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60万円の築古長屋を買った理由― 利回りより「好き」で始めた小さな不動産投資 ―

不動産投資というと、
「利回り」「融資」「出口」ばかりが語られますが、
私の原点は、もっと感覚的なものでした。
*暮らしから資産をつくるシリーズ第15回・無料


もともと私は、
新しい物件よりも、古い物件を安く買う方が好きです。

ピカピカの新築より、
「この建物、まだ何かできそうだな」と
想像が膨らむ物件に、つい惹かれてしまいます。


平地の安い戸建を探していたはずが…

2019年頃、
とあるエリア(※場所はぼかします)で
平地の安い戸建を買って、倉庫として貸せないか
と物件探しをしていました。

そんな時に出てきたのが、

・価格:90万円
・長屋の一角
・再建築不可
・借地
・車は入れない
・最寄駅から徒歩25分
・汲み取りトイレ

正直、条件はかなり悪いです。


それでも内見に行った理由

それでも気になったのは、
駅から平坦な道で、
私の好きな海が近いこと。

海沿いの遊歩道まで徒歩5分ほど。

内見に行くと、
そこだけ時間が止まったような
大正時代のバラック街の雰囲気でした。

すぐ横には、
歴史的な史跡(※名称はぼかします)もあり、
「この場所、なんだか好きだな」と感じました。

建築年は 大正5年

他の投資家さんに見せたら
たぶん引かれると思います。

でも、私は
「これはアリかもしれない」
と思ってしまいました。


雨漏り跡と、60万円の指値

室内には雨漏り跡があり、
下にはタライが置かれていました。

売主さんは
「今は雨漏りしていない」
「タライはプレゼントです」と言っていましたが、
さすがにそのままは怖い。

結果、
60万円まで下げてもらい購入しました。


倉庫として貸す予定が、方向転換

購入後に考えたのは、
43㎡ある室内を2つに割って倉庫貸しする案。

相場は1室2万円ほど。
2つで4万円の家賃収入が得られます。

倉庫として借りてもらいたかった理由は、
荷物をたくさん置いてもらえれば、
頻繁に引っ越すことがなく、
長く使ってもらえるだろう
と思ったからです。

家として貸すよりも、
「物を置く場所」の方が
入居者さんの入れ替わりが少ない。

この物件は
高い家賃を取るよりも、
長く使ってもらう方が合っている
そんな直感がありました。

ただ、
賃貸付けを想定すると
「倉庫でもトイレは必要」
と言われ、
リフォーム代が思った以上にかかりそうでした。

それならいっそ、
現状のまま貸してみようと方向転換。

・汲み取り式トイレのままなら 23,000円
・水洗に変えたら 26,000円

この条件で募集を出しました。


すぐに決まらなかったけれど

2019年12月に購入。

2020年は
「どう活かそうか」と考えているうちに過ぎ、
本格的に募集を始めたのは2021年。

そして
2022年1月から入居スタート

家賃は 23,000円

結果として
利回りは約46%になりました。
(タイトルで利回りより好きで購入したと書いていましたが結局高利回りになりました。)


今も借り続けてくれている理由

入居者さんは、
この物件をアトリエとして利用してくれています。

内装も
ご自身で手を入れて、
とても大切に使ってくれています。

そしてありがたいことに、
2026年の今も借り続けてくれている

高い家賃ではありませんが、
「長く、穏やかに続く収入」は
精神的にもとても安定します。


この物件で学んだこと

この60万円の長屋は、
大きく儲かった物件ではありません。

でも、

・少額でも始められる
・数字だけでなく「好き」も大事
・無理なリフォームをしなくても成立する
・人との相性で物件は育つ

そんなことを教えてくれた
忘れられない一戸です。


次回予告

次回は、
この物件とは真逆の話を書こうと思います。

「正直、甘かった」
リフォームに約1,000万円かかった
“廃墟戸建”の話。

安く買ったつもりが、
どんどんお金が出ていき、
精神的にもかなり追い込まれた経験です。

うまくいった話だけでなく、
失敗も含めて書くことで、
これから不動産に関わる方の
参考になればと思っています。

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