見出し画像

夏の無詠唱魔法─青のスピネルが溶ける午後、しずく色の記憶。

暑さが肌にまとわりつく
夏の午後

けだるさをほどきたくて
開けた冷蔵庫

キンと冷えた炭酸水は
無口なままで私を待っている

キャップをひねる、その瞬間。
プシュッって、クールなため息みたいな音

そっとグラスに注ぎ込むと
小さな泡が「ねぇ、遊ぼう」

パチパチ音を立てて
はしゃいでいるみたい

弾けるたびに、胸の奥で夏が
トントンとノックする

せっかちな泡にすぐ応えるのは
なんだかもったいない気がして

もう少しだけ、この涼やかな
美しさにひたっていたい

そっとグラスを持ち上げて
光にかざしてみる

透きとおった水の中には
陽彩の欠片が舞い降りて

青のスピネルが
きらきらと揺れている

水面をのぞき込むと、そこには
空色のラムネの世界が広がっていた

コーヒーやお茶では出会えない
透きとおった物語

ひとくち
またひとくち

シュワシュワって
口いっぱいに広がる
水の花火

さっきまで私を閉じ込めていた
暑さの檻がどこかへ消えていく

瞬間、私の中に「しずく色」が
とけていくのを感じた

炭酸がはじけるまでの
無詠唱魔法

飲みなれたはずの炭酸水が
今日はなんだか特別で

グラスに浮かぶ
わたしの「夏時間」


最後までお読みいただき
ありがとうございます。

みなさんの夏時間が
素晴らしいものでありますように。


#炭酸水
#詩のようなもの
#エッセイ
#夏休み
#休職
#適応障害
#メンタルヘルス
#熱中症
#水分補給
#自己受容
#セルフケア
#ひいろ
#猛暑の過ごし方
#夏のオススメ


いいなと思ったら応援しよう!

ひいろ 最後まで読んで頂いて、本当にありがとうございます! 少しでも、あなたの心に残ったのなら嬉しいです。