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「働く人に安全を伝えたい」第4回(教訓の犠牲にさせない)

第4回は、「教訓の犠牲にさせない!」


 取引先の現場の事務所にに伺ったときによく見かける「安全」あるいは「安全第一¹」という文字が、額に入れられ掲げられている。「安全」の重要性がひしひしと伝わるように力強い文字で書かれている。
 「安全」の額といっしょによく掲げられているのが社訓だ。社訓は、従業員が守るべき理念や心構えを示すものだが、創業の精神が感じられる言葉が多い。その言葉の一つひとつが意味の含有率の高い漢字を使うことで人を惹きつけるのであろうか。

 「安全」は、安らかで危険がないこと(広辞苑)という意味だが、国際標準の定義では、“許容できないリスクがないこと”(ISO/IEC Guide51)とされている。絶対安全ということは、現実には存在しないということを理解はしていても、現場の関係者は危険性の程度を限りなく抑えるように対策を講じ続けなければならない使命がある。
 災害・事故が発生すると、事後対応として発生原因を調査、究明し、事故の教訓から法令が審議され改正される。現場の基本ルールも同様だ。事故の教訓から再発防止対策が検討され対策が行われる。
 しかし、その教訓は、犠牲の上に成り立っているのである。類似災害・繰り返し災害が発生させないために災害・事故の当事者は、教訓の犠牲者となるために日々働いているわけではないことを肝に銘じてほしい。
 現場の一人ひとりが安全最優先の意識を高め、事後対応から事前予防対策への必要性を持ち、安全に取り組むことで教訓の犠牲者を少しでも減らせるのではないだろうか。

働く人は、教訓とされるために仕事をしているのではないのだ。

¹ 1900年初頭、アメリカ国内では不景気おあおりを受け、労働者たちは劣悪な環境の中で危険な業務に従事していた。その結果、多くの労働災害に見舞われていた。当時の製鉄会社、USスチールの社長が人道的見地から、「生産第一、品質第二、安全第三」という会社の経営方針を抜本的に改革し、「安全第一、品質第二、生産第三」とした。この方針が実行されると、労働災害がたちまち減少した。品質・生産も上向いた景気の波に乗り、この「安全第一」という標語はアメリカ全土に、やがて世界に広まり日本にも広がった。

 (2024年7月15日作成したものを加筆修正を施しています)

追記:震災から14年となりました。ニュースを拝見したり、noteでのみなさんの記事を拝読して、震災の教訓からさまざまな自然災害への備えの重要性を痛感いたしました。被災地ではまだまだ多くの問題を抱えておりますが、1日も早く穏やかな日常が過ごせますように祈っています。

いわき震災伝承みらい館

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