【アーカイブ】ただしゃべりたいだけラジオ#16-2〜映画『新解釈・三國志』公開記念!オタクが熱く、時に脱線しながら語り尽くす「三国志」の魅力〜

私の過去のYouTube動画を1から振り返って紹介していくアーカイブ・ライブラリ記事。 今回は「ただしゃべりたいだけラジオ」の第16回目(その2)を振り返っていきます!

前回の「その1」では大好きなプロレスの話で大熱狂していましたが、この「その2」では、私にとってアイドルオタク歴よりもさらに長い、約20年以上の付き合いになるもう一つの大好物「三国志」について、ノンストップで熱く語っていきます!

収録の直前、2020年12月11日に公開されたばかりの映画『新解釈・三國志』(大泉洋さん主演・福田雄一監督)を初日に観に行ってきた興奮そのままに、私なりの三国志愛をぶちまけています。

『新解釈・三國志』を初日観劇!「どうでしょう藩士」も大満足のエンタメ感

映画『新解釈・三國志』ですが、とにかく主演の大泉洋さんが素晴らしかった! 私は昔から『水曜どうでしょう』が大好きないわゆる「どうでしょう藩士」なのですが、今作の大泉さん演じる劉備玄徳は、まさにあの番組で見せる「ボヤき」のオンパレード。ボヤきながら愚痴りながら、でも何だかんだ進んでいくあの空気感が劉備というキャラクターに絶妙にマッチしていて、どうでしょうファンならニヤニヤが止まらない仕上がりでした。

歴史モノ、特に三国志のような超大作になると「史実と違う!」「解釈がおかしい!」と細かくツッコミを入れたくなる歴史オタクの方もいるかもしれません。でも、これはあくまで「エンターテインメント」です。映画の冒頭でも、これが一つの「新解釈」であるというスタンスをハッキリ提示してくれていますし、難しい設定抜きで誰もが笑って楽しめる作品になっているのが本当に素晴らしいなと感じました。

三国志を全く知らない人が見ても、「ああ、こういう流れの話なんだな」と全体像がわかるようになっていますし、逆に三国志が好きな人も「こういうキャラ付けにするか!」という新鮮な視点で楽しめるので、すべての人におすすめしたい映画です。

ちなみに歴史マニア的な細かい話をちょっとだけすると、劇中で「諸葛亮孔明(しょかつりょうこうめい)」とフルネームで呼ばれているシーンがあります。本来、中国の古い名前の構成は「姓(諸葛)」「名(亮)」「字(孔明)」となっていて、本名にあたる「名」と、通称・敬称である「字」を同時にくっつけて呼ぶのは歴史的には不自然とされています。でも、そんな細かいことを気にしていてはエンタメは楽しめません!わかりやすさ最優先で作られているのが、この映画の優しさですね。

三国志の基本:「正史」と「演義」、そして歴史のロマン

そもそも「三国志」と一言で言っても、大きく分けて2つのテキストが存在します。

  • 正史(せいし)三国志: 実際の歴史的事実を淡々と、つらつらと書き連ねた歴史書。有名な「魏志倭人伝(ぎしわじんでん)」もこの一部(魏の国の歴史書)です。歴史書なので、エンタメ要素や派手なドラマ性は基本的にありません。

  • 三国志演義(えんぎ): 正史をベースに、後世の人々が読み物(小説)として面白おかしく脚色・創作したエンタメ小説。私たちがよく知る「劉備は優しくて正義の味方」「曹操は冷酷非道なダークヒーロー」「諸葛亮は風を操る天才軍師」といったイメージは、ほとんどこの『演義』によって作られたものです。

つまり、世の中に広まっている三国志のイメージ自体が、すでに壮大な「創作(フィクション)」なんです。だからこそ、映画でどんな新解釈をしようが、マンガでどう描かれようが、それは言ってみれば「自由」。それぞれの作品が持つ独自の価値観を楽しめばいいんですよね。

まずはこれを読んでほしい!「横山光輝 三国志(全60巻)」の魅力とツッコミどころ

「三国志をイチから知りたい!」という人に、私が何よりも最初におすすめしたいのが、マンガ家・横山光輝先生の不朽の名作『三国志』全60巻です。 鉄人28号などで有名な横山先生が、三国志演義をベースに描いた超大作。これさえ読めば、三国志の大まかな流れは完璧に把握できます。

ただ、この横山三国志、じっくり読み解いていくと色々と面白いツッコミどころや、独特の構成バランスがあるんです。

① 約100年の歴史なのに、後半の駆け足感がすさまじい

三国志の時代は、西暦184年(黄巾の乱)から280年(呉の滅亡)までの約100年間を描いています。 しかし、横山三国志の全60巻の割り振りを細かく見てみると……

  • 1巻〜59巻:184年から234年(諸葛亮孔明が死ぬ「五丈原の戦い」)までの50年間をじっくり緻密に描写。

  • 60巻(最終巻):孔明が死んだ234年から、国が滅亡して統一される280年までの約50年間を、たった1冊で超特急で消化!

ほぼナレーションベースで「その後、こうなりました。おしまい!」と終わるこの豪快なスピード感。やっぱり、三国志の華は孔明が生きている前半〜中盤なんですよね。

② 歴史の大事件「官渡(かんと)の戦い」がほぼカットされている

三国志の歴史の中で、曹操(そうそう)が覇権を握る決定打となった最重要決戦「官渡の戦い」(西暦200年、曹操軍が圧倒的大軍の袁紹軍を打ち破った戦い)。 これほどの大イベントなのに、横山三国志では劉備の動向をベースに話が進むため、この戦い自体はまさかのナレーションでほぼカット!気づいたら曹操が北の方を全部制圧してめちゃくちゃ強くなっているという超展開になっています(笑)。

③ 急に作風がファンタジーに!?伝説の「南蛮(なんばん)制圧編」

劉備が亡くなった後、後事を託された諸葛亮孔明が、南方の異民族を従えるために遠征する「南蛮編」(45巻あたりからスタート)。 ここが本当に面白いんです!それまでは漢民族同士の小難しくも熱い心理戦や策略戦がメインだったのに、南蛮に入った瞬間、急にゲームやSFのような世界観にシフトします。

  • 巨大なゾウに乗って戦う敵(木鹿大王)

  • 虎や狼を操る猛獣使いの敵

  • 槍や矢を一切通さない、油で固めた藤の鎧を着た無敵の軍勢(兀突骨率いる藤甲軍)

これに対して、天才軍師・孔明が対抗するために繰り出した秘密兵器が、なんと火を噴くマシンのような戦車(火獣)! 「急にファンタジーになったな!?」と小学生ながらにワクワクが止まりませんでした。最後には、孔明が藤甲軍を谷底に追い詰めて「火攻め」にし、2万人を焼き殺すという、普段の温和なイメージからは考えられないほど残酷で容赦ない戦術を見せるのも、人間味があって非常に印象深いエピソードです。

で、結局「三国志」って最後どこが勝ったの?という衝撃の結末

「魏(ぎ)」「呉(ご)」「蜀(しょく)」の3つの国が互いに争い、天下統一を目指すのが三国志ですが、歴史を知らない方に「最終的にどの国が勝ったと思う?」と聞くと、多くの人が主人公補正で「蜀(劉備の国)」と答えたり、一番勢力の強かった「魏(曹操の国)」と答えたりします。

しかし、驚くべき歴史の真実は、魏でも、呉でも、蜀でもない「晋(しん)」という全く別の新しい国がすべてを統一して終わるのです。

魏の天才軍師であった司馬懿(しばい)の一族が、魏の国をじわじわと乗っ取り、最終的に「晋」という国を建国。その晋が、蜀を滅ぼし、最後に呉を滅ぼして天下を統一します。 マンガの主役級ヒーローたちが何十年も命をかけて、泥水をすすりながら戦ってきた結末が、「後からひょっこり出てきた一族に全部持って行かれる」という、なんとも世知辛く非情なリアル。

だからこそ、多くの三国志作品は天下統一まで描かず、一番盛り上がる「諸葛亮孔明の死」をもって幕を閉じることが多いんですね。歴史の事実だからこそ、綺麗ごとだけでは終わらない。それもまた、三国志という壮大な群像劇が持つ最大の魅力だと思います。

歴史オタクとしてのこだわり、そして「解釈」の自由

歴史が好きな人の中には、「三段撃ちは実在しなかった」「一夜城は1日で作られたわけじゃない」といったような、重箱の隅をつつくような史実論争をする人もいます。もちろん研究としては素晴らしいことですが、私はエンタメとして楽しむなら「どっちでもいいじゃん!かっこよければ!」というスタンスです。

織田信長が鉄砲を三段撃ちして武田の騎馬隊をなぎ倒した方がかっこいいし、豊臣秀吉が一晩で城を出現させて敵の度肝を抜いた方がワクワクする。歴史の事実を踏まえつつも、それをどう魅力的に解釈して現代に伝えるか。それこそが、歴史をベースにしたエンタメの醍醐味だと思うのです。

実家にある私の本棚には、小学生の頃にお小遣いを貯めて2年がかりで買い集めた横山三国志全60巻が並んでいます。前半の巻は何度も読み返してボロボロ、後半は新書で買ったから急に綺麗になるという、私のオタクとしての歴史が刻まれた宝物です。

語り出したら5時間でも10時間でも話し続けられてしまう三国志。 今回はほんの「触り」のつもりでしたが、やっぱり話し始めると全く止まりませんでした(笑)。 もしこの動画や記事をきっかけに、「三国志、ちょっと気になるな」と思ってくれる方が一人でもいたら、これ以上に嬉しいことはありません。ぜひ、映画館や書店へ足を運んでみてください!

さて、3本同時リリースの第2弾もお付き合いいただきありがとうございました。 最後の第3弾(#16-3)は、さすがに短めにまとめますので(笑)、ぜひそちらも楽しみに聴いてみてください!

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