大人ふたりのクリスマスは外注で愉しむ
12月は忙しない。
わたしの場合、11月から始まるバラの手入れと庭の片づけが、12月20日頃までかかる。
はー。終わった〜。
ほっとひと息ついたら、もうクリスマスイブが目前。
結婚して最初の数年は、12月はじめにもみの枝や松ぼっくり、姫りんごでリースを作り、玄関に飾っていた。
夕飯はおうちクリスマスディナー。
いそいそとメニューを考え、リビングのディスプレイを考え、プレゼントを用意した。
料理は、生地から手作りのピザを焼いた年もあれば、ローストチキンに挑戦して失敗した年もある。簡単!と銘打たれたレシピで、ベイクドチーズケーキを焼いたこともあった。ぜんぜん簡単じゃなかった。お気に入りのプリン専門店で、プリンロールケーキを予約した年もあった。
クリスマスの準備が楽しかったのは、5年くらいだろうか。
クリスマスが終わったらあっという間に年末。
大掃除もあるし、おせちの支度を含めた帰省も考えなければならない。
いまでこそ元日に出発するが、当初は夫の仕事納めと同時に、わたしの実家へ帰っていた。
一週間ほど家を空けるから、冷蔵庫は空にする。だから、クリスマスディナー用に新しく買った食材を使い切る工夫も必要だった。
やることも考えることも多すぎて、次第にクリスマスの準備が苦痛になった。
12月のはじめに直売所で買った、手つかずのリース資材を横目に見ながら、庭仕事に出る。
早く作らなきゃ。
そう思うのがストレスで、翌年からリース作りをやめた。
ある年、夫が言った。
「仕事帰りに、俺がコンビニでチキン買ってこようか?」
渡りに船とお願いしたら、夫はコンビニ3社のクリスマス限定チキンを、ひと揃い買ってきた。
一食で食べきるには辛い量だったけど、買ってきた夫はとても楽しそうだった。
それをきっかけに、わたしはクリスマスの準備を見直した。
忙しい時期にすべて手作りしようと欲張らない。
手作りのための食材をわざわざ買わない。
一食ふたり分、買って賄えるものは利用する。
一度にすべてを変えるのは無理だから、毎年、少しづつ試しながら変えていった。
チキンは夫に任せる。
ケーキは手頃なものを検索する。スーパーで探す。
サラダは袋入りのリーフサラダを。
スープは臨機応変に。
そう考えることで、クリスマスの準備がまた楽しめるようになった。
一年に一度の、特別な夜。
せっかくのイベントを"とっておき"にできるように。
大人ふたりのクリスマスは、外注で愉しむ。
(1000字)
三條凛花さんの暮らしエッセイに参加します。
プロフィール
ひかり
桜とバラと航空機をこよなく愛する、とっておき家事ラボ1期生。創作大賞2025中間選考通過(フード部門)。

