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「論文執筆、また徹夜ですか?」学術論文作成用AIエージェントスキルを公開しました

文献の選別や引用の確認に、毎週時間を取られていませんか。

ITエンジニアとして日常的にAIエージェントスキルを作ってきた私が、その仕組みを学術論文の作成向けにまとめ、公開しました。Cursor、Claude Code、Antigravity など、複数のAIエージェントから使えます。日本語と英語に対応しています。ライセンスはMITです。

スキルは執筆の支援までです。内容の責任は、書くご本人にあります。


あのときの自分に渡したかった

海外の大学院で修士論文に四苦八苦した夜を、今でも覚えています。

文献は増えるのに、何を引用してよいか迷う。数値を書いたあとで、出典を見失う。概念の定義が章ごとにずれる。翌朝、同じ段落をまた直す。

ITの仕事では、同じ種類の失敗を減らす型があります。テストを先に書く。入力を検証する。主張と根拠を突き合わせる。その型を、論文執筆の作業順に並べたのが、このスキル集です。

日々の生活は、科学技術と人文科学に支えられています。ITエンジニアなりの恩返しとして、誰でも使えるよう公開しました。


何ができるか

作業の順に使う想定です。全部を一度に回す必要はありません。今つまずいているところだけでも使えます。

  1. 研究課題を対話で固める
    何を問い、誰に向け、どこまで書けば完成かを、1ページに落とします。

  2. 用語の揺れを揃える
    同じ語が章ごとに違う意味で使われないよう、定義と範囲を先に置きます。

  3. 関連文献をまとめて探す
    OpenAlex、arXiv、Crossref、Semantic Scholar などから横断検索します。

  4. 引用してよいか見極める
    公的統計や査読付き論文と、ブログやSNSを分けます。

  5. PDFを引用・分析しやすい形にする
    論文PDFをMarkdownにし、見出しと図版を残して、あとから検索・引用できるようにします。

  6. 対訳と用語表で読む
    外国語論文を自国語に訳し、原文との対訳と用語表を残したまま精読します。

  7. 新規性の隙間を見つける
    先行研究が到達している点と、自分の主張の差を整理します。

  8. 調査データを根拠にする
    実験、アンケート、インタビューなどを、本文の根拠としてつなぎます。

  9. 想定反論から本文を書く
    先に反論を並べてから、それを越える段落を書きます。

  10. 出典のない数値を見つける
    根拠の付いていない数字や、本文に出してはいけない内部用語を拾います。

  11. 主張と出典を突き合わせる
    本文の引用と参考文献が、1対1で対応しているか見ます。

  12. 提出先の候補を考える
    分野や言語に合うプレプリントサーバーなどを検討します。

長い執筆では、セッションをまたいで「今どこまで書いたか」を引き継ぐ使い方もできます。


私自身が使った例

私はこのスキル集を使い、次の論文を公開しました。個人の公開例です。誰でも同じ速さでできる、という意味ではありません。

フィリピンにおける持続的貧困と非包摂的成長の全域的因果メカニズム(Zenodo)

AIに任せて終わり、にはしていません。数値や引用は、一次情報を取りにいき、リポジトリ内に残してから本文へ書いています。スキルは手順を支えるもので、論文の中身の責任は著者にあります。


使い方の最短経路

論文用のGitリポジトリを用意したうえで、次のように導入できます。

git submodule add https://github.com/hideshi/scholarly-agent-skills.git .scholarly-agent-skills
python3 .scholarly-agent-skills/scripts/setup_submodule.py --lang ja

詳細はリポジトリの README にあります。文献検索など、外部APIへアクセスする処理では、実行者ご自身の連絡先メールが必要です。ダミーのアドレスでは動きません。

export SCHOLARLY_CONTACT_EMAIL="ご自身のメールアドレス"

使ってほしい人

  • 論文の作業が、探す・読む・書く・確かめるのあいだで散らかっている人

  • AIに下書きは頼むが、出典と数値が不安な人

  • 一人で書いていて、翌朝に論理がつながっているか自信がない人

完成を保証する道具ではありません。手元の研究に合わせて、直したり、足したりして使ってください。MITライセンスですので、利用のハードルは低くしてあります。


おわりに

このスキル集が、使う方の研究に合わせて育ってほしいです。

最後に、コテンラジオと超相対性理論に触れて人文に関心を持ったことが、この学術論文作成用AIエージェントスキルを作る起点になりました。両番組に感謝いたします。

スキル集
https://github.com/hideshi/scholarly-agent-skills

免責の全文
https://github.com/hideshi/scholarly-agent-skills/blob/main/DISCLAIMER.md

※MITライセンスには、著作権表示の維持など所定の条件があります。

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