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つくし色の時間旅行。ギバーとテイカーと、つくし上位互換。

いつだったかな

料亭みたいなところに
連れて行ってもらった時

上品な器に盛られた
お浸しがでてきて

へぇつくしって
食べられるんだって

不思議な気持ちに
なったのを覚えている

子どもの頃
まだ家が建つ前の空き地で

地面からちょこんと
顔を出していたのを

夢中になって
たくさん抜いたっけ

ぼんやりと懐かしさと
夕焼け空を見上げていた

オレンジと紫が混ざり合う
今日一日の終わりを告げる色

『どうしたの?ボーっとして』

「ん…ちょっとね昔を思い出してたの。
 遠くまで来たなぁって」

隣に座る声が
茜色の空から
私を引き戻した

私はつくしに自分の人生を
重ねていたのかもしれない

空き地の片隅でひっそりと
風に揺られるつくしと

料亭で綺麗に盛り付けられて
誰かに味わってもらえるつくし

どっちが幸せなんだろう

都会で何者でもなかった私が
この町に来て

あなたと出会って
小さなカフェを開いた

まだほんの少しだけど
こうして誰かの役に立てている気がするの

あの空き地で風に揺れていた
小さなつくしみたいに

(410文字) 



春の土手にギバー、テイカー、マッチャー
と呼ばれる3本のつくしが生えていました

ギバーは
養分を分け与え
他のつくしを育てました

テイカーは
分け与えられた養分を
存分に吸い上げ

ぐんぐんと
背を伸ばしました。

マッチャーは
間を絶妙なバランスで繋ぎ

与えすぎず
奪いすぎず
調和を保ちました

ある日のことでした

風に乗って1本のつくしの
胞子が舞い降りました

その名はブレーカー

ブレーカーは
ギバーの養分を拒み

テイカーにも
奪われることなく

マッチャーの調和さえ
かき乱しました

誰からも影響を受けず
自らの力で根を張り

独自に成長しはじめました

つくし達がざわめく中

ブレーカーはついには
異様な変化を遂げました

なんと巨大なスギナへと
姿を変えました

『つくしがスギナに!?』

「僕はただ役割に縛られず
 自分の道を行くだけさ」

ブレーカーはそう言いました

でも彼はまだ知りません

地面から3本のつくしを
なぞって摘み取ったり

スギナさえも駆逐せんとする

巨大な指がすぐそこまで
迫っていることを

(410文字)

巨大な指で3本のつくしを
なぞる?ツムツム?つくつく?


たらはかにさんの
【毎週ショートショートnote】

お題は【つくし上位互換】でした。
今週は2作品。

最後までお読みいただき
ありがとうございます。

みなさんの毎日が
素晴らしいものでありますように。


ふうちゃんさんの罫線

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