“独自の感性”と“思想”がデザイナーの可能性を広げる。若手転職エージェントが見据える、マッチングのその先
デザイナーが放つ世界観や個性を見抜き、領域の特性と照らし合わせながら、最も活きる場所を見つける。簡単ではないジャッジですが、その先にこそ、求職者が正しく評価される場所があると考えています。
そう語るのは、新卒2年目ながら100名以上のデザイナーと面談を重ねてきた、川口 裕翔(かわぐち ゆうと)です。
作品だけでは表現しきれない“その人らしさ”にも目を向けながら、求職者と丁寧に対話し、キャリアの可能性を追求する。そんな川口の支援スタイルがあるのは、彼自身が現在も音楽活動を続ける表現者であり、「人が関わることでその人の持つ魅力や可能性が引き出される」という感覚を身をもって知っているからです。
そんなユニークな原体験をもつ川口に、人材業界に進んだ理由や、新卒時代の試行錯誤、そしてクリエイターの価値を最大化するために心がけていることについて聞きました!
キャリアの選択に迷っているデザイナーの皆さまに、彼の真っすぐな姿勢が伝わるとうれしいです^^
作品は“人と人の関わり”で広がりが生まれる。音楽の世界から人材業界へ
ーー大学では「劇場認知科学」という珍しい学問を専攻されてきた川口さん。どのような学生時代を過ごしてきたのでしょうか?
母が音楽教室の先生だったこともあって、幼い頃から音楽が身近にありました。大好きなキーボードを続けていくなかで、より広い視野で進路を考えたいと思い、大学進学を機に上京しました。
音楽活動を続けながら、「劇場認知科学」と呼ばれる、音楽やダンス、お笑いなどのエンタメを認知科学的に分析する学問を学びました。作品そのものというより、「パフォーマンスや、それに対する観客の受け止め方、会場の雰囲気がどう作用し合うのか」といった研究をしていましたね。
当時は音楽サークルの代表として、複数のサークルが合同で参加する学内イベントの企画にも携わっていたのですが、そのなかで感じたのは「人が関わり合うことで、エンタメは想像以上の広がりを生む」ということ。人同士がつながってアイデアが混ざり合い、人を魅了する作品へと昇華されていく感覚を、肌で実感しました。
その経験を通じて、演奏する側だけではなく、音楽家と観客をつないだり、相互作用が生まれるような“場”そのものをつくったりすることに興味を持ち始めました。

ーーその後、なぜ人材業界へ進まれたのでしょうか?
ミュージシャンとして生きる道もありましたが、大学での経験を経て、音楽との関わり方はそれだけではないと思うようになったんです。たとえば、裏方としてパフォーマンスを支えたり、アーティストがもっと活躍できる場や機会をつくったりする道もあるのではないかと。
そう考えたときに、「人」と向き合う仕事に興味が湧いてきました。その中で出会ったのがクリーク·アンド·リバー社です。転職支援を通じて人の可能性を広げ、クリエイターをはじめとする表現者の価値を高めていく点が、自分の考えと重なる部分が多かったんです。
音楽家の価値を高めることに興味を持っていた自分にとって、「プロフェッショナルの生涯価値の向上」という理念は、まさに自分がやりたいことそのもの。「ここであれば、自分が望む仕事ができそうだな」と思い、入社を決めました。

転職未経験を補ったのは、徹底した情報収集と“インストール力”
ーー人材業界もデザイン領域も未経験からのスタートでしたが、新卒時代に苦労された点はありますか?
転職経験がないぶん、体験談にもとづくアドバイスができないことは、特にもどかしかったですね。
その中で、徐々に求職者と企業の双方を支援する「両面型のエージェント」であることの意味を考えるようになったんです。企業の採用責任者や現場の人事の方などあらゆる手段と人脈をもとに、市場感や求める人材像を聞いて回りました。いわば、“アセットをフル活用”した情報収集です。
あと、経験不足を補いつつ、候補者に信頼していただくという点では、支援上手な先輩をインストールすることも意識してきました。
ーー“インストール”ですか?
入社当初から育成に関わってくださった元事業部長の面談スタイルが、とにかく求職者に寄り添うもので。今でも面談のたびに、その姿勢を自分に憑依させて、求職者に向き合うようにしているんです。
たとえば、合意形成の丁寧さは真似している点のひとつ。初回面談では、「ここまででご不明点はありますか?」と適宜確認したり、候補者の転職への理解や温度感に沿って内容を変えたり。まずは、安心していただくために、どんなに些細なことでも、求職者ご自身に「選択権」があることを双方で確認しながら進めています。
期待値調整という面では、「特化型」であるがゆえに高い期待をよせていただくこともあるので、その要望に応えられるのか、難しければどんな選択肢をご用意できるのかも細かくすり合わせていますね。
エージェントとしてのコミュニケーションスタンスを先輩社員から教わりつつ、情報量の多さで経験不足を補う。その積み重ねで、自分なりの転職支援の形が見えてきた実感はあります。
ーー今では、100名を超えるデザイナーの方々との面談を重ねています。これまで、特に印象に残っている支援はありますか?
初めて1人でご支援した方は、特に記憶に残っています。キャリアの長いベテランデザイナーの方で、すでに他社で100社近く受けられていたこともあり、なかなか出口が見えない状況でした。
けれど、その方のキャリアやご希望に合う企業を探し続けて、「この企業、受けてみませんか」と選りすぐりの1社をご提案したところ、スムーズに内定が決まり、2ヶ月ほどでご入社に至りました。
「自分にもこんな選択肢があったとは思わなかった!」と言っていただけたときは、「プロフェッショナルの生涯価値の向上」という言葉を体現できたようで、グッときました。

正解だけを求めすぎない。表現者だからこそ大切にしたい“その人らしさ”
ーー今もプライベートで音楽活動を続けている川口さんですが、表現者としての経験が転職支援に活きていると感じることはありますか?
私は、音楽で自分を表現してきたのですが、商業デザイナーとなるとまたニュアンスが違うと感じていて。デザイナーは、解決したい課題や目的を、デザインを通してかたちにする役割を担っていると考えています。
特にUI/UXの領域になると、市場として求められる“型”があるので、「ポートフォリオはこういう流れで載せた方がいい」といった、正解ありきのアドバイスになってしまうんですよね。同じ表現者という立場では、もどかしさを感じる部分でもあります。
一方で、デザイナーの個性は隠しきれないものですし、“その人らしさ”も含めてきちんと企業側に伝えたいという思いもあるんです。それが如実に表れるのが、デザインに至るまでのプロセスです。
たとえば、あるプロダクトに対して、「なぜそのデザインなのか」「どう考え、どう動いて、どうコミュニケーションを取ってきたのか」といった能動的なアクションには、自ずとその方の個性や思想が滲み出ます。また、その方の“デザインへの再現性”を確認することにも繋がります。だからこそ、私はアウトプットだけでなく、そこに至るまでの過程や変化も含めて、求職者のお話を伺うようにしています。
ーー作品そのものだけで、その方の能力をジャッジしないということですか?
候補者の作品を見て、「この企業が求めるデザインのテイストに合いそうだから」という理由だけでマッチングすることは、まずないですね。良くも悪くも、その方のキャリアの可能性を狭めてしまうかもしれませんから。
デザインファームやブランディングエージェンシーのアートディレクターは、「クリエイティブが強い」「絵が上手い」という素質はもちろん、強い思想やコンセプチュアルスキルも同様に問われる領域です。
デザイナーが放つ世界観や個性を見抜き、領域の特性と照らし合わせながら、最も活きる場所を見つける。簡単ではないジャッジですが、その先にこそ、求職者が正しく評価される場所があると考えています。
ーーまさに、川口さんの支援スタイルは「クリエイターの価値向上」を目指したうえの姿なのですね。そのなかで、転職エージェントとして特に大切にしていることはありますか?
転職エージェントは、その人の人生を変えるというより、「選択を導く存在」だと思うんです。最近だと新卒領域で“オワハラ(就活を早く終えるように企業が迫るハラスメント)”といった言葉もありますが、そうではなく、「決めるのはあなたです」という前提で関わるのが、エージェントとしてのあるべき姿なのかなと。
とはいえ、そのためには、求職者が“選ぶための材料”を用意することが欠かせません。特に、企業の経営状況や上場といったビジネス視点の情報は、デザイナーにとっては触れる機会が少ない領域でもあるため、私たちが積極的に補うべきものだとも考えています。
機会を最大化するために、後押しできることはすべてやる。その方の将来の可能性を広げるお手伝いをしたい、という一言に尽きますね。

クリエイターの生涯価値を高め続けられる伴走者へ
ーー2年目を迎えた川口さんの今後の目標を教えてください。
まずは、周りの先輩方のように、転職エージェントとして一人前になりたいです。そのうえで、「求職者の人生の一部に伴走する」という、より広義で仕事を捉えると、転職という選択肢にとどまらない可能性も模索したいと思っています。
たとえば、正社員だけでなく、パートや業務委託といった手段も含めて関わり方の幅を広げていくことで、支援できる方も増えていくはずです。クリーク·アンド·リバー社には、派遣や請負など、クリエイターが多様なかたちで活躍できる場があります。
そうした強みを活かしながら、自分の中にある“支援の引き出し”を増やし続け、関わったすべての方が、よりよい選択ができるように、力添えしていきたいです。
ーー最後に、転職活動中、もしくは転職を検討している方に向けてメッセージをお願いします。
転職を考える際、「WillとCanを明確にしましょう」という話をよく耳にすると思います。
その際に私は、自己内省だけでなく、“キャリアのリテラシー”を高めることもおすすめしています。たとえば、クリエイター市場全体の傾向や、異業界のデザイナーの働き方や環境など、外にも目を向けるんです。
私自身、ミュージシャンとしての実力だけでなく、“界隈での立ち位置”の両方を知ってから、自分らしい活動ができるようになりました。転職も同じで、市場や環境を踏まえながら、自分のオリジナリティを最大限発揮できる場所を探し続けることが大切だと思っています。
その選択を支える存在として、私たち転職エージェントは、個人では拾いきれないリアルな情報を集めています。皆さまの「生涯価値の向上」に少しでも貢献できるように。これからも一人ひとりの可能性に、向き合い続けていきたいです!

新卒2年目ながら、すでに多くの求職者から信頼を得ている川口。その背景には、クリエイター一人ひとりのまだ言語化できていない強みや個性”を丁寧に引き出し、市場でどう活躍してもらうかを考え抜く支援があります。
「他のデザイナーとの差別化ポイントはなんだろう」「自分のスキルを活かす場所が見当たらない」——そう1人で悩んでいる方は、彼のような存在が、新たな視点をもたらしてくれるかもしれません。
HIGH-FIVE転職エージェントには、ほかにも個性豊かなプロフェッショナルたちが多数在籍しています。そんな彼らの魅力をこれからもお伝えしますので、次回の更新を乞うご期待ください!
川口 裕翔(かわぐち ゆうと)プロフィール
大学では、「劇場認知科学」を専攻し、音楽やダンス、お笑いといったエンタメ表現を認知科学的に分析する研究を行う。学生時代に出会った色々な人の個性や価値観が相互作用する様に惹かれ、「人の強みや可能性をもっと活かせる環境を実現したい」という想いを抱く。
その後、「プロフェッショナルの生涯価値の向上」を掲げるクリーク·アンド·リバー社に出会い、新卒入社。現在は、デザイナー職に特化した転職エージェントとして、Web業界を中心に転職支援・採用支援業務に従事している。
制作:ふたり広報(ライター:稲葉めぐみ / 編集:おのまり)
監修:HIGH-FIVE編集部
