夏の直売所は宝箱
夏の農産物直売所は、宝の山。
「いらっしゃいませ」
自動ドアが開くなり、レジの女性から明るい声がかかる。
広い店内は、新鮮な野菜や果物を買いもとめる客で賑わっていた。
レタス、トマト、ピーマン、赤や黄色のパプリカ。もぎったばかりのとうもろこしに、葉っぱがついた株ごとの枝豆。
旬のスイカは、小玉から大きなものまでよりどりみどり。
所狭しと並ぶ農産物が視界いっぱいに飛び込んできて、自然とテンションがあがった。
足取りも軽く店内を歩きまわれば、平台に山と積まれた朝どり野菜が私を誘う。
どれもみずみずしくピカピカ輝いて、新鮮そのもの。
茄子、ズッキーニ、胡瓜、ミニトマト。
色も形もいろいろで目移りする。
こんなに種類があるんだ。
とうもろこしは黄色に白、両方が混ざったバイカラー、摘果のヤングコーンは掘り出し物。
漬物用の縞瓜、ほんのり甘いマクワウリ。
スーパーでは売っていない、珍しいものがたくさん並んでいた。
信州に引越してきて、夫にはじめて直売所へ連れてきてもらったのも夏だった。
丸くて黄色い野菜は、南瓜じゃなくてズッキーニ。
コリンキーに、そうめんかぼちゃ。
淡いオレンジ色をした、小さな桃みたいな果物はあんず。
すごい。見たことないものがいっぱいある!
これなに?どうやって食べるの⁈
惑う視線の先に、食べ方を記した手作りの掲示物。
ふんふん。なるほど、へー。
料理好きの血が騒いで、次々とカゴに入れた。
それは十数年がすぎた今までも、変わらない。
野菜で重いカゴを手に果物コーナーへ。
様々な品種の桃にプルーン、袋にぎっしりのブルーベリー。
あ、やった!ラッキー!
赤いラズベリーのパックを見つけて、迷いなく手に取る。
出会った時がチャンスなので、値札を確かめたりしない。
収穫量と鮮度の問題なのか、滅多にお目にかからない生のラズベリーは超レアアイテム。
グラニュー糖をまぶして煮ると、びっくりするほど香り高いジャムができる。
これをのせたトーストは最高の贅沢だ。
生のプルーンも、直売所ではじめて出会った。
常温に数日おいて、実が少し柔らかくなったところをかぶりつけば、プツッと破れた皮から果汁が溢れる。
みずみずしくさっぱりとした甘みは、私の知るプルーンとはまったくの別物。
プルーンといえばドライフルーツ。輸入品。
そんな既成概念を打ち破った、紫紺の宝石。
農産物直売所は宝箱。
夏になれば、早々に朝家事を済ませて車を走らせる。
今日はなにがあるかな♪
(996字)
凛花さんの企画に参加です。
いつもありがとうございます。
直売所は田舎暮らしのうるおいです。
夏の野菜はほぼ直売所購入。
行くたびにワクワクする気持ちを詰めこんでみました。
プロフィール:
バラと桜と航空機をこよなく愛する、とっておき家事ラボ1期生。

