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AI社員「セキュリティ担当」を配属させた話|第3話「セキュリティ担当」は今こう働いている、そしてこれから

構想から三週間ほど。設計を固め、足元を整えて、私のAIセキュリティ担当は、ついに毎朝ひとりで見張りに立つようになりました。最終話は、その担当が今どう働いているか、そしてこれからどうしていくつもりか、という話です。

毎朝、私が起きる前に点検は終わっています

担当は、毎朝六時すぎに動きます。私が起きてくる前に、その日の点検を済ませておくためです。

やっていることを、働き方の言葉に置き換えるとこうなります。夜のあいだに届いた各種のお知らせに目を通し、気になるものがないかを仕分けする。守るべきものに新しい注意情報が出ていないかを照合する。自分の管理まわりに、見慣れない動きがないかをぐるっと見て回る。そして、その結果を一枚の日報にまとめて残し、私にひと言だけ報告する——「今日は特に異常ありませんでした」と。

何もない日も、必ずこの一言が来る。前回書いた「沈黙を安心に変える」設計が、そのまま日々動いている形です。

初仕事は、ちょうどいい塩梅でした

働き始めた初日のことが、私はけっこう気に入っています。

その日、担当が「一件だけ確認したいことがあります」と上げてきました。「あなたのアカウントに、新しい端末からログインがありました。これはご本人ですか?」という確認でした。

答えは——私本人でした。自分の別の端末(iPad)からログインしただけ。つまり、何事もなかったわけです。

でも私は、これで良かったと思っています。危険はゼロ。かといって完全に無言でもない。「念のため、これだけ確認させてください」と一件だけ上げてくる。番犬でいえば、不審者に噛みつくでもなく、かといって寝ているのでもなく、一応「ワン」と教えてくれた感じです。任せた初日にこの塩梅を見せてくれて、「ああ、ちゃんと働くな」と安心できました。

控えを増やし、スマホからも見られるように

働き方は、そこから少しずつ広がっています。

日報は手元に残るだけでなく、クラウドにも控えを取るようにしました。手元の記録は自分のパソコンの中にしかないので、万が一に備えて、別の場所にもコピーが残る形にしたわけです。さらに、その日報をスマホからサッと一覧できる画面も用意しました。外出先でも「今日も異常なしだな」と指先で確認できる。守りの記録が、ちゃんと自分の生活の動線に乗ってきた感覚があります。

これから——「見張り」から「見回り」へ

今の担当は、とても優秀ですが、一つ性格があります。基本的に「向こうから届いたお知らせ」を読むのが仕事、という受け身の見張りなんです。

でも本当は、お知らせが来ない種類の異変もあります。設定がいつのまにか変わっていた、見慣れない連携がひとつ増えていた——そういう「静かな変化」は、待っているだけでは気づけません。

そこで次の段階として、担当に「現場を自分から見回りに行ける手足」を持たせようと考えています。今の担当が本部で指揮を執る"本部長(Claude Cowork)"だとすれば、現場に出張して直接見て回る"作業員(Claude Code)"を、もう一人そばに置くイメージです。受け身の「見張り」から、能動的な「見回り」へ。ここはこれから、じっくり作っていくところです。

おわりに

長々と書いてきましたが、私がいちばん伝えたかったのは、たぶんこういうことです。

私は今も、セキュリティが得意ではありません。覚えも悪いし、興味もそんなに向きません。それは、この三週間で一ミリも変わっていない。

でも、変わったことが一つあります。「意識が弱いこと」が「守れていないこと」に、もう直結しなくなった。苦手なままでいい。それでも、危ないことがあれば向こうから声がかかる。だから私は、安心して本業のものづくりに戻れる。

苦手なものを、無理に好きになろうとしなくてもいい。得意な誰か——それが今回はAI社員(セキュリティ担当)でしたが——にきちんと預けられる形さえ作れれば、預かったものへの責任は、ちゃんと果たせる。

そんな当たり前のことを、AIと組みながら、あらためて実感した三週間でした。

(了)


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