見出し画像

ウイグル再教育収容所の実態

7月の参院選に出馬予定の平野雨龍さんの街頭演説では、中国の少数民族であるチベット人、ウイグル人の話が度々登場します。

ウイグル・チベット問題はなんとなく知っている程度だったので、今回「ウイグル大虐殺からの生還・再教育収容所地獄の2年間」グルバハール・ハイティワジ著を読んでみました。


200万人以上の少数民族が拘束

在日米国大使館によると、2017年4月以降で少なくとも80万人、実際は200万人以上と言われるウイグル族や他のイスラム系少数民族が拘束されているそうです。

中国では、おそらく何百万人ものイスラム系少数民族が、モスクに行く、海外旅行に行くなど、世界中の人にとって当たり前の日常生活を送るだけで、強制収容所へと送られています。
新疆ウイグル自治区にある強制収容所には、2017年4月以降で少なくとも80万人、実際は200万人以上と言われるウイグル族や他のイスラム系少数民族が拘束されています。彼らは信仰や伝統を放棄するよう迫られ、虐待や拷問を受けたと訴えています。
中国当局は、強制収容所はテロリストを拘束するためのものと主張しています。

在日米国大使館と領事館
「中国で強制収容所送りになる10のこと」

中国当局は「強制収容所はテロリストを拘束するためのもの」と主張していますが、「強制収容所送りになる10のこと」の中に「母国語を話す」があります。要はアイデンティティや民族の文化を大切にすると収容所に送られてしまうのが実態のようです。

中国で強制収容所送りになる10のこと

1.髭を生やしたりビシャブを着用
2.母国語を話す
3.喫煙や飲酒
4.アラビア文字のシャツを着る
5.WhatAppの使用
6.役人について議論したり不満を言ったりする
7.海外旅行
8.伝統的な葬儀を行う
9.イスラム教的な食事のとり方をすること
10.モスクに行くことや礼拝

同上

ウイグル生まれの著者が収容されるまで

初めに、著者グルバハール・ハイティワジさんのプロフィールです。

1966年、中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区生まれ。ウルムチ石油大学在学中に知り合った男性と結婚。単身でフランスに政治亡命した夫のあとを追う形で、2006年に娘ふたりとともにパリに移り住む。2016年に帰国を促す電話により、ウイグルに帰国した際、取り調べを受け留置場、そして再教育収容所に送られる。グルバハールの長女が母親を解放するためにフランス外務省やメディアに働きかけで、噓の自白と陳述を強要されながらも2019年に解放された。

ウイグル大虐殺からの生還 再教育収容所地獄の2年間
巻末を参考・加筆

2019年に解放されるまでの約2年間、著者は留置場、一つ目の収容所、二つ目の収容所、そして再び留置場へと移されます。
その間に弁護士のいない裁判にかけられて再教育収容所に7年間入所するという判決を受けましたが、フランス在住の長女の働きかけで解放されることができました。

そこには正義など存在しない。私たちの行動が裁かれるのではなく、私たちがウイグル人であるがゆえに有罪宣告が言いわたされる

第15章・P151より

30年前からあった差別

中国にウイグル人の再教育収容所が開設されたのは2017年。
ウイグル自治区が激しい弾圧を受けるようになったのは2009年のウルムチで起こった暴動で漢人とウイグル人の双方から何百人もの死者が出たことが大きな要因とされています。
しかし差別という意味ではもっと前、著者が大学を卒業した30年ほど前からあったようです。

著者が大学を卒業し、ウルムチで仕事を探していた1980年代のこと。

1988年のことだ。新聞の求人欄を丹念に調べていると、小さい文字で「ウイグル人不可」と書いてあるものがかなりある

第1章、P27より

著者はカラマイに移り、夫とともに仕事に就くことができたものの、しばらくするとウイグル人の社員全員がカラマイ郊外に配属を変えられてしまいます。
後任のポジションに就くことになったのは漢人の男性社員。著者の夫・ケリムは管理職のポストを志願しますが、技能と経験を持っていたにも関わらず選ばれたのは技術者の資格すらない漢人の社員だったといいます。

フランスに政治亡命


そんな中、2002年に著者の夫はフランスに渡ります。
2006年5月、著者も2人の娘とフランスに渡る決意をしました。
娘たちは父親と同じく亡命者の身分を得ますが、著者は新疆に戻る可能性を鑑み、会社は更新のできる無給休暇を申し出ます。その時の心情を、次のように語っています。

中国の身分証を手放したら、新疆に戻ることができなくなる。私たちが置き去りにした、両親やきょうだいや彼らの子どもたちにどんなふうにさよならを言えばいいのだろう。中国の国籍を捨てることは母親を捨てることだった

第2章、P37より

10年後の連絡


時は流れて10年後。2016年11月、フランスにいる著者のもとに石油会社の社員と名乗る男から一本の電話が入ります。

用件は「カラマイに来て、早期退職の書類にサインをしていただきたい」というもの。
著者は「カラマイ在住の友人に代理手続きを」と申し出たものの受け入れてもらえず、不安を感じながらも約2週間の日程で故郷に向かうことを決意します。

著者の不安は的中してしまいます。会社の事務室で手続きをしていると、3人の警察官が現れ警察署に連行。
娘の写真(在仏ウイグル人たちとパリで行ったデモに加わっていたもの)を根拠に取り調べを受け、パスポートも没収され、カラマイの留置場へ送られました。
この時すでに、自宅に戻っているはずの日から50日が経っていたそうです。

収容所で行われたこと

留置場の規則と再教育カリキュラム

ウイグル語を話してはならない
祈ってはならない
けんかをしてはならない
ハンガーストライキをしてはならない
病人が医師の治療を受ける必要があるときは、治療から逃げてはならない
命令に背いてはならない
壁に絵を描いてはならない
衛生管理の規則に背いてはならない

第4章、P59
留置場202号室の規則より

収容所では、一日11時間、中国を称賛するプロパガンダを繰り返し叩き込まれ、収容者はテロリストであり偉大な祖国を裏切った罪人であるとを洗脳されます。
中国共産党の提唱する「再教育カリキュラム」を暗誦させられ、最初のころは抵抗する気持ちがあるものの、理不尽な馬頭や暴力の前に思い出や思想は遠ざかり、批判精神はぼろぼろにされてしまうと記されていました。

強制的に打たれた不妊ワクチン

著者は「免疫力が落ちているから」という理由で強制的にワクチンを打たれます。女性たちは接種後に月経が止まり、のちに不妊のためのワクチンであることが判明しています。

私は毒を注射されるのではないかと思った。実際にされたのは不妊処置だった。
私は収容所のやりかた、つまり冷酷に殺すのではなく、ゆっくりと絶滅させるために仕組まれたシステムがいかに洗練されているかを理解した。
それはあまりにもゆっくりなので、誰にも気づかれないのだ

第20章・P197

2021年にアメリカのマイク・ポンペオ国務長官が男性・女性ともに不妊手術が行われていることについて「ジェノサイド」と批判。
男性には輸精管を縛る手術が、女性には卵管を縛る手術や子宮内避妊器具を装着する手術が行われているということです。

収容所で再開した2人の知人

中学校教師・アルミラの話

警官は、彼女がウイグル語での教育を優先し、規則となっている中国語での教育を行わなかったと言って非難した。警官たちはアルミラを取り囲んでどなりながら、彼女を殴りはじめた。殴られるときはつねに医師が立ち会い、彼女が気を失うと警官たちは殴打をやめ、医師が介入して手当する。そしてまた殴りはじめる

第17章・P168

新疆時代のママ友・ザヒーダの話

ある朝ザヒーダは、取調室で自分の無実を訴えていたとき、叫び声を聞いた。すぐ隣の部屋で、誰かが拷問されているのだ。彼女は、苦しみうめく声の主が誰か気づいた。拷問を受けているのは息子なのだ。ふるえが止まらないまま、ザヒーダは指示にしたがった

第17章・P170

著者は平手打ちや足を鎖で繋がれたりしたことはあったようですが、アルミラさんのように集団で暴行を受けたという記述はありませんでした。
著者は幸運な方で、極めて稀な例と言えるのかもしれません。

フランス外務省の人権大使

2017年冬、転機となる出来事が起きます。
著者の長女がフランスで情報収集を続ける中、知り合いからフランス外務省の人権大使を紹介されます。
娘のSNSでの発信やメディア出演、フランス外務省の外交などが実り、著者は1年以上かかりながらも2019年に解放されることができたのでした。

監視下に置かれるウイグル人

警察から「お茶を飲みにくるように」とは?

地元の警察署からお茶を飲みにくるよう指示されるのはいつものことだった。そんなときはその日何をしたかを警官に話し、友人知人の名前を教え、自分の仕事について語った。そんな犠牲を払ってやっと平穏に暮らせるのだ

第1章、P29より

中国で、警官から「お茶を飲みにいらっしゃい」と言われることはイコール「取り調べがあるから出頭しろ」ということだそうです。

奨学金でスパイ行為

中国当局にとって、亡命を行った者は許されない裏切り者。欧米諸国のために働くスパイとみなされ、在仏ウイグル人に対して次のような要求を行っているそうです。

・フランスウイグル協会のイベントに参加し、内容の報告
・ウイグル人コミュニティの活動家に近づくよう命令
→学生が拒否すると、故郷で監視下に置かれている家族から従うよう懇願の連絡が来る
それでも従わなければパスポートの更新を拒否され、不法滞在へと追い込み帰国させようとする

第16章より

新疆の家族が監視下に置いて人質に取り、外国にいるウイグル人を従わせてスパイ行為が行わせているのですね。
ということは、トランプ大統領が追放したハーバード大学の留学生を受け入れるのは論外ではないでしょうか…

いまや東京大学の12.5%、7人に1人が中国人で、日本政府は補助金まで出しています。

在仏中国大使館は「外国にいる少数民族を重視する」という名目で奨学金を出している。経済的に不安定な状態にある学生たちのうち、とくに従順な学生が、見返りとして中国のためにスパイ行為をしてしまうのだ

第16章・P160より

恐怖の「ひとつの家族になろう」キャンペーン

共産党公務員がウイグル人の家庭に押しかけ、一週間にわたって彼らと寝食をともにする。ウイグル人は、自分の私生活を語り、政治信条を説明するように強制され、習近平の思想を露骨な形で集中的にたたき込まれる

第12章・P122より

これ、恐怖しかありません…

国際社会で存在感を強める中国

中国は今や、名目GDPでアメリカに次ぐ世界第2位の経済大国。
その豊富な資金力で、国際社会で影響力を強めています。

中国は、国連のさまざまな組織に食いこみつつある。新たな国際的ルールを少しずつ設定していくという目的に到達すべく、ロビー活動と脅迫を使いこなしている。その新たなルールでは、各国の経済および社会的発展のためなら、人権優先という考えは隅に追いやられてしまう。中国は国連のいろいろな領域に資金を投入していることもあり、その発言力の重さは国連安保理の常任理事国として持つ拒否権の影響力をはるかにしのいでいる

第12章・P125より

中国は2020年4月に国連人権理事会の人権調査官を選ぶ諮問グループの地域代表に、10月には人権理事会の理事国に三年の任期で選ばれています。

おわりに

中国の狙いは、ウイグルの過激な少数派を罰することだけでなく、外国へ亡命した者も含めて、ウイグル人すべてを消滅させることにある

「はじめに」より

中国の外務省から流失したとされる「2050年の極東地図」を見たことがあるでしょうか。

1995年、中国の李鵬首相は「日本は30年後に消えてなくなる」と発言したそうです。

30年後がまさに今年、2025年。

自民党、公明党がこのまま中国人を受け入れ続ければ、日本は中国の自治区になってしまうかもしれません。 

ここから状況を変えるために、7月20日は選挙に行きましょう!

7月の参院選では、自民党・公明党の媚中議員、まるごとハニトラにかかってる日本維新の会をとにかく落とす。

できれば、増税路線の立憲民主党と憲法改正に加担する国民民主党も落選させたいところです。



いいなと思ったら応援しよう!