【じーじは見た!】前編:環境表示のあり方に関する検討会を見てみた!
Z世代応援団、未来世代応援のじーじです!
皆さんは、グリーンウォッシュという言葉をご存知ですか?
グリーンウォッシュ(Greenwashing)とは、実際には環境に配慮していないにもかかわらず、あたかも環境に優しいかのように見せかける行為のことです。
・「エコ」や「サステナブル」といった言葉を使った表示をした製品だけれど、言葉だけで具体的なデータや証拠がない根拠のない主張や、
・「自然にやさしい」「地球にやさしい」など曖昧な表現による印象操作、
・製品の一部だけを取り上げて環境配慮をアピールして全体の環境負荷を隠す一部だけの強調、
・緑や自然のイメージを使って、環境に良さそうに見せる誤解を招くパッケージデザインなどは、サステナビリティ全体への信頼を揺るがします。
つまり、本当に環境に配慮して環境と企業活動の調和にコストを掛けている企業の信頼を損ないます。
そこで、その対策を検討している「令和7年度環境表示のあり方に関する検討会」の資料を確認してみることにしましょう。
1️⃣ 本検討会の目的は?
委員の皆さんは、こんなメンバーです👇

目的は、次のとおりです。
環境省が事業者等による適切な環境表示のあり方について取りまとめ、策定した「環境表示ガイドライン」(平成25年3月改訂)について、近年の国内外の動向等を踏まえ、改訂を検討するため、学識経験者と企業担当者等から成る「令和7年度環境表示のあり方に関する検討会」を開催する。
近年の国内外の動向を考慮して「環境表示ガイドライン」を改訂するための検討会だそうですよ。
2️⃣ 官僚さんの資料の前にじーじの視点
環境の一丁目一番地の問題って何ですか?
そう、気候変動問題、CO2排出量の増加に伴う地球温暖化ですよね。
今、大手企業は、世界のCO2排出量情報の共通フォーマットであるGHGプロトコルに従ってCO2排出量をScope1(自家発電での排出量)+Scope2(購入電力分の排出量)+Scope3(サプライチェーン上の自社以外の排出量)を算出して情報開示しています。
ところが、WEB上にScope3を開示している大手企業の数字だけを合算しても国全体の排出量(11億CO2トン)より何倍も大きな数字になります。
これは、国が国連に報告する数字との連動性よりも、企業ごとの排出責任と削減余地を可視化することが狙いの算出方程式だからです。これは個々の企業に対するESG投資を促すために設計された「GHGプロトコル」の大きな欠陥だと私は思っています。
この弊害として現れている現象が森林減少です。最新のFAOの世界森林統計2025を見ても、今に至っても森林減少が止まっていない結果を生んだ事実がそれを示しています。
GHGプロトコルに従ったCO2排出量の算出は、サプライチェーン全体のCO2排出量の把握という面倒な仕事を企業に強いて、企業の業務生産性を下げる取り組みを強制してきました。複雑な計算で国の数字と連動しないダブルカウント、トリプルカウントとなる責任の所在不明な計算を強いたのです。それによって、コンサルだけが儲かる構造になってしまいました。米国のパリ協定離脱の引き金になった愚策が、GHGプロトコルにあったと言わざるを得ません。
私は、今こそ次の対策を日本政府が整備して、国際社会に訴えるべきだと思っています。
1)Scope3の“目的”の再定義をする
国全体の排出量と企業の排出責任が連動するように、開示の目的と限界を明確にして、ダブルカウント・トリプルカウントとなる開示を避ける控除ルールを明確にする。その上で、中小企業には、簡易な推計手法や支援ツールをデジタル庁で準備して、中小企業のコスト負担を軽減する。
2)森林の経済価値を“見える化”する
自然資本会計を国際的に標準化して、森林の炭素吸収や生態系サービスを企業のバランスシートに反映できるようにする。
これはひょっとすると日本政府にしかできないことかもしれません。米国が離脱したパリ協定の実行を協議するCOPの場で提言していくリーダーシップを発揮すればいいんじゃないかな。
王子モデルの国際発信を進める:森林をど真ん中に置いた自然資本会計の先進事例として、王子HDの取り組みとテンプレート(林野庁モデル)を国が後押ししてCOPでは王子に代わって政府自身(環境大臣)が英語で発信する。
アジャスメントルールの国際標準化:Scope3のダブルカウントを補正するための国別・業種別調整係数を設け、国の報告値と企業開示の整合性を保つルールを日本政府がCOPで提案する。
製品表示の国際整合を提案する:ISOやIECと連携して、製品ごとのCO₂表示ルールを統一することで、消費者が比較しやすく、企業もグリーンウォッシュを避けやすくする。
森林価値の国際会計基準化:自然資本会計をIFRSやTNFDと連動させて、企業の財務報告に組み込むことを日本政府がCOPで提案する。
今こそ日本が独自の価値観と技術で存在感を発揮するチャンスです。
まあしかし、米国の離脱で、世界全体のCO2排出量の国連報告値も米国抜きの数字しか積算できなくなりますから、日本が一生懸命にやったところでフォローしてくれる世界のお友達は誰もいないかもしれません。だけど、きっと後の世で、その国家の品格は尊敬されると思いますよ。
3️⃣ 環境表示を巡る最近の動向について
さて、次は官僚さんが準備してくれた資料3「環境表示を巡る最近の動向について」を見ていくことにしましょう。


環境ラベル体系の中では、法律上の義務ラベルよりも自主的ラベルの方が圧倒的に広範囲なんですよね。
日本における環境表示の規制は、次の3つが柱です。
【景品表示法】

【環境表示ガイドライン】

【信頼性確保ガイドライン】

それに対してEUはどうしているのかというとISOを標準ルールとした上で、EU指令があります。


官僚システムの大先輩EUは、グリーンウォッシュをさせないぞと環境ラベルの規制を強化しています。そのためISO14021で自己宣言型環境プログラム(旧タイプⅡ)の規制強化が図られており、それに対応した「環境表示ガイドライン」への改正が日本でも必要になってきているようです。
そうしないと日本のエコマークを付けていてもEUへ輸出がすんなりできなくなるからです。

日本の行政はどうしてこうも受け身なんでしょうか?
環境先進企業ほどEU指令の影響を受けてしまいます。
もっと日本の環境省も能動的に世界に発信しなくちゃ。

後編では、日本企業の動きを見ていくことにしましょう。
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