「ネタニヤフ調書」。 収監されることを逃れるために戦争を続けている、という話は聞いていたけど、ここまで証拠が集められているとは…。 これは必見ですよ、マジで。
「ネタニヤフ調書」
アレクシス・ブルーム監督
アレックス・ギブニー製作総指揮
シアター・イメージ・フォーラムにて観ました。
衝撃の内容です。
2016年に始まっていた、イスラエルの
ベンヤミン・ネタニヤフ首相の汚職についての刑事捜査。
2019年には起訴されます。
その取り調べの映像が漏洩。
記録映像の量は、もの凄かったらしいです。
ギブニーに、
「興味ありますか?」
と、聞いてきたという情報協力者。
「なぜ、私に?」
と、尋ねると、
「アナタなら、この素材を活かす度胸と能力があると思った」
とのこと。
そんなきっかけで制作が始まったといいます。
ギブニーは「エンロン」という、
大企業を告発するドキュメンタリーを監督したらしい。
未見です。観てみたいものですが。
しかし、まぁ。
ネタニヤフ、嘘だらけ。

自分や妻サラに、様々な物品を贈れと要求する。
贈収賄だ。
(酒だ、葉巻だ、宝石だ、と最初はそんな感じ)
とか、
通信大手の会社のニュースサイトに関与し、
報道内容を、ネタニヤフ家に有利なものばかりにした。
とか、
それらが事件になり、取り調べを受け、起訴されると、
こいつは監獄に収監されるのを逃れるために、
ずっとパレスチナとの「戦争」状態を維持している。
とか、
実は、カタールを通じて、ハマスを支援していた。
(アメリカのアルカイダ支援を思い出す…)
とか、
最高裁判所が邪魔なので、
法律を変えて、弱体化しようとした。
(ここで流石に国民の大規模な反対デモに発展)
とか、
なんだか小さなところから始まって、
凄い事実が、どんどん明かされます。
長年の側近を含め、数多くの人々も証言しているンだから、
流石に真実でしょう。
でも、ネタニヤフは、連発します。
「それは嘘だ! デタラメだ!! 覚えてない!!!」
なんで、これが支持されているのか。
まぁ、国内の世論は二分されているらしいですが…。
起訴されているのに、首相を続けているのは彼が初めてだとか。
こんなヤツの保身のために、
ガザであんなに何万人も死んでいるかと思うと…。
そして、イスラエルでは単独政権は難しい状況らしい。
連立政権で権力を維持するために、
ネタニヤフは極右と手を組んだ。
パレスチナ殲滅を公言するような人物たちと…。
自民党が、極右に擦り寄るのと、すごく似てる。
アメリカのトランプのやり方にも似てるし。
全然、知らなかったので、ビックリですよ!!
ネタニヤフより極右の勢力がいるとは…。
で、妻のサラってのと
息子のヤイルってのが、また悪くて…。
これにもビックリ!!
ギブニーは、
「あれはレディ・マクベスだね」
なんて、言ったりします。
ネタニヤフを操っているのはサラだ、
なんて話も。
ネタニヤフよりも極右の、
スモトリッチとベングヴィルに操られている説も。
ああやって強面だけど、
実は、操られ人生??
そんなネタニヤフ。
調査を受けている時は、
強気な面を演出したりもするけど、
そこは映像は雄弁で、
弱気になってる表情も垣間見える。
それを確認するだけでも、
この映画を観る価値があると思います。
で、
この映画には、
イスラエル人のジャーナリストや
キブツ(イスラエルの農業を基盤とした共同体)にいて、
ハマスに仲間を殺された女性の証言が記録されています。
皆、ネタニヤフを批判するイスラエルの人々。
イスラエルで生活しながらの証言、
色々とタイヘンだろうと思いますが、
その勇気には感服します。
また、
頑張って、現役の首相の罪を追求する、
イスラエルの警察も凄い!!
ネタニヤフ息子に、無茶苦茶、罵倒されるケド…。
彼らは負けない。
日本も見習って欲しいですよ。
忖度ばっかり、しちゃってさー、我が国は。
そのあたりも、是非、見届けていただきたいです。
パンフレットも買いました。
700円。
なかなか充実した内容です。

ビビってのがベンヤミンの愛称。
ギブニーと町山智浩の対談も興味深かった。
ギブニーの言葉で印象的だったのが、これ。
「つまりこの映画が描いたのは権威主義者のマニュアルなんだ。政治的野望のためにいかにしてメディアを自分の思い通りに操るのか? いかにして裁判所を弱体化して法の支配を破壊するか? そしていかにして暴力を使うか? いかにして反対勢力を黙らせるか? これら全てが実にトランプ的だ。単にトランプ流というだけでなく、これが21世紀の権威主義者たちの戦略の手引きだと言える。」
日本も、その流れの中。ですかね…。
嫌だなぁ。
そんなアレックス・ギブニーの次回作は、
イーロン・マスクに焦点を当てたものだとか。
配給も、ユニバーサルに決まったらしいです。
なんだか、楽しみだなぁ、これも!!
「ネタニヤフ調書」。
イスラエルでもアメリカでも観られないらしい。
(アメリカではネットで観る方法があるとか)
堂々と観られる時代になって欲しいです。
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