見出し画像

あらすじどちらが読みたくなりますか?【創作大賞】応募作品 冒頭部分

2024創作大賞では「あらすじ」(全体がわかる概略)を300字以内で用意せよとあります。以前はなかったようですが、読むかどうかを決める際、あらすじがあると、瞬時に判断できますよね。

そこでうんうん唸りながら書いてみました。

《あらすじAパターン》全体の構成がわかる
これは実際に体験した物語である。
入社して10年――主人公ヒロはIT企業への出向を命ぜられる。ようやく仕事に慣れてきた頃、新しい上司が着任。

彼は計算・文章が強く、ささいなミスも見逃さない。ときに人格攻撃ともいえる執拗な叱責がくり返される。

心身共に疲弊し、元来陽気なヒロもつぶれる寸前まで追い込まれる。「もうダメだ。辞めるかもしれない……」。最愛の妻と幼い娘に打ち明けた翌朝――ふと立ち寄ったカフェで、日傘を差す70代の貴婦人と出逢う。

すべての力を封じられ、どうにもならない窮地。そこから婦人に導かれ、物語を紡いでいくと、一条の光が射しこんで来る――絶望の淵から立ち上がっていく実話×物語。

《あらすじBパターン》実際のできごとを冒頭に持って来る。
「あのなぁ、『、』の箇所を勝手に削るな。アンタは優しさがない。冷たい人間だ。会議が間に合わなかったのも、ぜ・ん・ぶアンタのせいだからなっ」

上司の叱責が続いた。文字を打ち直すうち、PC画面が揺れ、修正の赤字が流れはじめた。泣いていたのだ。

「こんなモン、やってられるかぁーーーっ! いい加減にしろう」

心身共に疲弊し、資料を机に投げつけた。
「もうダメだかもしれない……」。夜、妻と幼い娘に打ち明けた。翌朝、ふと立ち寄ったカフェで、日傘を差す70代の貴婦人と出逢った。

すべての力を封じられつつ婦人に導かれ、物語を紡いでいくと、一条の光が射しこんで来た――絶望の淵から立ち上がっていく実話×物語。

---------------------------
小説であるのは、A 完全な創作(フィクション) と B 実話をもとにした創作(ハーフフィクション)です。後者は筆者が体験した話だけにリアル感があります。たとえばダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』は著者の、障がい者とのやり取りがベースになっていますし、辻村深月さんの一連の諸作のモチーフは学生のときの生きづらさから来ています。

一方村上春樹さんの諸作は完全な想像の物語です。どちらがいいかは一概に言えませんが、私はやはり実際に体験したことをベースに物語を作ってもらったほうがピンときます。

その意味で最初、Aパターンを書いていたのですが、Bパターンもいいのではないかという気がして来ました。Bパターンは物語そのものには書いていない描写ですが、実際に起きたできごとを書いているからです。

そのうえで、どうにかして窮地を脱け出そうとして、想像を駆使しながら、物語を再構築していった「エレナ婦人の教え」は思い入れのある作品です。

とはいえ、一般の読者には冒頭のツカミがないと、ふ~ん、そういうこともあるもんかな、くらいのインパクトしかなく、読んでもらえない可能性があります。そこで最初に実際に言われた言葉を持ってきて、臨場感を高めてから、物語を作って行った過程を見せるというBパターンを思いつきました。

ただ、単に全体の構成がわかればいいのなら、Aパターンもありかなと思います。Bパターンだとあまりにリアル過ぎる部分からのスタートなのでちょっと創作部分を入れたほうがいいようにも思います。

みなさんはどちらのパターンがいいと思いますか。
よかったらその理由も含めてコメントいただければうれしいです。あるいはまだ物足りないとかのご意見でもOKです。執筆の参考とさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

実際の小説のはじまり部分はこちら
エレナ婦人の教え」第一話 ふしぎな出逢い



いいなと思ったら応援しよう!