「トドさんすう」によって何が変わったのか #3 シームレスな教材
小学校用のドリルアプリは、各社より優れたものが豊富に提供されています。
また、幼児用の知育アプリも、これまた各種あります。
しかし、小学校就学前の内容から小学校就学後まで、シームレスに使える学習アプリ、というのがなかなか見当たりません。なくはないですが、小学校用のおまけくらいな感じか、知育アプリに足し算引き算がちょっとプラスされたくらいな感じのものの印象です。
いろいろな展示会などに行って、学習アプリを見せてもらい、その企業の方と話をさせていただいて、幼児期から小学校就学後くらいまでを、年齢や学年に関係なく使える学習アプリにならないかと相談していました。
興味を持って話を聞いてくれた企業もありましたが、今までと違うコンセプトの教材を開発、リリースすることはなかなか難しいのでしょう。
せめて、学年に縛られない形で使える教材にしてほしいというのはあります。知的障害の特別支援学校では、下学年の学習内容で対応させることも多い、実際には、高等部であっても、小学校の学習内容で構成することになるからです。ただ、高校生が小学1年生の教材を使う、というのは、内容的には良くても、生活年齢との乖離がありますので、「1ねんせい」と書かれた教材を使うのは抵抗ありますし、またお花や動物のイラスト満載であることも、恥ずかしいわけです。
「トドさんすう」が、かわいいイラストを使っていないわけではありませんが、あまりに子供子供しすぎていないので、私的には許容範囲です。レベルAなど低位レベルではかわいいイラストや、幼児向けになっているのは仕方なしですが、レベルが上がってくるとそうした感じが少なくなっていきますので、高等部の生徒が使っても違和感や抵抗感が少ないと感じています。
幼児期、とりわけ、4、5歳くらいからの学習内容から取り組める、ということが大切なわけです。この時期の発達というのが、認知発達上の基礎中の基礎になっていることがたくさんあり、この段階の発達課題をきちんとこなしていくような学習が極めて大切です。この段階をしっかりとクリアして、より高度、複雑な内容に挑戦していくことができます。
認知の基盤をがっちり作りつつ、少しずつ上位の課題に進んでいくシステムが必要なわけで、これが小学校1年生の学習内容では、段階を飛ばしすぎなのです。
小学校1年生の学習内容を取り扱いつつ、5歳、6歳代の課題に立ち返ったりして、幼児期から就学期の内容を何度も往還しながら、基礎、基盤をがっちりと固めていく、そういうコンセプトやシステムで作られていることが大切だと考えています。
その点で、「トドさんすう」は、周到に考えられて、カリキュラムと学習システムが構築されています。
カリキュラム、教材の並べ方のすばらしさは、私もとても勉強になりました。

