工場勤務で気づいた。「仕事ができる人ほど、“探す時間”が少ない」
「あれ、どこいった?」
仕事中、こんなことありませんか?
書類がない。
工具がない。
製品が見つからない。
データがどこに保存されているか分からない。
「あそこにあったはず。」
と思って見に行く。
ない。
別の場所を見る。
ない。
誰かに聞く。
「あれ、どこにありますか?」
「たぶん○○じゃない?」
また見に行く。
ようやく見つかる。
時計を見ると、10分経っている。
探している本人はずっと動いています。
だから一見すると、
仕事をしているように見える。
でも冷静に考えると、その10分間、
仕事はほとんど前に進んでいません。
工場で働いていて最近思うのは、
仕事ができる人は、作業が速いだけではなく、
「探す時間」がとても少ない
ということです。
1回5分なら、大したことがないように見える
例えば、
一日に3回。
一回5分、何かを探しているとします。
一日15分。
「それくらいなら……。」
と思うかもしれません。
でも月20日働けば、
15分×20日=300分。
月に5時間です。
一年なら、さらに大きな時間になります。
しかもこれは一人の話。
10人いる職場なら?
20人なら?
そう考えると、
「探す」という作業は意外と大きなムダなのかもしれません。
「探すのが速い」より「探さなくていい」が強い
仕事に慣れている人は、
「あれならここ。」
とすぐ分かります。
これは経験の力です。
でも、もっといい状態があります。
それは、
誰でも見れば分かる状態。
工具なら置き場所が決まっている。
書類なら保存場所が決まっている。
在庫なら現在地が分かる。
データならファイル名のルールが決まっている。
そうすれば、
ベテランに聞かなくても、新人でも見つけられます。
「探す能力」を上げるより、
「探さなくていい環境」を作る。
その方が強いと思います。
「元に戻す」ができるだけで、かなり変わる
すごく単純ですが、
使ったら元に戻す。
これだけでも探し物はかなり減ります。
でも忙しいと、
「あとで戻そう。」
となります。
そして、その「あとで」が来ない。笑
次に使う人が、
「あれ?」
となる。
一人が10秒を惜しんで戻さなかったことで、
次の人が5分探す。
これでは職場全体で見ると損ですよね。
だから、
自分が使いやすいかではなく、次の人がすぐ使えるか。
ここまで考えるのが整理整頓なのだと思います。
置き場所を決めるだけでは足りない
「ここに置くことにしました。」
と決める。
でも数週間後、
違う場所に置かれている。
よくあります。
なぜなのか。
私は、
決めた場所に戻しにくい
という原因もあると思っています。
例えば、
よく使うものなのに遠い。
収納するのに毎回箱を開ける必要がある。
スペースが狭くて戻しにくい。
別のものが前に置かれている。
ルールを守らない人だけが悪いとは限りません。
ルール自体が使いにくい可能性もあります。
毎回守られないなら、
「ちゃんと戻して。」
と言い続ける前に、
「戻しやすい場所になっている?」
を考えてみる。
これも改善だと思います。
在庫の「あるはず」は怖い
倉庫で特に怖いのは、
「あそこにあるはず。」
です。
システム上では在庫がある。
でも現物が見つからない。
別の場所を探す。
奥を見る。
違う棚を見る。
誰かに聞く。
そして、
「あ、こっちにありました。」
となる。
在庫は数量が合っているだけでは足りません。
必要なときに、必要なものを見つけられること。
ここまでできて初めて、使える在庫なのだと思います。
「とりあえずここ」が増えると、あとで困る
現場で危険な言葉の一つが、
「とりあえずここに置いておこう。」
です。笑
忙しい。
あとで移動する。
だから一時的に置く。
その瞬間は問題ありません。
でも、
誰も移動しなかった。
置いた本人が休み。
別の人がさらに違うものを置く。
数日後には、
「これ何?」
となる。
一時置きが必要なら、
一時置き場を決める。
期限を決める。
誰のものか分かるようにする。
「とりあえず」を管理する仕組み
が必要なんですよね。
パソコンの中でも同じことが起きる
探し物は現物だけではありません。
パソコンでも起きます。
「最新版どれ?」
「○○最終.xlsx」
「○○最終2.xlsx」
「○○最終最新版.xlsx」
「○○最終最新版修正.xlsx」
……どれですか。笑
作った本人なら分かるかもしれません。
でも他の人には分かりません。
フォルダ。
ファイル名。
保存場所。
ここもルールがあるだけで、かなり変わります。
デジタルになったから整理整頓が不要になるわけではなく、
パソコンの中にも5Sは必要
なんだと思います。
整理整頓が苦手なら「きれい」を目指さなくていい
整理整頓というと、
棚がきれい。
物が一直線。
ラベルが揃っている。
そんなイメージがあります。
もちろん、きれいなのはいいことです。
でも目的は、
見た目をきれいにすることではありません。
必要なものを、必要なときに、すぐ取れること。
極端に言えば、
見た目が少しくらい不格好でも、
誰でも3秒で必要なものを取れるなら、機能しています。
逆に、
ものすごくきれいでも、
どこに何があるか分からないなら意味がありません。
仕事ができる人は「また探した」を放置しない
何かを5分探した。
見つかった。
普通なら、
「よかった。」
で終わります。
でも改善が上手な人は、
そのあと、
「なんで5分探したんだろう?」
と考えます。
置き場所が決まっていなかった?
表示がなかった?
誰かが違う場所へ移動した?
在庫情報が古かった?
ファイル名が分かりにくかった?
原因を一つ直す。
すると次から、
5分が0分になるかもしれません。
こういう改善は派手ではありません。
でも毎日積み重なります。
「1分短縮」を軽く見ない
仕事では、
大きな改善が注目されます。
新しい設備を入れた。
システムを導入した。
作業時間を1時間短縮した。
もちろん、すごい改善です。
でも、
毎日100回行う作業を1分短縮できたら?
100分です。
それが毎日続きます。
だから、
「たった1分。」
ではありません。
回数が多い仕事ほど、小さな改善が大きくなる。
探し物は、その代表だと思います。
「どこですか?」が多い場所は改善できる
職場で、
同じ質問が何度も出る場所があります。
「○○どこですか?」
「この書類どこですか?」
「この製品どこに置きますか?」
もし毎日のように聞かれているなら、
質問する人を責める前に、
表示を一枚貼るだけで解決できないか。
一覧にできないか。
置き場所を変えられないか。
考えてみる。
質問が多い場所は、改善ポイントが見えている場所
でもあるんですよね。
仕事が速い人は「速く動く人」とは限らない
現場では、
テキパキ動いている人が目立ちます。
歩くのが速い。
作業も速い。
すぐ次の場所へ移動する。
もちろん、それも大切です。
でも、
ゆっくり見えるのに仕事が進んでいる人もいます。
なぜか。
必要なものがすぐ出てくる。
次に何をするか決まっている。
探さない。
戻らない。
聞きに行かない。
つまり、
仕事以外の動きが少ない。
だから結果的に早いんですよね。
おわりに
仕事を速くしたいと思うと、
つい、
「もっと速く動こう。」
と考えてしまいます。
でも人間が動ける速さには限界があります。
それより、
探す。
待つ。
戻る。
聞く。
やり直す。
こういう、
「仕事が進んでいない時間」を減らす方が効果が大きいことがあります。
もし今日、
何かを探したら、
見つかったところで終わらず、
一度だけ考えてみる。
「次は探さなくても済むようにできないかな?」
ラベルを貼る。
置き場所を決める。
一覧にする。
ファイル名を変える。
戻しやすい場所へ移動する。
小さなことでいい。
仕事ができる人は、
探すのが上手なのではなく、
「次から探さなくていい状態」を少しずつ作っている人。
工場で働いていて、私はそんなふうに感じています。
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