苦手だった利用者さんの印象が、たった一言で変わった話【介護施設】
正直に言うと、最初は少し苦手意識がありました。
言葉数も少なく、どこか壁を感じるような…
うちの施設にいらっしゃる、ある利用者さん。
ここではAさんとしますね。
必要な会話はするものの、それ以上深く関わることはほとんどありませんでした。
そんなAさんが、ある日、珍しく話しかけてくださったんです。
そして私が何気なく聞いた一言をきっかけに、Aさんへの印象は大きく変わりました。
その時初めて気付いたんです。
「人は、見えている姿だけでは分からない」
今日は、介護施設で働く中で私がそんなことを実感した出来事を書いてみようと思います。
最後まで読んでいただけると嬉しいです😌
Aさんは、言葉が少しぶっきらぼうで、どこか投げやりな雰囲気の方でした。
体調のこともあってか、イライラされていることもありました。
最初は、なんとなく距離をとってしまっていた気がします。
日々の中で交わすのは、ほんの一言二言のやりとり。
「おはようございます」
「今日のご飯どうでしたか?」
「美味しかったよ」
と返ってくると、少しホッとする。
そんな関係でした。
特別仲がいいわけでもないのですが、
悪いわけでもない。
いわゆる“よくある適度な距離感”を保っていたと思います。
そんなある日。
珍しく、Aさんの方から話しかけてくださったんです。
それだけで、少し驚きました。
何気ない会話をしながら、
ふと頭に浮かんだことがありました。
「この方は、どんな人生を歩んできたのだろう?」
気になって、思い切って聞いてみたんです。
「以前は、どんなお仕事をされていたのですか?」
すると、少し間をおいて返ってきた言葉。
「自衛隊だった」
正直、意外でした。
あまりイメージになかったんです。
でも、その一言をきっかけに、空気が変わりました。
まるでスイッチが入ったかのように、
いろんな話をしてくださって。
どこに行った、こんなことをした、海外にも行った—
ひとつひとつの話が、どこか誇らしげで。
そして何より印象的だったのが、目でした。
いつもとは全然違う、キラキラとした目。
楽しそうで、少し若返ったような、そんな表情をされていましたね😌
ああ、この方にもこんな一面があったんだな、と。
当たり前のことなのに、どこかで見落としていたことに気づかされた瞬間でした。
人って、目の前に見えている部分だけが全てじゃないんですよね。
むしろ、その奥にあるものの方が、ずっと大きいのかもしれません。
そこを知ると、その方の歩んできた道のりが、今の表情に重なって見えてくる。
そんな気がするのです。
管理栄養士として、どうしても「摂取カロリー」や「塩分控えめ」といった数字ばかりを追いかけてしまいがちです…
もちろん大切なことではあります。
でも、それだけが全てじゃないんですよね。
その人がどんな人生を歩んできて、
何を大切にしてきたのか。
そこに触れたとき、言葉のかけ方も関わり方も少し変わっていきます。
すると笑顔や会話が増え、自然と信頼関係も深まっていく。
そんな実感が、私自身の仕事への向き合い方を変えてくれました。
だからこそ、ほんの一言の会話が意外と大事だったりするんですよね。
少し苦手だと思っていた人が、
少し身近に感じられた日でした。
距離がほんの少し縮まったように感じて、嬉しかったんです。
こういう瞬間があるから、介護の仕事は面白い。
そう思うわけです。
相手を知ろうとする小さな一言が、
思いがけず心の距離を縮めてくれることがある。
私たちはつい、目の前に見えている姿だけで相手を判断してしまいがちです。
でも、その人にも長い人生があり、大切にしてきた思い出があります。
Aさんのキラキラした目を見たあの日から、私は以前よりも「その人の人生」に興味を持つようになりました。
Aさんのことを知ったのは、
たった数分の会話でした。
でも、その数分が私の見方を大きく変えてくれました。
もしかすると、苦手だと思っている相手の心の中にも、まだ知らない素敵な一面が隠れているのかもしれません。
あの日見たAさんのキラキラした目を、
私はきっと忘れないと思います。
また、こんな何気ないけれど、
心があたたかくなるような出来事を、
少しずつお届けしていけたらと思います☺️
