見出し画像

夫を亡くし、ひとりでいるのがつらかった  ー黄色のビオラー

パパが亡くなってしばらくは、
子どもたちも学校に行けなかったり、
早退したりしていた。

今は学校へ行けるようになり、昼間は私ひとりになった。



時間の過ごし方がわからない。
パパを発見した家で一人でいるのが、
とても怖い。
家族も親戚も友人も、いつまでも私に付きっきりではいられない。


寒い季節だったけれど、窓と玄関を全部開けて、ラグの上に寝転がった。

外の景色を眺めても……つらい。



難しいだろうなと思いながら、従兄弟のお嫁さんに電話した。
家が近所で、子どもは小学生。
確か仕事はしていなかったはず。


「もし大丈夫だったら、来てもらえないかな」
「ええよ」

いいんだ……。
身体の力が少しだけ緩んだ。



それからお嫁さんは、ほぼ毎日、
数カ月に渡って来てくれた。

「自分ものんびりしてるだけだよ」と、自然体で傍にいてくれた。

最初のうちはラグに寝転がったまま。
少しずつ、体を起こして話をするようになった。



ある日、お嫁さんが言った。
「お花いる?」

我が家の庭は、共働きで手入れができないため、木と芝生だけのシンプルなものだった。
お世話も分からないし、色が増えるのも落ち着かないと思っていたけど、お花もいいのかもしれない。

次の日、プランターに入った黄色のビオラを持ってきてくれた。
こんなにまじまじと見たのは初めてだった。
というか、ビオラの存在を今まで知らなかった。

「しおれた花がらを毎日取ったらいいよ」
そう言いながら、やって見せてくれた。

花がら……土や植物に触れる生活をしてこなかったから、触ることに抵抗があった。
お嫁さんは、気づいた時に花がらを取ってくれた。


2人で話している時も、1人でいる時も、
窓から黄色い花が見える。

とてもきれいだと思った。



水をあげるようになった。
お花が生き生きして見えた。
花を撫でて、匂いを嗅いでみた。
しおれた花がらを取るのが日課になった。

どれも私にとっては初めてで、新鮮で。

「お世話ができる自分」でいられることが、うれしかった。





最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
ここに書いているのは特別な話ではなく、私の日常です。
同じような気持ちを抱えている方にも、そうでない方にも、何かが届けばうれしいです。

🌿 時期ごとに、まとめています。
いつでもいらしてくださいね。



いいなと思ったら応援しよう!

ひの いつも見にきてくださり、ほんとうにありがとうございます。 もし「ひの、今日も元気でいてね」くらいの気持ちで、そっとチップを置いてもらえたら…すごく励みになります。 無理のない範囲で、大丈夫なときだけで十分です🌿