見出し画像

栗林整備からはじまる秋の楽しみ

秋の味覚といえば栗。

私の栗仕事は、栗林整備からはじまる。

夫の知人が栗林を所有していて、毎年時期になると整備のお手伝いに行く。

栗ひろいではなく『栗林整備』。

猿や猪を呼びよせてしまうので、落ちた栗は拾い、自然に還らないイガを焼く。


結婚した翌年の秋。
夫に連れられて栗林整備に参加した。

生まれてはじめての栗拾い。
火ばさみを右手に、風呂用の片手桶を左手に持って、広い敷地に植えられた栗の木の下を歩き回る。

あった!大きい!
ああ、あっちにも!

下草の上に、コロリコロリと点在するこげ茶色の栗。

あたりを見渡せば、古く大きな栗の木々の下に、たくさんの実が転がっていた。

ひとつひとつ火ばさみで拾っては、片手桶に入れていく。
イガごと落ちていたら、両足で踏み開き、隠れている栗を火ばさみで取り出す。
小さな片手桶は、あっという間に山盛りになった。
それを点々と置かれている収穫カゴに、ざらりとあける。
栗林整備に慣れている男性陣は、栗を拾いつつイガを集め、一輪車に積んで焼却場へ運んでいた。

私はとにかく楽しくて楽しくて、夢中で栗を拾っていた。
傍目にもわかったのだろう。

「もしかして、栗拾いって初めて?」

夫がそう尋ねてきた。

「初めて。だって、うちのあたりに栗の木はないもの」

「なるほど。都会育ちだとそうなるのか」

しみじみと言って私を見た夫は、なぜか楽しそうに笑った。


夕方。
拾った栗を、古タオルで拭きながら選別する。
虫喰いや小さすぎるものは、処分のカゴにまとめて焼却場へ。
それでもいただいて帰る栗は、一家あたり15〜20kg。
おすそ分けしても、かなりの量が手元に残る。

剥く量が多すぎて、栗剥きバサミは数年でダメになった。


最初に作るのは、定番の栗ごはん。
だけどいちばんのお気に入りは、栗カレーだ。
ジャガイモの代わりに栗をどっさり入れる。
お肉はチキン。玉ねぎ人参も入れて、ルーは市販品。特別な秋のカレー。

肉じゃがのように栗と豚肉を煮ても美味しい。なんなら豚の代わりに鶏手羽でも。
甘辛い醤油の味つけに、意外と栗はなじむ。
栗コロッケはごちそう。
普段揚げものをしない私が、いそいそと作る。

つまり、ジャガイモを使う料理なら栗に置き換えられるというわけ。


はじめは渋皮煮や甘露煮、モンブランなど甘いものをたくさん作った。
この数年はもっぱら、どんな料理ができるかを考えて試作するのが楽しい。

栗のポタージュ、グラタン。

さあ、今年はなにを作ろう?



(998字)

#33日ライラン


三條凛花さんの、暮らしのエッセイ企画に今月も参加です。
凛花さん、いつもありがとうございます。
よろしくお願いします。

選果した栗。
これが他にまだ5〜6カゴはある。


プロフィール:
バラと桜と航空機をこよなく愛する、とっておき家事ラボ1期生。


いいなと思ったら応援しよう!