第3話 近所のおじさんの家の顔|にこやかな顔は、いつも穏やかだという証拠なの?
いつもニコニコとして、人当たりの良いおじさん。
公園で子どもたちに出会うと、
「おう、元気か?」と声をかけてくれる。
小さい子には、飴をくれる。
正直、ママたちはちょっと困っていたけど、
子ども達は大喜び。
だから、子どもたちは、
通りを歩く時も、公園でも、
「あのおじさんいないかな」
とキョロキョロする。
おじさんは、ママたちにも愛想がいい。
出会えば、必ずにこっと笑って
挨拶してくれる。
だけど、ある時、
おじさんの家の前を通ったママが、
家から聞こえる怒鳴り声を聞いた。
あのおじさんの声だった。
あの愛想の良いおじさんからは、
想像もできないような大きな、
そして、怖い声だった。
「誰が金を出して学校へ行かせてるんだ!」
と子どもに怒鳴っていた。
「お前がしっかりしないからだろ!」
と奥さんに向かってわめいていた。
何があったかはわからない。
子どもが何かしたのか、言ったのか。
けれど、あのおじさんが、
あんな風に怒鳴ることもあるんだと、
そのママは、ちょっとドキドキしながら家に帰った。
ずっと、優しいおじさんだと思っていた。
あんな優しい人が家族で幸せだねと思っていた。
あのおじさんは、怖い人なのだろうか?
それとも、やっぱり優しい人なのだろうか?
人は、外から見ているだけではわからない。
そのママは、
おじさんの家の前を通るたびに、
あの日の怒鳴り声を思い出すようになった。
そのママのおじさんに対する
印象は変わったかもしれない。

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