「今年こそ夏バテしたくない」を叶える即効食材5選と生活習慣の話
朝起きた瞬間から体が重い。冷房の効いた部屋にいても、なんとなくだるさが抜けない。食欲はあるはずなのに、気づけば冷やし中華やそうめんばかり食べている。そんな毎日を送っていないでしょうか。
私は元々船に乗る仕事をしていて、独立してからは家族5人の食事を気にかける立場になりました。子どもたちの体調管理をしながら実感するのは、夏バテは「気合いが足りない」せいではなく、食事の中身が偏っていることが大きな原因になっているという事実です。我が家でも夏になると食卓がそうめんや冷やし中華ばかりに偏りがちで、気づけば家族全員がなんとなくだるさを訴える時期があります。そこで食材の中身を意識して見直すようにしたところ、朝の目覚めや午後の集中力の続き方に違いを感じるようになりました。今日はそんな夏バテを少しでも早く抜け出すために、意識して食べたい食材と、逆に控えたい習慣についてまとめていきます。忙しい毎日の中でも、買い物のときにひとつ食材を意識するだけで変えられる部分があるはずです。特別な準備や高価な食材は必要ありません。いつものスーパーで手に入るもので、今日から始められる工夫を中心に紹介していきます。
この記事で分かること
夏バテ対策として積極的に食べたい食材トップ5とその理由
麺類や冷たい飲み物に偏った食事がなぜ夏バテを悪化させるのか
疲労回復のカギとなる栄養素と、日常生活で気をつけたいポイント
参考: 日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書 八訂増補2023年版 日本食品標準成分表 厚生労働省 国民健康・栄養調査
なぜ夏バテは食事の中身で決まるのか
量は足りていても質が足りていない
暑い季節でも食欲そのものはあるという方は多いはずです。三食きちんと食べているのに、なぜか疲れが抜けない。そんな感覚を持ったことがある方も少なくないと思います。ただ、そうめんやかき氷、冷たい飲み物ばかりに偏ってしまうと、糖質ばかりが多くなり、体を回復させるために必要なたんぱく質やビタミン、鉄分が不足しがちになります。量は食べているのに疲れが取れない、という状態はこの栄養バランスの偏りが背景にあることが少なくありません。特にたんぱく質と鉄分は見落とされがちな栄養素で、意識していないと不足したまま夏の後半に突入してしまうケースが多いように感じます。子どもたちの食事を用意していても、汁物や副菜を簡単に済ませてしまう日は、後になって家族の元気のなさとして表れることが少なくありません。だからこそ、忙しいときほど「主菜に何を選ぶか」を意識することが、夏を元気に乗り切るための近道になります。
内臓の冷えと自律神経の乱れ
冷たいものを摂り続けると、内臓の温度が下がり、体はそれを温め直すために余計なエネルギーを使うことになります。ただでさえ強い日差しと湿度で消耗している体に、さらに負担がかかる形です。加えて、冷房の効きすぎた部屋で過ごす時間が長くなると外気温との差についていけなくなり、自律神経が乱れやすくなります。自律神経が乱れると疲労回復のサイクルそのものが崩れてしまい、寝ても疲れが取れない、朝から体が重いといった状態が続きやすくなります。いわば「隠れ疲労」とも呼べる状態が、気づかないうちに積み重なっていくのです。
夏バテ対策に食べたい食材5選
第1位 鶏むね肉
鶏むね肉には、疲労回復に関わる成分として近年注目されているイミダゾールペプチドが豊富に含まれています。これは渡り鳥や回遊魚の筋肉に多く含まれる成分で、長時間の運動にも耐えられるよう備わったものだといわれています。体内で疲労の原因となる酸化を抑える働きが期待されており、日々の疲れが抜けにくいと感じる方には特におすすめしたい食材です。もも肉ではなく、むね肉であることがポイントになります。パサつきが気になる場合は、そぎ切りにして下味をつけてから蒸し鶏にすると、忙しい日でも食べやすい一品になります。
第2位 豚肉
豚肉にはビタミンB1が豊富に含まれています。ビタミンB1は、糖質がエネルギーに変わる過程で欠かせない栄養素で、老廃物の代謝にも関わっています。夏バテの原因の一つはエネルギー不足と老廃物の蓄積だといわれているため、ビタミンB1をしっかり補うことは理にかなっています。ただし水溶性のビタミンで体に溜めておくことができないため、毎日の食事でこまめに摂ることが大切です。麺類を食べる日でも、豚しゃぶを添えるだけで栄養バランスはぐっと整います。
第3位 カツオ
カツオには鶏むね肉と同じくイミダゾールペプチドが含まれているうえ、血合いの部分にはタウリンも豊富に含まれています。タウリンには、興奮状態のときに優位になる交感神経を抑える働きが期待されており、自律神経のバランスを整える助けになります。イミダゾールペプチドとタウリンの両方を含むカツオは、疲労回復の面で頼れる食材のひとつです。刺身で食べるのはもちろん、たたきにしてポン酢と薬味で食べると箸が進みやすくなります。
第4位 レバー
レバーは鉄分含有量がとても高い食材として知られています。特に豚レバーは鉄分が豊富で、鉄分は全身に酸素を運ぶ役割のほか、体温維持や疲労回復にも関わる大切な栄養素です。日本人の食事摂取基準(2025年版)では、鉄の耐容上限量が見直されるなど、鉄の栄養状態そのものへの関心が高まっています。レバー特有のクセが苦手な場合は、調理前に牛乳や香味野菜と一緒に浸けておくと臭みが和らぎやすくなります。レバニラ炒めのように味付けをしっかりすると、子どもでも食べやすくなります。
第5位 うなぎ
うなぎにはビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンEは体の酸化を防ぐ働きが強く、活性酸素による細胞へのダメージを抑え、生活習慣病の予防にもつながるといわれています。夏バテによる疲労は体全体の酸化とも関連が深いため、抗酸化作用のあるビタミンEを含むうなぎは、夏を乗り切るための頼もしい味方になります。価格が気になる場合は、うなぎ以外にも青魚などビタミンEを含む食材を組み合わせて取り入れるのもひとつの方法です。
鉄分は「種類」と「組み合わせ」も大切
ヘム鉄と非ヘム鉄の違い
鉄分には、肉や魚などの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、卵や乳製品、野菜などに含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。一般的にヘム鉄のほうが体への吸収率が高いといわれており、レバーやカツオ、マグロ、豚もも肉、あなごなどに多く含まれています。一方の非ヘム鉄は、牛乳やあさり、ほうれん草、ブロッコリーなどに含まれており、ビタミンCやたんぱく質と一緒に摂ることで吸収率を高めやすくなるとされています。動物性食品に偏りすぎず、野菜もあわせて取り入れることで、無理なく鉄分を補いやすくなります。例えば、レバーやカツオを使った主菜にほうれん草のおひたしやブロッコリーのサラダを添えるだけでも、鉄分の摂取源を無理なく増やすことができます。一品足すだけの工夫であれば、忙しい日常の中でも続けやすいのではないでしょうか。
夏バテを悪化させやすいNG習慣
麺類だけで食事を済ませてしまう
うどんやそうめん、そばといった麺類そのものが悪いわけではありません。問題は、麺だけで食事を済ませてしまい、たんぱく質やビタミンが不足しやすくなることです。体の中でもっともエネルギーを消費している組織は筋肉だといわれており、たんぱく質が不足すると筋肉量を維持しにくくなり、体力の低下につながっていきます。エネルギーの材料となる糖質や脂質を全身へ運ぶのは血液であり、その血液や筋肉を作る材料になるのがたんぱく質です。麺だけの食事を続けていると、この運搬とエネルギー生産の仕組みそのものが弱ってしまい、結果として夏バテを悪化させるリスクにつながっていきます。うどんに卵とじを添えたり、冷奴や厚焼き卵を副菜として一品加えるだけでも、栄養バランスは大きく変わります。かき揚げうどんではなく、肉うどんやきつねうどんを選ぶといった小さな工夫も効果的です。
冷たい飲み物・食べ物への偏り
お風呂上がりの冷えた飲み物や、キンキンに冷やした食事は魅力的ですが、内臓を冷やしすぎると自律神経の乱れを招きやすくなります。胃腸が冷えることでお腹を下しやすくなるという方もいますし、消化吸収の働きそのものが弱まってしまうこともあります。ただし、猛暑日のような気温が高い日には熱中症を防ぐために体を冷やすことも重要になるため、常に温かいものだけを摂ればよいというわけではありません。状況に応じて、冷たいものと常温・温かいもののバランスを意識することが大切です。普段は常温の水や白湯を基本にしつつ、気温が特に高い日は冷たい飲み物も上手に取り入れる、というくらいの柔軟さがちょうど良いのではないかと思います。
食事以外で見直したい生活習慣
室温と入浴
冷房を効かせすぎると、体は外気温との差についていけず自律神経が乱れやすくなります。室温を下げすぎず、適温を保つことをまず意識してみてください。また、暑い時期はシャワーだけで済ませてしまいがちですが、湯船に浸かる習慣を持つこともおすすめです。入浴によって深部体温が一度上がり、その後ゆるやかに下がっていく過程でリラックス効果が高まり、睡眠の質にも良い影響が期待できます。忙しい日が続いても、週に数回は湯船に浸かる時間を作るだけで体の感覚が変わってくるはずです。
睡眠でリカバリーする
暑さと湿度で消耗した体は、思っている以上に疲労を溜め込んでいます。夏の疲れをそのままにしておくと、秋や冬になってから不調として表れることもあるといわれています。夏の疲労は、その場では気づきにくく、気づいたころには積み重なっているというのが厄介なところです。栄養と休養、そして十分な睡眠、この3つを意識しながら、常に全力を出し切るのではなく、8割ほどの力加減で過ごすくらいの余裕を持つことが、長い夏を乗り切るコツなのではないかと感じています。
まとめ
夏バテ対策として意識したい食材は、鶏むね肉、豚肉、カツオ、レバー、うなぎの5つです。いずれもたんぱく質や鉄分、ビタミン類を補える食材で、麺類や冷たい飲み物に偏りがちな夏の食事を見直すきっかけになります。あわせて、室温管理や入浴、睡眠といった生活習慣も整えることで、疲れをその日のうちに回復させやすい体に近づいていきます。すべてを一度に完璧にこなす必要はありません。むしろ完璧を目指すこと自体が続かない一番の原因になりがちです。今日の一食に一品加える、飲み物を少しだけ常温に変えてみる、そんな小さな積み重ねが夏の終わりの体調を大きく左右します。今年の夏は、ひとつずつできることから取り入れてみてください。
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