CT06|その働かし方、“筋”が通っていますか?

“筋”の通らない働かせ方に、疑問を抱いたことはありませんか?
派遣として働く中で、私はあるとき「これって筋が通ってるのか?」と強く疑問を抱いた。
求められるのは柔軟さ、貢献、スキルの発揮──でも、それに見合った評価も報酬も制度もない。
それでも「エンジニアだから当たり前」「できる人がやるのが筋」と、納得も対価もないまま“期待”だけは課され続ける。
今回の記事では、「筋が通らない働かせ方」に向き合い、自分の経験を通して感じた理不尽さや違和感、そしてそれでも“筋を通したい”という気持ちについて、記録として綴ってみたい。
1.「エンジニアだからやって当然」?そこにある“見えない矛盾”
私が日々感じている違和感──それは「派遣エンジニア」という立場に課せられる矛盾だ。
エンジニアとは、本来「課題を解決する専門職」であり、改善や効率化などの“新しい仕事”がつきものだ。
もちろん、それはやりがいにもなるし、スキルアップにもつながることがある。
ただ、私はこう思う。
「定常業務だけやっていてほしい」というのも極端なら、 「エンジニアだから当然、新しいこともやるでしょ?」というのもまた、極端だ。
関心があるから、適性があるから、自分の成長になるから──そんなポジティブな動機であれば、新しい仕事に挑戦する意味はある。
でも、「評価も報酬も変わらない」「誰も筋を通していない」状態で、その“挑戦”を押し付けられるのは、まるで筋が通っていない。
しかもそのくせ、こちらには「エンジニアなんだから、やるのが筋だろ」と言われる。
──その働かせ方、本当に筋が通っていますか?
2. 「できる人がやるのが筋」?
エンジニアの中でも、スキルの差、経験の差、得意不得意はある。
たしかに、「できる人がやる方が早い」「適性がある人に任せた方が効率的」──この考え方自体は、間違っていない。
ただ、それはあくまで 「フェアな制度」と「正当な評価」がセットであるべき だ。
「この人に任せれば何とかしてくれるだろう」
「できるんだから、あなたがやってよ」
そんな“見えない押しつけ”の背景には、
できる人への評価や報酬の見直しはない
できる人の負荷だけが増えていく
「やらない=非協力的」という空気だけが蔓延する
そんな状態では、モチベーションは削られていく一方だ。
やるべきなのは、
「できる人に仕事を集めること」ではなく、
「できる人に正当に報いる仕組み」をつくること。
その順番が逆になっているから、筋が通っていないと感じるのだ。
3. 「筋を通したい」私が経験した、あるエピソード
6年居た部署の異動直前、
私は2件のツール導入に関わっていた。
1件は異動後も継続することが決まっており、私が正式に依頼を受けて担当していた。
もう1件は異動先とは直接関係のない案件だったが、その案件については、いつの間にか私が窓口役のような立場になっていた。
正式な依頼を受けたわけではないし、異動後に継続する道理もない──にもかかわらず、やるのが当然かのような雰囲気に、私は強い違和感を覚えていた。
そのため、異動前に「この案件は異動後に関係なくなるため、引き継ぎをお願いします」と課長に申し入れた。
しかし、アサインされるまでには2〜3ヶ月を要し、その間は私が最低限の対応を行う必要があった。
ようやく代わりが決まったと思ったら、派遣の新人が1人アサインされた。

「なめやがって」──正直、そう思った。
そして引き継ぎが不十分な中、関係部署の担当者やシステム担当を交えたミーティングが開催された。
そこで私は「これ、私がやるべきでしょうか?」と問いかけた。すると、ある他部署の担当者がこう言ったのだ。
「引き継ぐのが“筋”だと思いますよ」
──その言葉に、私は一瞬、感情が爆発しそうになった。
でも抑えた。「筋…ですか、わかりました」とだけ返した。
そして私は、淡々と引き継ぎをやりきった。
「やることはやった」と言える状態でないと、筋を通す側にまわることはできないからだ。
その後、やるべきことをやった上で、仮に“筋を通すべき”と言われるような事があれば私はこう言いたかった:
「私はこういう工夫をして、こういうふうに引き継ぎを進めました。 あなたは、何をしましたか?」
4. 「筋を通していない」のは、誰なのか?
この経験から私が強く思うのは──
筋を通していないのは、
現場の上司というより、
“会社そのもの”だということだ。
役割の明確化、報酬制度、評価システム。
そういった仕組みが整っていない中で、
「できる人がやるべき」「やるのが筋」と迫ってくるのは──
「筋を通していない人間が、
他人に筋を求めている」
ということに他ならない。
これこそが、“派遣エンジニア”という構造が抱える、根深い矛盾だと思っている。
おわりに──だからこそ、今こそ問いたい
正直に言うと、「筋を通したい」なんて、めんどくさい性格だと思う。
もっと器用に立ち回れた方が楽だったかもしれない。
でも私は、言いたいことを言うために、やるべきことはやりたい。
そうでないと、自分の中で“納得感”が持てないからだ。
だからこそ、今こそ問いたい。
「その働かせ方、筋が通っていますか?」
あなたの働く現場では、筋の通った仕組みがありますか?
そして、誰かに「筋を通せ」と言う前に、自分たちは筋を通していると胸を張って言えますか?
私は、そう問いかけたいと思っています。
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