『妊活中、私は「母になりたい」のか、「愛されたい」のか分からなくなった。』——子宝鑑定師・月村あかりが見つめた、“赤ちゃんが来ない時間”に起きていたこと
妊活を始めた頃、私は思っていました。
赤ちゃんが来たら、
夫婦はもっと幸せになるのだと。
小さな服を見て笑って、
名前を考えて、
「どっちに似るかな」なんて話しながら、
少しずつ家族になっていくのだと。
でも実際の妊活は、
“幸せを増やす時間”
というより、
“見ないふりをしていた感情が全部出てくる時間”
でした。
排卵日が近づくと、
夫婦の空気が変わる。
「今日、大丈夫?」
その一言に、
期待。
焦り。
義務感。
傷つきたくない気持ち。
全部が混ざる。
本当は、
抱きしめてほしいだけなのに。
「大丈夫だよ」
って言ってほしいだけなのに。
気づけば、
会話は愛ではなく、
基礎体温。
病院。
排卵。
着床。
AMH。
そういう言葉ばかりになる。
そして私は、
夫に触れられるたび、
少し苦しくなっていった。
愛されているのか、
妊娠するために触れられているのか、
分からなくなったから。
妊活が苦しいのは、
赤ちゃんが来ないことだけじゃない。
“女としての自分”
が、
少しずつ壊れていくことだ。
生理が来るたび、
私は静かに自分を責めていた。
「なんで私はできないんだろう」
友達の妊娠報告を見て、
ちゃんと「おめでとう」と送る。
でも、
スマホを閉じたあと、
涙が止まらなくなる。
そしてまた、
そんな自分を嫌いになる。
「喜べないなんて最低だ」
違う。
本当は違う。
羨ましかったんじゃない。
ただ、
苦しかっただけ。
それだけ本気で、
命に会いたかっただけ。
私は子宝鑑定師として、
たくさんのご相談を受けてきました。
その中で感じることがあります。
妊活が長くなる人ほど、
“愛されること”
をどこかで諦めている。
もちろん本人は、
そんなつもりじゃない。
でも、
夫に気を遣う。
空気を悪くしない。
「大丈夫」と笑う。
本音を飲み込む。
そうやって、
少しずつ、
“本当の自分”
が消えていく。
不思議なのですが、
妊娠が近づく方ほど、
一度大きく壊れることがあります。
泣く。
怒る。
夫に本音をぶつける。
「寂しかった」
って言う。
「愛されたかった」
って認める。
そのあと、
空気が変わる。
まるで、
止まっていたものが、
急に流れ始めるみたいに。
私は時々、
天使ちゃんたちは、
“いいママ”
を探しているんじゃないと思うのです。
ちゃんと泣ける人。
ちゃんと助けてと言える人。
ちゃんと、
「愛されたい」
を隠さない人。
そういう、
“本当に生き始めた人”
のところへ、
降りていく気がする。
だから妊活って、
赤ちゃんを待つ時間じゃないのかもしれません。
本当は、
“自分を愛し直す時間”
なのかもしれない。
「私は寂しかった」
「私は怖かった」
「私は愛されたかった」
その気持ちを、
やっと抱きしめ直せる時間。
そして、
天使ちゃんたちは、
その姿を静かに見ている。
“完璧だから来る”
んじゃない。
泣きながらでも、
不器用でも、
それでも愛したいと願っている人のところへ、
来る。
私は、
そんな瞬間を何度も見てきました。
だからもし今、
苦しくて、
夫婦関係まで壊れそうで、
「もう向いてない」
と思っていても、
終わりだとは思わないでほしい。
もしかしたら今、
見えないところで、
小さな命が、
あなたを見つけようとしている途中なのかもしれません。
