【チャレがや】ぷうる
拙者の名は一ノ瀬壮馬。
何のお役目も頂いておらぬ、しがない御家人でござる。
その拙者、思いがけず「たいむりーぷ」なるものが出来るようになり申した。
行き先は決まって令和の世。左様、今よりおよそ250年後の時代でござる。
いやはや、これがとんでもない時代でござって、大層面白くもあり、度肝を抜かれることもあり。
そして、「すんっ」となることもたまさかにあり申す。
さて、拙者がたいむりーぷすることを存じておるのは、これなる竹馬の友・井ノ坂源四郎のみ。
今夜も拙者が令和の世で見聞き致したことを肴に、酒を酌み交わしておるというわけにござる。
源:壮馬。また行ってきたのか。
壮:うむ。
源:お主も懲りぬ奴じゃ。
壮:仕方なかろう。気づいたらあちらに行っておるのであるから。
源:で、此度は何処に行ったのじゃ。
壮:ぷうるとか申す、巨大な池じゃ。
源:なに。巨大な池とな。
壮:池だけではない。川のように流れるものと、何やら高い所から一気に滑り降りる珍妙な滝の如きものがあった。
源:???
壮:やはり、言葉で説明するのはちと難しいのう。
壮馬、紙を取り出して、さらさらと絵を描き始める。
壮:こんな感じじゃ。
源:ほおお……。
壮:何でも、ここで老若男女が水浴びをして楽しむらしい。
源:それならば、海なり川なりに出掛ければよいのではないのか。
壮:海や川は自然故危険が伴うが、ぷうるは人の手で作ったもの故安心して遊べるらしい。
源:へえ……。
源四郎、わかったようなわからぬような顔をする。
壮:それで、ここでは男はかいすいぱんつなる下帯で泳ぐ。
源:壮馬。お前もその姿になったのか。
壮:なった。褌で入ろうとしたら止められた故。
源:なんと。
壮:これじゃ。
壮馬、懐から令和の世で購入した海パンを披露する。
源:なにやら珍妙な形じゃのう。
壮:然り。この穴に足を片方ずつ入れて履くのじゃ。
源:文様は皆このように派手なのか?
壮:さにあらず。紺一色でもそっと身体にぴたっとしたものもある。じゃが……。
源:じゃが?
壮:あれはちと、恥ずかしいわい。
源:なにゆえぞ。
壮:察してくれ。
源:……あっ……そういうことか?
壮:そういうことじゃ。
源:もっこr
壮:言うでない。
源:して、女子は襦袢を着て水に浸かるのか?
壮:いや……さにあらず。
源:なんじゃ、急にもじもじしおって。
壮:ちと思い出してしもうた。
源:?
壮:女子は、乳当てと、下はぴたっとした下帯じゃ。
源:!!!!
源四郎、持っていた盃を取り落とした。
源:壮馬。そ、そ、そ、それはまことか?
壮:まことじゃ。
源:ということは、ほぼほぼ裸ではないか!
壮:うむ。拙者は目のやりどころに困ったわ。
源:さもあろうな。しかし、よくよく考えてみれば、こなたも湯殿では男も女も裸であるな。
壮:言われてみれば、まさに。
源:であれば、隠してあるだけマシなのではないか。
壮:それはそうなのじゃが……あのように微妙に隠されていると、却って恥ずかしくなるのやも知れぬ。
源:壮馬。令和の世で学んだのはそれか。
壮:うむ。
源:それで、ぷうるなるところでは、他に何があるのじゃ。
壮:ぷうるさいどでは飲食が出来る。
源:ほう。
壮:何やら果物が沢山刺さった毒々しい色の飲み物を、皆好んで飲んでおった。
源:うわ、気味が悪いのう。
壮:それから、氷を削ったものをうず高く盛り、そこにも毒々しい汁をかけておった。
源:……。
壮:源四郎。如何した?
源:令和の世では、腹を壊しそうじゃと思うてな。
壮:案外、そうでもないがの。
源:!まさかお主、その毒々しいものを飲んだのか!
壮:うむ。折角行ったのだし、こちらでは口に出来ぬ故な。
源:全くお主という奴は……で、味はどうなのじゃ。
壮:何やらしゅわしゅわしておって。
源:むむ。
壮:甘いようなすっきりしたような、不思議な味わいじゃった。
源:して、そのしゅわしゅわとは、どのような?
壮:ううむ。我らの時代にはなきもの故、どれに似ているとは言えぬ。
源:お前はよいのう。羨ましいわ。
壮:しかし、拙者が行きたいと思うて行けるわけでもなし。行き先も決められぬ。案外難儀なものぞ。
源:……左様か。
壮:それでな。
源:うむ。
壮:最後に、滝下りをしたのじゃ。
源:ほう。
壮:そしたらの。
源:――!お主、よもや!
壮:ははは、その、よもやじゃ!
おわり。
どうも!
みくまゆ会かながわ支部メンバーの、ひつぎ ひなたです!
今回も、みくまゆ会様の「チャレがや」に参加させて頂きましたっ!
お題は「プール」でございます。
コッシ―御大の記事のコメントにはユウ×マサトで挑むことを匂わせておりましたが、突然気が変わりましたwww
お楽しみいただけましたら、望外の喜びです✨
