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4人に1人が睡眠不足の日本で見落とされている「食べ方」の話|今夜から変えられる快眠食材4選

毎朝、目覚めるたびに「また疲れが残ってる」と感じていませんか?

朝、アラームが鳴るたびに「もう少し寝たい」という気持ちだけが頭を支配する。布団から出てもどこか体が重く、頭がぼんやりしたまま仕事モードに切り替えられない。夜はちゃんと寝たはずなのに、日中になるとどっと疲れが押し寄せてくる——。

私もかつてそんな毎日を送っていました。「もっと早く寝ればいい」「スマホを手放せばいい」とわかってはいるけれど、仕事や育児に追われているとなかなかうまくいかない。

それもそのはず。厚生労働省の令和5年(2023年)「国民健康・栄養調査」によれば、睡眠で十分に休養がとれている人はわずか74.9%。つまり日本人の約4人に1人が、慢性的な睡眠不足を抱えているのです。さらに働き盛りの30〜50代男性、40〜60代女性では、睡眠時間が6時間未満の人が4割を超えているというデータもあります。

「何かやれることはないか」と思い始めたとき、私が注目したのが食事と睡眠の関係でした。環境を整えたり就寝時間を固定したりするのは大事。でも、毎日口にする食べ物が睡眠の質に影響を与えているとしたら、食卓から変えていくことで何かが変わるかもしれない。

最近の研究では、私たちが食べるものが睡眠に深く関わっている可能性が少しずつ明らかになってきています。今日はそのエビデンスをもとに、ぐっすり眠れる可能性が高まる食材4つと、睡眠の質を下げるNG食品2つをまとめました。

参考: 厚生労働省 令和5年(2023年)国民健康・栄養調査 厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023 台北医科大学(Taipei Medical University)キウイと睡眠に関する研究(Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition, 2011)


まず知っておきたい|睡眠と「食べ物」の意外な関係

快眠のための定番アドバイスが効かない理由

「毎日同じ時間に起きる」「寝る前はスマホを見ない」「朝に日光を浴びる」「入浴は就寝の2時間前」——よく耳にする快眠法ですが、これらをすべて実践しても眠れない、という方は少なくありません。

睡眠の研究はまだ謎が多い分野でもあります。睡眠障害は単一の原因ではなく、複数の要因が複合的に絡み合って起きることがほとんどです。だからこそ、「環境」「習慣」だけでなく、「食事」という角度からのアプローチが新たな突破口になりえます。

腸と脳は繋がっている|腸脳相関という最前線

近年の研究でわかってきたことのひとつが、腸と脳は常に情報をやりとりしているという事実です。「腸は第二の脳」とも呼ばれ、腸内環境が乱れると脳にも悪影響が及び、睡眠の質が下がる可能性があります。逆に、腸を健やかに保つことで脳のコンディションが整い、深い眠りにつながることが期待されています。

この腸脳相関の視点を持つと、「腸に良い食べ物=睡眠にも良い食べ物」という考え方が自然と浮かび上がってきます。

ぐっすり眠れる神食材4選

① キウイ|就寝1時間前に2個で睡眠の質が約42%改善

キウイといえばビタミンCが豊富で美肌フルーツのイメージが強いですが、実は睡眠の質改善にも注目されている果物です。

台湾の台北医科大学で行われた研究では、20〜55歳の睡眠に悩む男女24人を対象に、就寝1時間前にキウイを2個ずつ食べてもらう実験が4週間にわたって行われました。その結果、

  • 睡眠の質(PSQIスコア)が 42.4%改善

  • 夜中に目が覚める「中途覚醒」の時間が 28.9%短縮

  • 寝つくまでにかかる時間が 35.4%短縮

という驚きの結果が出ています。

なぜキウイが睡眠を改善するのでしょうか。研究者によれば、理由は大きく2つ考えられています。

理由1:抗酸化物質による体内炎症の抑制

キウイにはビタミンC・ビタミンE・カロテノイドといった抗酸化物質が豊富に含まれています。これらの成分は体内の炎症を減らす効果が期待されており、炎症が睡眠の質に悪影響を及ぼすと考えられていることから、炎症を抑えることで睡眠の質も向上した可能性があります。

理由2:トリプトファンによるメラトニン生成促進

キウイにはトリプトファンというアミノ酸も含まれています。トリプトファンは脳内でセロトニンに変換され、さらに睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの材料になります。メラトニンがしっかり分泌されることで、自然な眠気が訪れやすくなります。

まだサンプル数が少ない研究ですが、今の時点でできることとして「就寝1時間前にキウイを2個」というルーティンは試してみる価値がありそうです。ヘルシーで罪悪感もなく、むしろ夜のデザートタイムが楽しみになるかもしれません。

② 大豆製品|納豆・味噌・豆腐に眠りを誘う複数成分が集結

日本人の食卓に古くから馴染む大豆製品。じつはこれが、睡眠に関わる栄養素の宝庫でもあります。

大豆や豆類に含まれる睡眠サポート成分をまとめると、次のようになります。

  • ナイアシン:脳神経の働きを多方面から助け、不安感を和らげる

  • ビタミンB1:精神を安定させ、不眠を改善する効果が期待される

  • ビタミンC:ストレスや疲労感を和らげ、安眠をサポートする

  • トリプトファン:セロトニン・メラトニンの材料となる必須アミノ酸

  • レシチン:細胞膜を構成する重要な成分で「若返りの栄養素」とも呼ばれる

中でもレシチンは注目の成分です。大豆に含まれるレシチンは血管内にこびりついたコレステロールを溶けやすくし、血液の流れをスムーズにする効果が期待されています。血流が改善されると新陳代謝が高まり、生活習慣病の予防だけでなく、睡眠サイクルの安定にもつながると考えられています。

納豆・豆腐・味噌・醤油・枝豆・豆乳……。どれも日常的に取り入れやすい食品ばかりです。「今日は夕食に豆腐を一丁」くらいの気軽な感覚で続けることが、長い目で見て睡眠の質の底上げにつながっていきます。

③ プレバイオティクス|腸活が睡眠を深くする|腸脳相関の最前線

プレバイオティクスとは、腸内の善玉菌のエサになる成分のことです。オリゴ糖や一部の食物繊維がこれにあたり、ヨーグルトなどのパッケージによく記載されているのを見たことがある方も多いでしょう。

コロラド大学で行われた実験では、プレバイオティクスが腸内細菌に作用することで睡眠の質が向上し、ストレス回復力が高まることが示されています。さらに動物実験の段階ではありますが、プレバイオティクスを含む餌を与えたラットは、そうでないラットに比べて、

  • ノンレム睡眠(深い眠り)の時間が増加

  • レム睡眠(浅い眠り)の時間も増加

という結果が確認されています。つまり、深い眠りも浅い眠りも両方改善したということです。

先ほどご紹介した腸脳相関の観点からも、腸内環境を整えることが脳のコンディションに良い影響を与え、睡眠の質向上につながるというのは十分に考えられるメカニズムです。

プレバイオティクスを含む食品には次のようなものがあります。

  • 玉ねぎ・にんにく・ねぎ(フラクトオリゴ糖が豊富)

  • バナナ・ごぼう(水溶性食物繊維が豊富)

  • 大麦・オーツ麦(β-グルカンが豊富)

  • 発酵食品(みそ・納豆・ぬか漬け)

腸活という言葉がすっかり定着してきましたが、その恩恵は腸だけにとどまらず、脳や睡眠にまで波及している可能性があります。シン腸活として「睡眠のための腸活」という観点でアプローチしてみるのも、新しい視点ではないでしょうか。

④ 魚介類|トリプトファン+グリシンのWパワーで睡眠ホルモンを呼び込む

魚が体に良いことは広く知られていますが、睡眠の質を高める栄養素も豊富に含まれています

カツオやマグロなどの魚介類にはトリプトファンが豊富で、セロトニン→メラトニンという睡眠ホルモンの生成経路をしっかりサポートしてくれます。

さらに魚介類全般と肉類に含まれるグリシンという成分にも注目です。グリシンはアミノ酸の一種で、睡眠の質を高め、不眠を改善する効果が研究で確認されています。深部体温を下げる作用があるとされており、体温が下がるタイミングで自然な眠気が促される、という睡眠のメカニズムとも合致します。

具体的に取り入れやすい魚介類としては、

  • 刺身(マグロ・カツオ・サーモン)

  • 焼き魚(さば・いわし・さんま)

  • えび・ほたて・いか

などが挙げられます。毎日の食卓に魚料理を1品加えるだけで、睡眠に関わる複数の栄養素を自然に補うことができます。

その食べ方、眠りを邪魔しているかもしれない|NGな食べ物と時間帯

食事で睡眠の質を高めようとするなら、「取り入れるもの」だけでなく「避けるもの・避けるタイミング」も同様に大切です。

NG① カフェイン|半減期は5〜7時間、午後3時以降は要注意

「コーヒーは夜に飲まない」とわかっていても、カフェインが体内にとどまる時間の長さを把握している人は少ないかもしれません。摂取したカフェインの効果が半分になるまでに約5〜7時間かかるとされています。

つまり、午後4時ごろに飲んだコーヒーの影響は、夜の9〜11時になっても半分残っている計算になります。これでは脳が覚醒したまま眠りにつけないのも無理はありません。

さらに注意が必要なのが、カフェインはコーヒーだけに含まれているわけではないという点です。

  • 緑茶(特に玉露):コーヒーよりも多くのカフェインを含む場合がある

  • 紅茶・烏龍茶:ほうじ茶に比べるとカフェインが多め

  • エナジードリンク・コーラ:カフェイン含有量が多い

  • チョコレート・ミルクチョコのお菓子やアイス:知らず知らず摂取するケースも

「お菓子を夜に食べていたらカフェインを摂っていた」というのは、実は珍しい話ではありません。睡眠に悩んでいるなら、午後3時以降はカフェインを含む飲食物を意識的に控えるだけでも、効果を感じられる可能性があります。

NG② 刺激の強い食べ物・消化に悪い食べ物|夕食のタイミングと内容が眠りを左右する

ニンニク・唐辛子・生姜・胡椒などのスパイス系食品は、血行促進や代謝アップなど健康面では良い作用もありますが、交感神経を刺激して活発化させてしまうという側面があります。良い眠りには副交感神経が優位な状態が必要なため、就寝前の刺激物は眠れない夜を招く原因になりかねません。

また、脂っこい食べ物や肉の塊など消化に時間がかかる食品も要注意です。胃の中に食べ物が残っていると、消化活動が続いて体温がなかなか下がりません。人間が眠りに落ちるためには、体温がぐっと下がるタイミングが必要です。就寝2時間前に入浴して体温を上げておき、眠るころに体温が落ちる「落差」を作るのが快眠法として知られているのも、この体温の仕組みが理由です。

夕食は、

  • カフェインを含まないものを選ぶ

  • 刺激の少ない、消化に良いものを中心に

  • 就寝の2〜3時間前までには食べ終える

この3点を意識するだけで、食後からの眠りの質は大きく変わってきます。

今日から取り入れたいまとめ|睡眠の質を整える食事の基本

ここまでの内容を整理します。

ぐっすり眠れる可能性が高まる神食材4選

  • キウイ:就寝1時間前に2個。トリプトファン×抗酸化物質で睡眠の質改善に期待

  • 大豆製品:ナイアシン・ビタミンB1・トリプトファン・レシチンが豊富

  • プレバイオティクス:腸活=睡眠の質向上へつながる腸脳相関アプローチ

  • 魚介類:トリプトファン×グリシンのダブル効果で睡眠ホルモンをサポート

避けたいNG食品・NG習慣

  • カフェイン:午後3時以降は控える。緑茶・チョコも要注意

  • 刺激物・消化に悪い食べ物:夕食は消化に良いものを、就寝2〜3時間前までに

食事で睡眠を変えるには「続けること」がすべて

正直に言うと、これらの食べ物はどれも「食べたらすぐぐっすり眠れる」というものではありません。睡眠の悩みは長い時間をかけて積み重なったものですから、改善にも時間がかかります。

大切なのは無理なく日常に取り入れ、コツコツ続けることです。納豆を朝食に加える、夕食に魚を1品増やす、夜のおやつをキウイに変える——そんな小さな積み重ねが、3か月後、半年後の「朝のすっきり感」につながっていくはずです。

どれも特別な食材ではありません。スーパーで手に入る身近な食品ばかりです。まずは気になるものひとつから試してみてください。


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