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そばにいないのに、いるみたい|自死遺族|

受け止めきれない現実。流すことも、かわすこともできない。
でも、現実は目の前にある。こんなことが起きるんだな、と。

しんどすぎて押しつぶされ、恐怖に混乱していた数ヶ月だった。


歯医者で目を閉じていたら、パパが坂の下から笑顔で芝すべりのソリを持って上がってくる姿が、はっきり見えた。
パパに抱きつき、胸の感触まで思い出して、涙がこぼれそうになった。

でも、歯医者で涙は流せないと思い、心の中で「パパ、今は帰って」と伝えると、「はいはい」と、視界の右へスッと去っていった。


家にいると、階段をのぼったりおりたりする足音、玄関がカチャッと開く音、体組成計の電源がピッと勝手につく音――

ふしぎ、ふしぎ。

雷と大雨の夜、「パパ怖いよー」と思っていたら、少し弱まった。


二人で一緒に使っていた歯磨き粉が、もうすぐ無くなる。
スマホに入っているパパの写真を見ていたら、体温、じょりじょりの髭剃りあと、首のあたりの匂いまで思い出した。

パパが亡くなったあの日のことは、いまもリアルな夢みたいに脳に残っている。

パパだけが違う次元に閉じ込められたようで、もう交わることはない場所にいる。
それでも、そばにいるような気もする。
いまだに、パパがいない現実に理解が追いつかない。

あらためて、パパに恋をするような気持ちになる。


子供が髪をバッサリ切って、「パパが好きな髪型になった♡」と言った。
ドライヤーしていたら、その手触りが、パパの髪みたいに柔らかかった。





最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
ここに書いているのは特別な話ではなく、私の日常です。

同じような気持ちを抱えている方にも、そうでない方にも、何かが届けばうれしいです。

🌿 時期ごとに、まとめています。
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