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darari64
【詩】祖母のスカーフ
秋になると祖母は首に
スカーフを巻いて出かけた
お気に入りのバッグをさげて
東京行き電車に乗りこむ
銀座に着くと幼い僕の手を握って
デパートを上から下まで見てまわった
店員さんとアレコレ会話して
化粧品や帽子やイヤリングを吟味する
紙袋をもたされる僕が
もう疲れたと言いへばると
地下のフレッシュジュースを飲んだり
パーラーでアイスを舐める
最上階のレストランで
赤いカリーもよく食べた
それから上野の美術館に行ったり
有楽町で映画を観に行った
祖母は東京の空こそ
自分の空なんだと言っていた
電車が混むと心臓が弱い僕を
座席に座らせてくれた
それが情けなくて恥ずかしかった
よく思い出してみると
祖母のスカーフはいつも違った
黒いシンプルなデザインもあれば
リボンがついてるのとか
先端にボンボンのついてるのとか
花柄だったり水玉模様だったり
お洒落さんだったのだ
僕も年をとったら
ファッションに流儀を持ちたい
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