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エターナルライフ第23話 新しい神話 美里

救急車で病院に運ばれた時には話もできた。
犯人は直ぐに捕まって、パスポートも髪留めも戻ってくることを伝えると、少年の罪が軽くなるよう嘆願しようと言った。ヤツに罪は無いと。悪いのは環境なのだと。

そして、緊急手術を受けてから丸一日。まだ彼の意識は戻らない。
病院には日本語を話す日系人の守衛さんがいて、医師の説明を通訳してくれた。銃弾は肝臓を貫いていて、この二、三日が山だと言う。
守衛さんは親切な人で、時折病室に来ては、何かと気にかけてくれる。英語もまともに話せない私を見かねて、 自分はこれで仕事を終えて家に帰るけど、何かあったら電話しなさいと、電話番号が書かれたメモを渡してくれた。

彼のベッドの脇に座って冷たい手を握っていた。
お願い。死なないで。私を置いていかないで!

いつの間にかベッドに突っ伏して眠ってしまった。

「美里、美里」
私を呼ぶ声に目覚める。
「あっ、良かった。気がついた?」
「ああ」
「大丈夫? 苦しくない? お医者さん呼ぼうか?」
「大丈夫だ」
微かな力で握り返された手に手を添える。
「美里」
「何?」
「俺はもう行かなくてはならないみたいだ」
「何を言ってるの?」
「今までありがとう。君と暮らしたのは一年足らずだけど、俺の人生で一番幸せだった」
「私もだよ」
彼はその大きな手を私の頬に添え、親指で涙を拭ってくれる。

「泣かないで。Solは地平線の彼方に沈んでも、その光でLunaを照らす。俺はいなくなっても、君をずっと照らしていく。君はその光で闇を照らしていくんだ」
「お願い。そんなこと言わないで」
「安心して。必ずまた会える。なぜなら、君はユキだから。俺たちはずっと一緒だ。生命は永遠なんだ」

私は彼の胸の中に泣き崩れた。


エターナルライフ第24話 エピローグ 1990年春


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