庭。遠くばかり見ていた私にも、季節は静かに巡っていました。
遠くばかり見ていました。
誰かの庭には花が咲き、
誰かの庭には人が集まり、
その景色が眩しく見えました。
振り返ると、
私はいつも、
自分の庭よりも、
誰かの庭を見ていました。
もっと花が咲けば。
もっと誰かに見つけてもらえたら。
そんなことばかり願っていました。
でも、
庭は急ぎません。
雨の日も。
風の日も。
何も変わらないように見える日も。
土は静かに季節を受け入れています。
ある日、
しゃがんで足元を見ると、
名前も知らない草が、そこにありました。
朝の光が差し込み、
ずっとそこにあった景色です。
見えていなかったのは、
景色ではなく、
私の心でした。
遠くの庭を眺めているあいだも、
私の庭には、
ちゃんと季節が巡っていました。
これからも、
ここを大切に育てていきたい。
誰かの庭になるためではなく、
帰ってこられる場所として。
今日も、
庭は静かに待っていてくれます。🌙
