おもいでの朱雀
2015年10月。
とある平日の朝7時。
夫とわたしは小布施町にいた。
えー。もうこんなに並んでるの?
お店の駐車場にずらりと並んだ人々の列に、ふたりして目を丸くする。
この日のお目当ては、
小布施堂の『栗の点心 朱雀』。
一日限定400個。
整理券は8時半から配布。
前週の日曜は、7時半ですでに完売の人数が並んでいたと聞き、平日に休みをとって早起きしてきたというのに、これ⁈
間にあう?
ざっと数えて、先頭から81番目。
不安になりながら後ろを見れば、次々とやってきたひとが並んでいき、またたく間に列は長くなっていた。
8時40分に受け取った整理券は、10時の33番目。
間にあった。
この日も結局、9時には完売したそうで、平日でもやっぱり激戦。
長野県上高井郡小布施町は、栗の名産地だ。
栗を使った和菓子やスイーツ、栗おこわで有名。新栗の時期は、各店舗が限定商品を発売するので、特に賑わう。
小布施堂の『栗の点心 朱雀』もそのひとつ。
蒸した新栗200gを、加糖せずそのまま絞りだした栗点心。中に、ほどよい甘さの栗餡が入っている。
ボリュームがあって、食べごえ満点。
栗100%なので、お箸でとった瞬間、ほろっと崩れる繊細さ。
口の中の水分を持っていかれるほど。
新栗をじゅうぶんに味わったら、スプーンで中の餡と一緒にいただくのがいい。
もちろん栗餡も美味。
当時はほうじ茶とセットで1000円。
いまではもう2000円だ。
『栗の点心朱雀』を和風とするなら、『モンブラン朱雀』は洋風。
こちらは予約不要の通年販売。専用の店舗がある。
とはいえ、数量限定大人気なので、当日食べられるかは運次第。
数年間、和洋の朱雀と、桜井甘精堂 栗の木テラスのモンブランを食べ歩く、贅沢なモンブラン三昧をした。
栗だけでお腹がいっぱいになる、幸せな一日。
帰りには、竹風堂の栗おこわを買って帰った。
けれども、コロナ禍のあと。
『栗の点心朱雀』は、WEBでの事前決済予約制が導入され、早朝から並ぶ必要がなくなった。
ただし、予約開始は8月。
そろそろ栗の時期かと気づいたころには、満席だ。
おかげで、もうずいぶんと『栗の点心 朱雀』には、お目にかかっていない。
肌寒い早朝から並ぶワクワク感や、芸術品のような朱雀の佇まい。そして真似のできない匠の味。
すべてが楽しい秋の思い出のひとつ。
いつかまた、お目にかかれますように。
(966字/ルビを除く)
凛花さんの暮らしのエッセイに今月も参加です。
先月に引き続き、栗の話題にしてみました。
よろしくお願いします。
『栗の点心朱雀』は、じつは当日受付があります。それでもやっぱり狭き門。
配布時間より、かなり早く行って並ぶ必要があるでしょうね。

モンブラン朱雀の中はセミフレッドアイス。
モンブランクリームは、栗の点心とはまた違った味わい。思わず笑み溢れる美味しさ。
『栗の点心朱雀』の販売期間だけ、要予約です。

こちらは小ぶりですが、ぎゅっと栗とクリームの美味しさが詰まってます。紅茶専門店でもあります。ぜひ紅茶と味わってほしいスイーツです。
プロフィール:
バラと桜と航空機をこよなく愛する、とっておき家事ラボ1期生。

