FNFE Project #1「README.fnfe」
新コーナー!!FNFE!!!!PROJECT!!!!!!!!
FNFEは「For New Fractal Enthusiasts」の略です。このコーナーでは「フラクタルに興味があるけど、何から始めたらいいかわからない。。。定義を見ても何が何だかさっぱりだ、、、」という人のために、フラクタルのことを分かりやすく解説していきます。
フラクタルというものを一切知らない人でも、フラクタルの面白さに気付けるように構成しているので、フラクタルが全く分からないという人でも是非読んでみてください!
そもそもフラクタルってなんや
フラクタルの本質っていうのはものすごく単純です!!簡単に言えば、「どこまでも拡大できるうえ、拡大すると自分自身が現れる図形」のことです。もう少し難しく、しかし正確に言えば、「一部が自分自身と相似な図形」といえます。
例えば、以下に示すような図形は、一部が自分自身と相似なのでフラクタルです。

ちなみにこの図形のことを「シェルピンスキーのギャスケット」といいます。そのうち出てきます。
他にもいくつかフラクタルをここで紹介します。今後詳しく解説します。

これは「コッホ雪片」です。雪の結晶のような形なので雪片です。

これは「バーンズリーのシダ」です。シダをモチーフとして作られたものです。葉っぱを見ると本体と同じ形になっているのが分かると思います。

これは「マンデルブロ集合」です。なんか円い物体が大量にくっついていて本体と同じような形をしていますね。


これは「ドラゴン曲線」です。同じ形が、向きや大きさを少しずつ変えながら沢山連なっています。名前の通りドラゴンの尾のように見えますね。
これらの図形は複雑なように見えますが、実はこれらはみんな単純な法則に従って生成されています。どんな法則か解説記事が来るまでに考えといてください。
フラクタルというものの定義がどんな感じかある程度わかってきたと思います。もっと詳しく知りたいという人も多いでしょう。
しかし!!!!フラクタルというものを正確に定義するのはとても難しいのです。
いったいどういうことでしょうか。。。
フラクタルを正確に定義するのは難しい
まずは一本の線分を思い浮かべてください。普通の線分です。
この線分を適当に二つに分けてみてください。ポキって。線分は二つに分割しても線分ですね。
分割した線分もまた、分割してより短い線分へと分割できます。一生分割できます。線分は自分自身と相似なのです。

しかし、線分はフラクタルとはみなされないことが多い(というか100ない)です。一般にフラクタルは全体が微分不可能なので、微分が出来る線分はフラクタルといわれないことが多いのです。
なら一部でも微分可能な図形は全部フラクタルではないのかと言われればそうでもなく、この図形は一部が普通に直線なのにもかかわらずフラクタルの特徴に当てはまります。

他にもさっき出てきたマンデルブロ集合は、拡大すると本体とよく似た形のものは出てくるものの本体と全く同じものは出てこない(つまり、厳密には一部が自分自身と相似でない)もののフラクタルとされています。
とまあこんなふうにフラクタルは直感的には理解できるものの、厳密に定義するのはかなり難しく、正確な定義は数学者の間でも意見が分かれている状況です。
でもこの解説ではだいたい「あっ、フラクタルっていうのはどこまでも拡大できるうえ、拡大すると自分自身が現れる図形のことなんだなァ」と思っていただければ大丈夫です。(多分)
歴史
フラクタルという概念を最初に考えついたのはブノワ・マンデルブロ(1924-2010)という数学者で、ルイス・フライ・リチャードソン(1881-1953)という気象学者によるフランスとスペインの間の国境線の長さについての検討をきっかけとして、1975年に考案されました。
当時、フランスとスペインの国境の長さは両国が異なる長さを主張していました。これに目を付けたリチャードソンさんは国境について調査し、国境の長さは正確に測れば測るほど長くなるということに気づきました。このような「どこまでも正確に測れる」すなわち「どこまでも拡大できる」特徴をまとめてフラクタルと呼びだしたのがマンデルブロさんだったわけですね。

とはいえフラクタルという単語が出てくる前からそういった特性を持つ図形についてはいくらか探求されてはいました。高木曲線、ワイエルシュトラス関数などはその一例ですが、これらはフラクタルの探求を目的としたわけではなく「連続だが至る所で微分不可能な関数」を提示するために考案されたものです。なのでフラクタルという単語が出来る前からフラクタルの特性に当てはまる図形は研究されてきたということは知っておいてほしいです。
フラクタルと生活
ここまで難しい文章を読んできてフラクタルという言葉の意味が頭から抜け落ちたという人もいると思いますのでフラクタルの意味をおさらいしておきます。
フラクタルとはどこまでも拡大できて、拡大すると自分自身が出てくる(あるいは一定の法則に従ってどこまでも複雑に描かれる)図形の事です。
こんな難しい概念が生活のどこに結び付くねん!!!って思っている人もいると思いますが、実はフラクタルの特性をもつモノっていうのは案外身近にあるんです。
例えば、小腸の壁。小腸の壁には襞(ひだ)があり、その襞には柔毛がびっしりと生えています。そのうえ柔毛の表面にはさらに小さな突起、微絨毛が無数に並んでいるのです。突起から突起が生えてそこからさらに突起が生える。まさにフラクタルですよ。
他にも気管支や血管はフラクタルの特性を示します。先端にかけてどんどん細かく分岐していく姿は、先ほどあったバーンズリーのシダを彷彿とさせます。
何故こうなっているのかというと、器官の体積が有限の中いかに機能を発揮できるかを追い求めたからなのです。小腸を例にとると、表面をフラクタル状にして表面積を広げることにより効率的に栄養分を吸収できるから、という理由で表面がこのようになったと考えられています。
自然界でフラクタルの特性を示すものは他にも無数にあります。リアス(式)海岸は湾と半島が複雑に入り組んでいる形です。上空から見るとこれも血管のような形になっています。これはどっちかというとドラゴン曲線の方が近いと思います。
フラクタルを活用した技術もあります。音楽を作曲したりTシャツなどのデザインにするなどの美術的な利用だけでなく、日除けや地形生成、果ては医学や画像の圧縮にも利用されています。
他にも色々あって説明しきれないのでとりあえず名前をめっちゃ上げていきます!!!!
☆彡フラクタルが現れるもの
・雷の形
・地衣類(木によく生えてるエメラルド色のコケみたいなアレ)
・ブロッコリーやカリフラワー
・神経細胞
・断層
・藻
・結晶
・DNA
・河川の繋がり
・木
・山脈
・タンパク質や酵素
・積乱雲
・乱流
・都市や植物や銀河の分布
・ネットワークの繋がり
☆彡フラクタルを活用したもの
・フラクタルアンテナ
・フラクタルトランジスタ
・土質力学
・神経科学
・病理学
・地質学、地理
・考古学
・地震学
・捜索救難
・破壊力学
・生物や植物の構造の分析
とまあこんなふうにフラクタルの考え方は幅広い分野で活用されています。もしこれらに興味があるならフラクタルについて知っておくとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?今回の記事ではフラクタルの概要と、歴史や活用法について紹介しました。
フラクタルは直感的にはすぐ理解できるにもかかわらず、実際に定義するのはかなり難しいというのはとても興味深いですね。またフラクタルはどれも基本の作りは単純なのに複雑で美しい模様が生成されるというのも面白いです。
次回、FNFE #2では「反復関数系」について解説しようと思います。次回更新は6/22か6/23を予定しています。初回なので変な文でしたが次回からは引くほど文量が増えます。それでは!!!!!!
参考にしたサイト
※この記事で利用した画像はパブリックドメインのものを拾ってきたか自作です。
