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【じーじは見た!】前編:裁量労働制の適用拡大は「善か?悪か?」 ~ 令和7年版過労死等防止対策白書を見てみた! ~

Z世代応援団、未来世代応援のじーじです!

さて、裁量労働の適用拡大は、企業にとって従業員を「働かせたい放題」にする制度になってしまうのか、それとも働きたい人にとって「働きたい放題」の喜びになるのか、まずは、過労死等防止対策白書を見て、現実をデータから客観的に読み取ってみましょう。


1️⃣ 過労死等防止対策白書とは

過労死等防止対策推進法(平成26年施行)の第2条で過労死等は次のように定義されています。

この法律において「過労死等」とは、業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう

令和7年版過労死等対策白書【概要版】より引用①

そして第6条では、毎年国会での報告が義務付けられています。

政府は、毎年、国会に、我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況に関する報告書を提出しなければならない。

令和7年版過労死等対策白書【概要版】より引用②

昨年の通常国会で公表された令和7年版の報告書は法律施行から10年目の白書でした。現時点ではこれが最新版です。

白書は次のように構成されています。
第1章 過労死等の概況
 1. 労働時間やメンタルヘルス対策等の状況
 2. 過労死等の状況
 3. 過労死等に係る調査・研究
第2章 過労死等の防止のための対策の実施状況
 1. 労働行政機関等における対策
 2. 調査研究等
 3. 啓発
 4. 相談体制の整備等
 5.  民間団体の活動に対する支援
※企業や団体の取組事例などのコラムを掲載

過労死の現状について「データ」を確認していくことで、裁量労働制の適用拡大を今すぐに目指すべきかどうかを考察していきます。
現実を確認する前から、BP(ベストプラクティス)で紹介されているような事例を性善説で横展開できるという丸投げ行政だけは止めてほしいと思っていますがね。

さて、そのBP取組事例のコラムには、亡くなった私の義父がお世話になった四国中央市のHITO病院の事例が出ていました。後編で紹介しますね。

2️⃣ 過労死等の状況

まずは、従業員の働かせ方を企業任せにしても良いほど、過労死等が減ってきているのか?を確認してみましょう。企業任せにしていい程、企業のマネジメント力が成長している証拠となるデータはあるのでしょうか?

令和7年版過労死等対策白書【概要版】より抜粋①
令和7年版過労死等対策白書【概要版】より抜粋②

どう見ても人手不足を背景に、近年、過重労働環境が原因の過労死等が増えているようにしか見えませんよね?

令和7年版過労死等対策白書【概要版】より抜粋③

過労死等(死亡もしくは精神障害の発症)が増えている状況は数字の上では明らかです。

コロナ禍での財政出動を経て、経済がインフレ基調に変化すると共に人手不足が顕在化してきたことに歩調を合わせて生産性向上投資が活発になればいいのですが、このデータは、人を安くこき使う方向に企業が動いていることの証拠ではないのでしょうか?

それでも大企業は賃金を上げる余力があり、従業員の満足度は高まっているかもしれませんが、企業数では日本の99%が中小企業です。そんな状況で裁量労働制の適用拡大を目指すべきなのでしょうか?

3️⃣ 過労死等の原因は何?

業種で見ると「医療・福祉」の現場断トツのワースト1位です。

令和7年版過労死等対策白書【概要版】より抜粋④

また、精神障害発症原因(出来事別)の断トツ1位は対人関係です。
対人関係の中でもいじわる上司によるハラスメント等が過労死等の原因のトップであることがデータで見えてきます。

上司や同僚からのハラスメントが起こりやすい日本人気質がありますから、マネジメント力の向上が先であり、裁量労働制の適用範囲拡大なんて後で考えたらいいんです。拡大なんかしたら過労死の原因を増やすだけです。

令和7年版過労死等対策白書【概要版】より抜粋⑤
令和7年版過労死等対策白書【概要版】より抜粋⑥
上司とのトラブルが断トツ1位
同僚とのトラブルと顧客や取引先からの迷惑行為が同じくらい
そして最後が同僚からのいじめ
令和7年版過労死等対策白書【概要版】より抜粋⑦
コロナ禍を経て、医療業界、外食産業、運送業界等の業界が悪化している
令和7年版過労死等対策白書【概要版】より抜粋⑧

IT業界の場合は、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」ことが過労死等の引き金になっています。外食産業の場合は、長時間労働が引き金になっています。

令和7年版過労死等対策白書【概要版】より抜粋⑨

外食産業では、エリアマネジャーやスーパーバイザー、店長といった職種の方が長時間労働の矢面に立っています。

よもやこういった職種の方々を対象にした裁量労働制の適用拡大を産業界が要望しているとおりに政治が応えようとはしていませんよね。

後編でも詳しく見ていきましょう。

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