最高のチームは、良い焚き火に似ている1/2
冬になると、「焚き火ダイアローグ」というワークショップを何度か開催しています。
内容は、ただ焚き火を囲んで対話をするだけだが、不思議なもので、いつもの会議室とは違い、真ん中に「火」があるだけで、沈黙すら心地よく、内省が深まっていく。言葉が、表面的なものではなく、もっと深い場所から溢れてくる感覚があります。
前回の焚き火の最中、パチパチと爆ぜる炎を眺めながら、ふと「組織づくりも焚火と同じではないか」と考えたことがありました。今日はその気づきを書き残しておこうと思います。________________________________________
1.準備:燃えるための「設計」
焚き火は、火をつける前の「準備」で8割が決まります。
薪を探し、整える
市販の薪は、同じサイズにカットされ、よく乾燥しています。これは、いわば特定の役割を期待されて入ってきた中途採用のベテランのような存在。扱いやすく、役割が明確です。
一方で、現地で拾う薪は、太さも形もバラバラです。 ここで重要なのは「乾燥しているかどうか」。湿った薪は、白い煙ばかり出して、なかなか燃え上がりません。組織においても、個人のマインドセット(乾燥状態)は大切です。 どんなに優秀な「薪」でも、心がネガティブな気持ちで湿っていては、周囲に火を広げることができないからです。
また、細い枝はすぐに燃えますが、すぐに灰になります。太い薪は火がつくのは遅いですが、一度火が回れば安定して長く燃え続けます。多様なサイズをバランスよく集めること。これをダイバーシティーという事かなと思いました。
「空気の通り道」を作る
薪を組むとき、一番大切なのは風の流れです。 火口(ほくち)となる木くずや小枝を中央に置き、その周りに細い枝から順に立て掛けていきます。丸太をいきなり投入しても、火はつきません。
組織も、詰め込みすぎると風が通らないので窒息します。設計された構造の中に、あえて「余白(空気の通り道)」があることで、一言のきっかけ(マッチ一本)から火が自走し始めます。
2.着火と伝播:熱を育てる
準備が整い、いよいよ火をつけます。自分の組んだ焚火にマッチ1本で火がつくかドキドキする所です。
小さな成功を大きな熱量へ
燃えやすい「火口」火をつけると燃え上がるのですが、小さな枝へ火を上手に移すのがポイントです。慎重にしないとここで消えることが多いのです。だからしっかり観察して枝を移動させたり、燃えやすい木くずを足したり、いろいろと手のかかる時期です。
火がまだ小さいうちに、良かれと思って強い風(強いフィードバックや新しい施策)を送ると、火は消えてしまいます。火の成長をじっと観察し、「ここだ」というタイミングで風を送り、熱を広げて大きな薪に燃え移らせることが大切なのです。
情熱の「延焼」
うまく火が回ると、隣の薪へと自然に燃え移っていきます。 リーダーが世話を焼き続けなくても、メンバー間で情熱が伝播していく状態。これが理想的なチームの姿です。
ただし、注意が必要なのは「勢い」の質です。 「即火即滅(そっかそくめつ)」。 紙のように一瞬で激しく燃え上がるものは、燃え尽きるのも早い。大きな薪が安定して燃え出すと安定した焚火になり、火が消えることはあまり心配しなくてよくなります。組織として目指すべきは、持続的で安定的な熱量を維持できるかどうかなのです。
今回のまとめ
「空気(酸素)がないと燃え上がらない。それが組織風土かもしれない」
薪(ヒト)をどう揃え、どう組み、どう空気を送り込むか。 焚き火を眺めていると、マネジメントの本質が少しだけ見えてくる気がします。
次回は、燃え続ける火をいかに「維持」するか、そして、焚き火の「終わり」について書いてみたいと思います。

