『DESTINY 鎌倉ものがたり』山崎貴監督の作家性が炸裂!(ネタバレなし感想+ネタバレ解説)[過去記事]
※2017年12月にブログに掲載した記事の再掲です。
※基本的に酷評しているため、本作を楽しまれた方は不快に感じられる可能性があります。ご了承ください。
今日の映画感想は『DESTINY 鎌倉ものがたり』です。
個人的お気に入り度:3/10
一言感想:DESTROY
堺雅人と高畑充希が年代不明のファンタジー世界でイチャイチャします。
結論から申し上げます。オススメしません。 山崎貴監督の作家性、というよりも無神経さが炸裂した駄作でした。しかし世間的にはそれなりに好評な作品なので、クリスマスに酷評している自分のほうが間違っている気がするけどまあいいや、いってみよー!
ちなみに、こんなクリスマス映画もおすすめだよ!という記事を書いていました↓
恋人たちのイチャイチャなんていらない!悪意たっぷりなクリスマス映画10選! | シネマズ by 松竹
原作からの再構築は褒めよう!
本作の原作は西岸良平による同名の漫画です。同じ西岸良平原作+山崎貴監督+英語つきタイトルということで、『ALWAYS 三丁目の夕日』に続け!という商魂たくましい感じがバリバリですね(棒読み)。
それはともかく、映画の後に原作(総集編の上下巻)を読んでみたところ、いやはや、感服いたしました。 なにがって、原作からエピソードの選出と再構成、映画オリジナルのクライマックスに繋げるための大筋の物語は存分に工夫されていたからです。
原作既読であると「ここでこの話が出てくるのか!」と驚けますし、短編エピソードの連続に終わらせず、前後を入れ替えることである程度のダイナミズムを作り出すことにも成功しています。
さらに、序盤からわかりやすい伏線をたくさん忍ばせておいて、きっちり回収していくのも好感が持てました。 原作の要素をしっかり拾いつつ、映画にしか無い伏線で驚かせるとは良いではありませんか!いやはや、山崎貴(今回は単独で脚本担当)を皮肉なしでちょっとだけ見直しましたよ!
山崎貴印のVFXはさすが!
妖怪たちのVFXおよび、黄泉の国の造形も素晴らしかったですね。『千と千尋の神隠し』のパクリだなんだと言われていますが俺もそう思うけど山崎監督の「好きなビジュアルや設定を自分の監督作に恥ずかしげもなく取り入れる」作家性は実は嫌いじゃなかったりします。たとえば、山崎貴監督の既存の傑作を模倣した例は以下です。
『ALWAYS 三丁目の夕日』:傑作『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』に触発されたと思われる昭和ノスタルジー満載。
『リターナー』:ターミネーター、マトリックス、E.T.、ブレードランナーっぽさが多々。
『STAND BY ME ドラえもん』:ピクサーっぽさ多々。
『BALLAD 名もなき恋のうた』:ていうか傑作『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』を原案とした実写作品。
まあいいではないですか、おかげで見た目だけでも十分楽しめるんだから。
安藤サクラの死神が最高!
本作でさらに素ん晴らしいと思えたのは、安藤サクラ演じる死神のキャラですね。 原作では見た目普通の死神であったのですが、女性のキャラに変えて「〜っすよ」な話し方をする仕事人にしたことで愛らしさが倍増! こんな漫画チックなキャラを見事に演じられる安藤サクラはさすがと言うしかありません。
そういえば國村隼がチョイ役で出演しているんだけど、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』といい『鋼の錬金術師』といい、出てきた瞬間の國村隼力がものすごいですね。さすがの存在感です。
ディスりポイントを総まとめだ!
えーと、すみません、良いところは以上。ここからは全開でディスります。
まずね、主演の堺雅人と高畑充希も含め、山崎監督ならではのわざとらしい演技がしんどいんです。 妖怪も出てくるファンタジーな世界なので多少は受け入れるかな、と思っていたらそんなことはなかったですね。 驚いた時も「(変顔で)きゃあああーーー」「(変顔で)いぇええ”ええ”ーーー」な感じのリアクションで、なんかもううんざりしました。 この夫婦のラブラブっぷりは普通はほっこりしながら観るべきところだとは思うんですけど、個人的には死んだ目になるだけでした。
劇中の年代設定がさっぱりわからないのもしんどかったですね。 黒電話があるのに100円ショップがあったりして、適当に世界観を作っているとしか思えませんでした。 (フォローしておくと、原作では連載時期に合わせて1980年〜1990年代の文化が登場しており、ちゃんと100円ショップについても言及されていました)
全体的にこのファンタジー世界を信じられないというのは致命的なのではないでしょうか。 そういえば、ただの遊園地をゼズニーランドと言い張っていたな。そこは遊園地にしたらいいじゃん。
伏線回収をしているつもりでも、脚本が雑すぎてツッコミどころが多すぎるのも致命的。 原作から要素が統合されたキャラがいるのですが、おかげで「なんでこの人がそんなことになるの?」な練り込み不足も散見されました。
あとね、死んだ人について「生きている人間とほとんどおんなじじゃん!な〜んだ」な感じな軽い扱いだったのもひどく気に入りません。おかげで「黄泉の国に行く」という終盤の展開も切実さがなくなっています。 (原作では死が重いものと描かれたエピソードがしっかりありました)
日本の死生観については、『KUBO クボ 二本の弦の秘密』のほうが500億倍敬意を払っているよ! あとは山崎貴監督印の「泣かせ」演出が間延びしてしんどいとか、やっぱり音楽が大仰だとかもありますが、それらはいつもに比べればマシでした。マシというレベルではあるけど。
うん、まあ、本作を気に入らなかったのは心の狭い自分が悪いんであって、これらのディスりポイントが気にならないという方であれば好きになれるんじゃないでしょうか。 ビジュアルと豪華キャストの共演だけでも、そこそこ満足できるんじゃないでしょうか……改めてオススメはしませんけどね。
以下は結末を含めてネタバレです。今回は原作と比較しつつツッコミを入れています。この映画が好きな人にはごめんなさい。↓
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