【じーじは見た!】前編:原子力小委員会 革新炉WGの最新情報を見てみた!
Z世代応援団、未来世代応援のじーじです。
高市首相は、施政方針演説の中で、原発について「原子力規制委員会により安全性が確認された原子炉の再稼働加速に向け、官民を挙げて取り組みます。廃炉を決定した原子力発電所を有する事業者の原子力発電所のサイト内での建て替えに向け、次世代革新炉の開発・設置についても具体化を進めます。」と述べ、リプレースにも言及した上で、次世代革新炉の開発・設置に触れました。
福島での原発事故を見れば、理想は「原発なしで電力を安価に安定して供給できる」ことに間違いはありません。
しかし、政治で重要なのは「理想を掲げつつも、現実に根ざした政策を構想できる」構想力(人・物・金の資源配分計画)です。
堂々と原発の新設(リプレース)を発言する高市首相には、その構想力があることを国民は理解し支持したのだと思います。
現実にイラン情勢を見ていると、今は原発再稼働を最優先すべきだと思うのですが、「原発反対」とだけ叫ぶ人々は、夏場の計画停電もやむなしと言い出しかねず、原発を再稼働するくらいなら石油不足での計画停電は善ということに固執するのでしょうね。
理想だけをワーワー言って、人の悪口に終始していた政党は、選挙結果を少しは反省しないと「理想を掲げつつも、現実に根ざした政策を構想できるリベラル」不在のままも困った問題です。
さて、今回は、その原発の有識者会議、革新炉WG(ワーキンググループ)の最新情報を一緒に確認してみましょう。
1️⃣ 第1回会合は、岸田政権下の2022年4月

岸田政権下の2022年4月というのは、ちょうどロシアがウクライナに侵攻した直後のことです。
2022年4月の時点では、米国がまだCOP(気候変動枠組み条約締約国会議)に賛同して参加していた時期でした。
日本は、脱炭素に向けて現実的な3E+Sのエネルギー政策方針の下で「原発」は不可欠であるとして、岸田政権下の2022年に会議を始めています。
※3E+S:安全(Safety)を大前提とし、安定供給(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境適合(Environment)の3つの「E」を同時に達成する方針
高市首相が、解散総選挙に打って出た2026年1月の第11回会合の資料を確認してみましょう。どんな革新炉が検討されているのでしょうか?

2️⃣ 高速炉(Fast Reactor)
第11回会合では、高速炉と高温ガス炉が議論されました。
まずは、高速炉です。
高速炉といえば、皆さんは高速増殖炉「もんじゅ」の名前を憶えておられますか?
■ 燃料の再利用が可能:使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再利用できる「核燃料サイクル」の中核をなす技術で核のごみ問題に対して減容化にもなるので「もんじゅ」は期待の星でした。
■ 中性子の速度が速い:通常の軽水炉は「熱中性子」を使うのですが、高速炉は「高速中性子」で核分裂を起こすので高速炉と呼ばれます。
■ 冷却材はナトリウム:水ではなく液体ナトリウムを冷却材に使うことで、高温でも高い熱伝導性を保てる反面、ナトリウムは水と激しく反応するため、安全性の確保に課題があります。
「もんじゅ」は日本が開発していた実証炉タイプのナトリウム冷却高速増殖炉として、1994年に運転を開始しました。しかし、運転開始からわずか4か月後にナトリウム漏れ事故が発生して、長期間の停止に追い込まれました。
技術的な難しさへの挑戦はいいとしても、その後もトラブルや安全管理の問題(隠ぺい体質)が明らかになりもんじゅの計画は頓挫しました。事故後、運営主体の動燃(動力炉・核燃料開発事業団)が事故の映像を隠蔽していたことが発覚し、社会的信頼を大きく損ねたことの事実は重く、結局2016年に廃炉が決定されました。
この隠ぺい体質は、2012年3月11日の『報道ステーション』震災特番において、古舘伊知郎キャスターが、福島第1原発事故に関し「原子力村」の構造を批判し、「番組を切られても本望」と強い覚悟で隠ぺい体質を追及する姿勢を示したように日本の原子力行政の大きな問題がこの隠ぺい体質にありました。
このムラ体質(自前主義)を反省してか、今ではフランスとの共同開発による「ASTRID計画」や、次世代高速炉の在り方についての議論が有識者会議の土俵に上がるなど原子力村からの脱却が進んでいるようにも見えます。



3️⃣ 高温ガス炉(High-Temperature Gas-cooled Reactor, HTGR)
高温ガス炉の特徴としては、次の点が挙げられます。
■ 超高温で発電効率アップ:冷却材にヘリウムガスを使って、約900℃の高温を実現し、熱効率が高く、将来的には水素製造活用の電源としても視野に入れています。
■ 燃料はTRISO粒子燃料:超高温にも耐える特殊な被覆を持つ燃料で、安全性が高いとされています。
■ 受動的安全性:冷却材の喪失があっても、自然冷却で炉心が過熱しにくい設計になっています。
日本では「高温工学試験研究炉(HTTR)」が実証中ですが、この分野でも原子力村に拘らず、JAEAが英国国立原子力研究所とプロジェクトに参画しているのが特徴です。



高温ガス炉の実証炉建設には茨木県が手を上げていて2030年代後半の稼働が予定されています。
つづきを後編で見ていきましょう。
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