いつから大人?
結婚、出産、マイホーム購入……。
世間一般で「人生のビッグイベント」と呼ばれるチェックリストを何ひとつ埋めていない私です。
ふと周りを見渡せば、同世代の知人たちの中には、お孫さんに癒されている方々もちらほら増えてきました。
それに引き換え、独身で子育ての経験もない私はどうでしょう。
大きな人生のイベントを通り抜ける機会がないまま、気づけば年齢だけが積み重なり、中身が追いついていないのに大人(いえ…それ以上かもしれません)と呼ばれる年齢になってしまいました。
内面は学生時代から変わっていないまま、なのに。
「大人の自覚」というものは未だにどこを探しても見当たらないのです。
そもそも、「大人になる」とは一体どういう感覚なのでしょう。
若い頃は、30代、あるいは40代になれば、自動的に精神的なバージョンアップが図られるように思っていました。世の中のいろいろな問題、政治や資産運用のこと、人付き合いのあれこれなど、深い見識があって当たり前、なんて思っていました。
ですが、いざ自分がここまで来てしまうと、驚くほど中身は変わっていないのです。毎日仕事に出向き、帰ったら家事をし、少し寛いで明日のために休むという日常のなかでは、劇的な成長を実感するタイミングなど訪れないのです。
けれど、最近になって少しずつ違う見方をするようになりました。
例えば、自分の機嫌を自分で取れるようになったとき。
他人の失敗に対して「まあ、そういうこともあるよね」と大らかに思えたとき。
あるいは、自分の限界を知り、無理をせずに「ま、いっか」と思えるようになったとき。
このように、少し自分を俯瞰で見ることができるようになったこと。
ちょっと大人らしい視点ができたような。
「親」や「既婚者」という肩書は与えられなかったのですが、日々のささやかな選択のなかで、知らず知らず自分だけの「大人」を組み立てているのかもしれません。
「大人としての完成形」が何なのかはその人次第。
大人の自覚はあまりないまま、少し頼りなかったとしても、とりあえず今日を生きていること。
その曖昧さこそが、私という大人の、いちばん自分らしいスタイルなのかもしれません。
