数秒間に、私の午前中を差し出して。ポケットスンスンで日常をディフェンスゲーム。
「置き配」になれると、
対面での受け取りは、そわそわする。
時報のように、
何時ぴったりじゃなくて
「午前中」という曖昧すぎる時間に
そわそわしながら、チャイムを待つ。
まるで
抜き打ちテストを待つ
学生みたいな気分。
8時から12時。
4時間のうち
10秒にもみたない時間。
でも、その10秒が
ほんの少しでもずれると
配達員さんは、去ってしまう。
不在票という
再テストみたいな
烙印を残して。
もしもそうなったら…
配達員さんも、私も
ダブルでしょぼんな気分。
もしも、9時台に来てくれたら
「神様ありがとう!」ってくらいの開放感。
反対に、11時50分を過ぎると、
私のそわそわはピークに達する。
「えっ、私もしかして
忘れられてる?」
「午前中のラストの
配達順なのかな」
一人ではじまる、疑心暗鬼。
ドラマの撮影で、たった数分間の
「晴れた夜明け」を撮るためだけに
何日もロケ地に、
泊まり込むスタッフさんたちも
きっとこんな、祈るような、
じれったいような気持ちなのかな。
ドアの前に
「配達員さんへ 私はここにいます。
チャイムで反応ないときは
3回くらい押してください」って
メモを貼ろうか、迷う。
「この家の人、圧がすごいな」って
思われるかもだし、防犯的にも。
いろいろ考えて、やめておいた。
そわそわしながら待ち時間に
できることを探してみよう。
ドアフォンの前で
スクワット。
寒くて、3回くらいで終了。
そうだ…!
配達員さんを待たせない
「最高の受け取り」を
シミュレーションしよう。
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