、丸めた鼻くそを持て余しながら思い出す。
「多くの人はこだわりに気づいていないかもしれない。しかし、それでいいんです。何も意識されないというのが、ドトールにとってはベストなんです」
話の本質から言えば違う意味の話なんだけど、目を奪われるという言葉がある。その時私の意識はマイクを持って画面に映っている所村アナに終始向いていた。
ドトールの社長が番組プロデューサーだったら、もしかしたら彼とは趣の違うアナウンサーを起用していたのかもしれない。優先順位、一番必要な事を感じ取ってもらうための選択。
なあーんてさ。
どうでも良い事を考えながらさてさて腰を上げ、ティッシュでくるんだ鼻くそを捨てに行きしな、左足小指を椅子で痛打、のたうち回る。
♦︎ ♦︎ ♦︎ ♦︎
覗いてくれて感謝。夜はまだまだ寒いかも。
