私も恋愛したい!恋はいろんなものを覆い隠してしまう。彼との出会い。
10年ほどの結婚生活を終えて、晴れて再びシングルになった私。
以前の部屋からは必要なものだけを持ち出した。
衣類さえ自分がもういらないと思ったものは置いてきた。
洗濯機、テレビ、ベッド、いろいろ新しくした。
新生活だ!
職場も近くなったので快適。
離婚することを決めたあたりに
私は女として大丈夫なのだろうか?という
謎の焦燥感に突き動かされて謎に風俗の面接を受けた私。
そこで得た学びは、私は元々性的な接触がすごく好きなわけではないんだなということ。
なので元夫とレスになってからもそんなにレスであることに悩んでもいなかった。
サウナや温泉が好きなのに生理が重くて振り回されるのがしんどくて、妊娠の可能性はないけどピルを服用していた。
ピルのおかげでQOLはかなり高く過ごせていた。
そして、そのことは元夫は全く知らなかった。
というか知らせる必要がなかった。
で、タイトルの恋愛。
元夫とUに感謝することが一つあるとすれば
恋ってこんなに盲目に楽しめるんだ!ということを目の前で見せてもらったことだ。
1度きりの私の人生。
もう独身なんだし、だれに遠慮することもなく恋愛を楽しみたいと思った。
当時、私はInstagramで空の写真と食べ物の写真を中心に投稿していた。
旅行が好きな私は自分の旅の記録を #旅行好きとつながりたい みたいなタグをつけて投稿していて、10人前後のフォロワーがいた。
その中に相互フォローとなっていて、時々コメントを付け合う男性がいた。
その人はアジアのとある国に駐在しているらしく、その国が好きな私は男性が投稿する街の風景や食事、夕暮れや朝焼けの空の写真を楽しみにしていた。
ある時、街角のカフェでコーヒーカップを持つ左手が写っていて、指輪が無いことに気づいた。
独身なんだ。
見返すと、仕事帰りの外食の写真も1人分の写真や、仕事仲間との会食らしい写真ばかりだったし、週末に一人旅に出た写真も投稿されていた。
きわめつけに、ハッピーバースデーツーミーと一人で誕生日を祝っている写真の投稿。私より一つ年下なことが 〇〇〇〇年生まれ というタグでわかった。
顔も見たことのない男性のことが気になって仕方がない。
無意識のうちに自分に都合の良い情報をどんどん脳内に集めていた。
今、冷静になって振り返ればたまに帰国した時は空の写真がほとんどで食事の写真はなかったり、投稿もほとんどされていなかったりで独身と断定できる要素なんてなかったのに。
すでに恋するモードに入っていた私はこれまでよりも頻繁に彼の投稿にコメントするようになっていた。
同時に彼も私の投稿にコメントをつける回数が増えていた。
ある日、私が友人と食べたイタリア料理の写真を投稿したところ、なんと彼からDMが届いた。
「近いうちに一時帰国するので、そのお店を教えてもらえませんか?」
お店の情報を教えてあげた。
その後、そのお店に行った写真が投稿されていた。
久しぶりの友人との楽しいディナーとなったらしく、私もうれしかった。
彼からお礼のメッセージが届いた。
「ひかりさんの投稿は、いつも僕が食べてみたいなと思う投稿が多くて思い切ってメッセージさせてもらいました。友人にも喜んでもらえました!
いつか僕のおすすめのお店を紹介できたらうれしいです」
こんな社交辞令を真に受けてるみたいで恥ずかしかったけど、思い切って返事をした。
「ぜひお願いします、楽しみにしています」
一人暮らしを始めて3か月ほど経ったころ、友人とランチをしようと東京駅に向かっていた。
電車の中でInstagramを開くと彼の新しい投稿が目に入った。
「羽田に無事到着」というコメントが添えられた飛行機の写真だった。
その後すぐに彼から
「いきなりなのでダメ元なんですが、今日の午後空いてたりしますか?実は2泊3日の予定で一時帰国なんですが、駐在先の女性の先輩から〇〇にあるらしいおいしいカフェを教えてもらったので一緒にお茶でもいかがでしょう?」
カフェの情報が添えられたメッセージが届いた。
ランチのあと、友人は子どもの習い事の付き添いがありすぐに解散予定だった。
「わー、ありがとうございます!14時半ごろなら〇〇に到着できます」
と当たり障りなく返信したが、私の顔は赤かったと思うし、にやにやしていたと思う。
「あの、でも、そういえば私たちってお互いの顔を知りませんよね?(笑)」
「あ、そうでした。僕の中でひかりさんは会ったことのある人のように感じていました(笑)」
お互いの服装の特徴を伝えあってカフェで合流することにした。
これまでの投稿で洋服や持ち物のセンスが合いそうなことはなんとなくわかっていたが、顔は見たことがない。
「見た目が好みじゃなかったらどうしよう」
という一抹の不安を抱えながら、
押し殺しながら、
目をそらしながらカフェへ向かった。
